月刊スパ帝国Vol.20

ゲーム付きミニ雑誌「月刊スパ帝国」Vol.20の紹介


Vol.20は戦時経済ゲーム「ウォータイムエコノミー」の拡張パック。12ヶ国を追加すると共に、4ヶ国で同盟を組んで共同の勝利を目指す「アライアンスゲーム」が登場! 1人でも、多人数協力でも、新たな戦略で伝説級勝利を目指せ!

Vol20

内容:

  • 「ウォータイムエコノミー」拡張版
    • 追加国ボード6枚(12ヶ国:オーストラリア・中華ソビエト・エチオピア・自由フランス・ギリシャ・ハンガリー・オランダ・ポーランド・ルーマニア・スウェーデン・スイス・ヴィシーフランス)
    • 追加スコアボード(アライアンスゲーム:1人または多人数協力ゲーム)
    • 各種ルール
  • デザインノート
  • ゲームレビューコーナー
  • 読み合いを読まない話
  • メカニクスのスイートスポット
  • 「運ゲー」の問題
  • キャラクタ調整の問題

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新たな戦場。共同の勝利を目指して各国の仕事を分担しよう。目前のノルマを突破する係、国力を蓄えて最後のスコアを稼ぐ係、金を稼いで他の国に流す係。多様性こそが生き延びる力だ!

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新たな勢力! 全く異なる12ヶ国に最適な戦略を見つけよう!

補足:

  • その職場の全ての行動を実行できない限り、職場にダイスを置く事はできない。例えば労働力を増やせない状況で、ダイス回収のために中華ソビエトの「動員」を使う事は不可。

 

1部¥950+送料。注文はストアから。

2014年 スパ帝国ロードマップ

2014年に作りそうな製品のリスト


新年あけましておめでとうございます。今年もゲーム工房スパ帝国に宜しくお付き合い下さい。というわけで今年の製品開発予定(暫定)を公開。

 

ウォータイムエコノミー拡張パック

月刊スパ帝国Vol.19の付録「ウォータイムエコノミー」に追加の国ボードとスコアボードを導入。複数人による協力プレイも実装。共同で勝利点を獲得し、規定の年限に規定の勝利点を持っていれば勝利だ。追加国の予定は以下:

  • 自由フランス:インフラの概念が無く自由に動員できる。労働力上限は3。建設の代わりに「宣伝」職場を使い、既に配置したダイスを叩き起こして再び働かせる事ができる。
  • オランダ:持っている資金の量に応じて勝利点を得るコマンドがある。
  • ポーランド:労働力でなくインフラを下げて勝利点を得る事ができる。
  • ギリシャ:各職場に特定のダイス目が割り当てられており、その目を配置するとボーナスが得られる
  • その他:力の限り作って出荷

 

ゲーム2.0

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暫定企画。90年代ごろまでの主流ゲームデザインを「ゲーム1.0」、ドイツゲームなど現代のゲームデザインを「ゲーム2.0」と定義し、設計思想の根本的な変化を解説する。

例えばCivilizationシリーズには国勢調査画面があり、プレイヤーが生産しているシールドの数に基づいて工業生産のトン数が表示されたり、支配しているスクエアの数に基づいて国土面積の平方マイル数が表示される。これは何の為にあるのだろうか? と考えたらゲーマー2.0である。昔の我々は「どうして工業製品100万トンを1シールドで表すのだろうか?」と考えていたからだ。物事を抽象化して「シールド(またはハンマー)」の様なアイコンに落とし込むのは非常にゲーム2.0的な発想である。ゲーマー2.0にとってはシールド(ハンマー)の数こそゲームの実体だが、ゲーマー1.0にとっては「100万トンの工業製品」こそが実際に存在している対象物だったのだ。

同様にして、伝統的なウォーゲームは1ヘクスが何メートルか、部隊の兵員が何人かを厳密に定義していた。これに対して最近の作品である”Battle of the Buldge”は非常に抽象的なアプローチを採用しており、標準的な歩兵部隊は兵員数が「4単位」であり、戦車の移動力は「2マス」である。全てが整数で表されるモデル化された世界だ。これは現実を模するのでなく、プレイヤーに面白い選択肢とゲーム体験を提供する事に集中しているのである。

ゲーム2.0の大きな特徴は以下の通り:

  • 現実を模する為に格段の努力をしない
  • 数値が可能な限り桁の小さい整数で表される
  • ルールが明晰でプレイヤーに公開されている
  • リプレイ性が高い
  • 常に正解となる選択肢が存在せず毎回頭を使う
  • 「間違った」遊び方をしてもゲームが壊れにくい

企画だけでまだ存在していない! 実際に書かれるかどうかは前評判次第だ!

 

新版ロンバルディアの王冠

カードデザインを一新し、1人用ルールを正式に組み込む。協力プレイの実装も検討中。カードを並べると大きな一枚絵になる。

 

ころころシアム完全版

月刊スパ帝国Vol.15の付録「ころころシアム」を拡充しスタンドアロン製品化。キャラクター追加とインターフェースの改善が主。

 

メックアリーナ2014

過去に2度付録にした「メックアリーナ」を拡充・改善し、コンポーネントも豪華にしてスタンドアロン製品化。パラメータボードと機体ボードを統合して手元に1枚の盤を置く様にする。距離ボードは分離して共用にする。機体も大量に追加し、簡単な物から非常に複雑な物まで取り揃える。

 

ナショナルエコノミー

WWII後の国民経済の中で事業を運営するゲーム。労働者に払った給料は家計に入り、商店を通じて再び戻って来る。循環型マネーサプライ。余剰利益は新たなインフラの建設に回し、それを担保に銀行で金を借りると世界に存在する金の量が増える。

2014/1/18 ボドゲ忍者屋敷・重量級ゲーム編

都内ゲーム会イベントの案内


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1/18(土)、ロール&ロールステーション秋葉原店にてゲーム会を開催! 13:00〜18:00で途中入り途中抜け可能。プレイ予定ゲームは以下の通り:

  • シティビルダー
  • ウォータイムエコノミー
  • ほか

無茶苦茶に重すぎないゲームなら持ち込みもOK! 予約は先着順、RRSまで! タイトルを「ボドゲ忍者屋敷希望」とした上で名前・電話番号・参加予定時間を明記の事。

連絡先:r-r-s☆arclight.co.jp(☆を@に変えて入力)

店舗ページ:http://www.arclight.co.jp/r_r_s/aki/

月刊スパ帝国 Vol.19

ゲーム付きミニ雑誌「月刊スパ帝国」Vol.19の紹介


Vol.19は戦時経済ゲーム「ウォータイムエコノミー」だ。労働者ダイスを6つの職場に配置し、産業基盤を整えて武器を作れ! 最後に最も多くの軍事力=勝利点を持っていたプレイヤーの勝ちだ!

Vol19

内容:

  • 20ページ+表紙のオフセット冊子
    • XCOM: Enemy Unknownプレイ日記「ぐう凡地球警備隊ファイナル」
    • ゲームレビューコーナー
  • 1〜4人用ボードゲーム「ウォータイムエコノミー」
    • ゲームボード
    • ダイス
    • チップ
    • ミープル
    • ゲーム用紙幣

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全て能力の異なる8ヶ国が登場。好きな国を選んでWWIIを戦い抜こう。インフラを整え、労働力を動員し、技術を高めて勝利へ邁進するのだ。

ウォータイムエコノミー盤面

要所要所には「真珠湾」「スターリングラード陥落」などのイベントが設定されており、最初に通過したプレイヤーにボーナスをもたらす。ポジション取りの駆け引きが重要だ。

「ショート」「ロング」「ソロ」の3つのゲームモードを実装。1人でも大勢でも時間が無くても遊べるぞ。インストも簡単だ。1プレイ10分〜30分。

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遊び方はこちら:完全版ルールPDF

*ルール補足

  • 「生産」に複数のダイスを置いた場合はダイス1個ごとにそれぞれ費用を支払う
  • 技術ボーナスはダイス1個ごとに発生する。例えば経済技術+1の時に2を2つ徴税に置くと(2+1)×2=6で$6手に入る。
  • ダイスを置く順番は自由。まず徴税に3を置き、次に研究に2を置いてから再び徴税に3を置くという事も可能。
  • コストの足りない行動は選べない。
  • 中国の徴兵で24点を1位通過し、経済技術を高めたとしても、金銭収入に適用されるボーナスはその職場を起動した時点のものである。(1つの職場に備わっている機能は全て1チャンクとして連続で処理され、間に他の処理を挟む事は無い)

 

1部¥950+送料。注文はストアから。

2013/12/21 ボドゲ忍者屋敷

都内ゲーム会イベントの案内


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12/21(土)、ロール&ロールステーション秋葉原店にてゲーム会を開催! 13:00〜18:00で途中入り途中抜け可能。プレイ予定ゲームは以下の通り:

  • ブラッドバウンド
  • ロストレガシー
  • ダンジョンオブマンダム
  • ドッカーン!
  • ころころシアム
  • ほか

軽いゲームなら持ち込みもOK! 予約は先着順、RRSまで! タイトルを「ボドゲ忍者屋敷希望」とした上で名前・電話番号・参加予定時間を明記の事。

連絡先:r-r-s☆arclight.co.jp(☆を@に変えて入力)

店舗ページ:http://www.arclight.co.jp/r_r_s/aki/

翻訳記事:Plants vs. Zombies 2 無料化の悲劇

これは翻訳記事です

 

以下の2つの記事はPlants vs. Zombies 2を全く逆の側面から描き出している:

言い換えれば、前者はこのゲームがアイテム課金で台無しになったと信じており、後者はEAが「ユーザーを怒らせるのを恐れて」手ぬるい事をしたと信じている。EAはPlants vs. Zombies 2を基本プレイ無料にした事で駄目にしたのか? それとももっと徹底的に改造すべきだったのか? 2つの記事はあたかも違う並行宇宙で書かれたかの様だ。

実際、両記事の著者は非常に異なる世界に住んでいる。ファラデイはモバイル向け戦略ゲームブログの筆頭、Pocket Tacticsの創始者である。コアゲーマーにとって基本プレイ無料はおよそ唾棄すべきものだ。カトコフはそれと逆に、Supercellの金のなる木、基本プレイ無料MMO “Clash of Clans”のプロダクトマネージャーだ。このゲームは大口顧客を誘い込んで何千ドルも使わせる事で悪名高い。

カトコフから見れば、Plants vs. Zombies 2は基本プレイ無料ゲームとして巨大なポテンシャルを持ちながらそれを発揮できていないのだ。それはEAのプレイヤーに金を使わせる努力が不十分だったせいである。それはつまり、このゲームは簡単すぎてプレイヤーがアイテムを買う必要が無いのだ:

残念な事にPlants vs. Zombies 2は馬鹿馬鹿しいほど簡単である。ステージをクリアするには欠片ほども努力を要さない。簡単で退屈である。Plants vs. Zombies 2はリアルマネーで消費アイテムを買ってステージを突破する事ができる。だがその需要が生じる為には、プレイヤーがあと少しでステージをクリアできそうになり、それでもあと一歩を消費アイテムに助けて貰わなくてはならないという状況が必要だ。低い難易度のために消費アイテムへの需要は伸びず、収益も低迷する事になった。

更に、このゲームは大抵の基本プレイ無料ゲームの様なプレイ制限要素が存在しない。これまた種々な強化やアイテムへの需要を鈍らせている:

Plants vs. Zombies 2には制限要素が無く、よってコアループが存在しない。このゲームに相応しいコアループは”Candy Crush Saga”に似たスタミナシステムだろう。スタミナシステムがあればこのゲームの収益はもっと増えたと言っても差し支えないと思う。スタミナ回復と、貴重なスタミナでステージに挑戦した後のパワーアップとで継続的に需要が発生したのではないか(ステージに挑むのにコストが必要であれば、それをクリアできない事態は避けたがる)。

EAは金を使う方法を色々用意した。プラントの解禁とか、特殊能力とか、追加のプラントフードとか……しかしゲームそのものがプレイヤーに金を使わせる様に作られていない。結果、本作はあっという間にiOSの収益トップ20から転がり落ち、現在では50位付近をうろうろしている。カトコフに言わせれば、これだけの宣伝と期待がかけられたゲームとしては失敗でしかない。

それと対照的に、ファラデイはこのゲームに失望している。商業的な都合でゲーム性が台無しになり、雰囲気が毒され、プレイヤーを満足させる事が重点項目ではなくなってしまった:

もちろんPlants vs. Zombies 2は面白くなる様に作られている。しかし同様に明白なのは、プレイヤーが適度に苛立って財布を開く程度にしか面白くしていないという事だ。プレイヤーは$5でプラントを早く解禁するなり、$6で新しいステージに行くなりといった形で金を使う。全く無神経で野蛮な仕組みだ。

初代Plants vs. Zombiesの独創性に対する賞賛の後、ファラデイはこう宣言する。「Plants vs. Zombies 2に関してEAとPopCapが犯した最大の間違いは、このゲームを鈍速の挽き臼に変えてしまった事だろう」。不幸にして、ゲーム時間を延ばしてゲーム内購入の余地を作る為にEAがやった事はこうだ:

最初の11面をクリアした後、Plants vs. Zombies 2は挽き臼の速度を弄り始める。ステージ11のエジプトをクリアするとそのワールドは終わりなのだが、次のワールドに進むにはそれまでの面を繰り返し繰り返し遊ばなくてはならない。そうやって星を集めて海賊の海を解禁するか、さもなくば$6支払うかだ。

両方の著者は事実認識について少々異なっている(ファラデイの言う星システムはカトコフが求めるコアループに近い。ゲーム内の関所がプレイヤーを先へ進ませないという仕組みだ)。どちらにせよ、ファラデイとカトコフの両方がPlants vs. Zombies 2を失敗と見なしているのはEAにとって頭が痛いだろう。このゲームが無料ゲームで金を稼ぐ人間も、元々のゲームのファンも満足させないとしたら、一体誰を満足させられるというのか? もしかするとこの苦い教訓は、元々のファンを失うリスクを冒すのであれば、何が何でも金を稼がなくてはならないという事かも知れない。

EAはコアゲーマーと大口顧客の板挟みになっている様だ。コアゲーマーは何を遊ぶかに関心があり、数十年に渡ってEAに富をもたらして来た。不幸なのは、大口顧客が他の会社をそれよりもっと金持ちにしている事だ。Supercellは2つの基本プレイ無料ゲームだけで30億ドル級の企業になった。2つのゲームは今や1日に250万ドルを生み出し、利益率は驚愕の75%である。これに対してEAの去年の利益率は2.5%に過ぎず、2つどころか遥かに多くのゲームを作っている。株主のいる会社として、一体どうしたらこの大口顧客を無視できるだろうか? 彼らを相手に商売をするSupercellに対抗せねばならないのに? 答えは「無視できない」であり、PopCapはもう初代Plants vs. Zombiesの様な物は作らないのである。

 

原文:http://www.designer-notes.com/?p=674

月刊スパ帝国 Vol.18

ゲーム付きミニ雑誌「月刊スパ帝国」Vol.18の紹介


Vol.18は特集「カードゲームをつくろう」と題し、ルール作りからデザイン・印刷までひとつの作品を完成させる手順を解説。チュートリアルとして2人用カードゲーム「マインドマスター」を掲載する。いつもの記事も継続中!

vol.18

内容:

  • 64ページ+表紙のオフセット誌
    • 特集「カードゲームをつくろう」
      • 1章:芸は模倣から
      • 2章:ゲーム作りの手順
      • 3章:ルール作り
      • 4章:デザイン作り
      • 5章:印刷と裁断
      • 6章:説明書の書き方
      • 7章:作例「スパイマスター」
    • XCOM: Enemy Unkownプレイ日記「ぐう凡地球警備隊」
    • 格闘ゲームへの誘い
    • 中国サーガ
    • 日本語を教える話
    • ゲームレビューコーナー(シティビルダー、Yomi: Shadows、ドッカーン、アンドールの伝説)
    • 2人用カードゲーム「スパイマスター」ルール

 

XCOM: Enemy Unknownプレイ日記 ぐう凡地球警備隊

今回の「ぐう凡」の題材はXCOM: Enemy Unknownである。街中に立て籠るエイリアンを掃討するため、銃で武装した兵士を4~6人送り込んで撃ち合うというSRPGだ! 身を隠す・回り込む・遮蔽物を爆破するなどのリアルな歩兵戦術が勝利の鍵である。なお難易度は最高の「インポッシブル」に設定し、リロードを禁じる「アイアンマン」をONにする。DLC・拡張・MODの類は一切無し。「拘束」等のバグ技は禁止とする。Wikiには「絶対に不可能」と書かれている条件だが何とか頑張ってみよう!

 

開始

2015年3月、外宇宙からの侵略を受け地球は危機に瀕している! 世界各国は特殊戦闘部隊XCOMを編成、これに対処する事になった。プレイヤーはその司令官としてエイリアンと戦いつつ、目に見える戦果を挙げて口うるさい評議会を納得させなくてはいけない。簡単に言うとネルフの司令みたいな立ち位置だ。

最初に決める事は、XCOMの本部基地をどこの国に置くかだ。XCOMは世界16ヶ国の共同プロジェクトながら、毎月資金を拠出してくれるのは本部のある1ヶ国だけである。残りの国は人工衛星を打ち上げて保護する事によって金を出してくれる様になる。当然豊かな国の方が拠出金は多いぞ!

またこれに加えて「大陸ボーナス」という物もある。1つの大陸全ての国に衛星を打ち上げた場合、またはそこに本拠地がある場合、それぞれ異なった特殊ボーナスが貰える。例えば南米大陸ならエイリアンの生態研究が一瞬でできる様になり、アジアなら新兵器の開発が安くなる。今回は拠出金が最も多いアメリカ合衆国を選択しよう。大陸ボーナスは戦闘機の購入・維持費50%減だ。では始めよう!

 

ミッション#1

最初のミッションはメキシコで発生した人間誘拐事件の調査だ。エイリアンが地球を侵略しているとは言い条、いきなり宇宙艦隊で押し寄せて来て爆弾を落としているわけではない。今はまだケチなUFOで散発的にやって来て人間を拉致したり種々な悪戯をしているだけだ。今回はメキシコの商店街に降下ポッドが現れ、人間が大勢連れ去られている。XCOMの精鋭部隊4人(全員新兵)を突入させ掃討だ!

降下地点の目の前には商店の入り口があるが、真っ直ぐ突っ込むとエイリアンの待ち伏せを受ける確率が高い。ここは横から迂回しよう。殆どのマップには正面ルートと迂回ルートがあり、どれも迂回した方が楽である。商店の横の壁に沿って歩き、角から顔を出して覗いてみると……エイリアン発見! 裏口のゴミ箱の傍に宇宙人3体がたむろしていた。この面に出て来るのは「セクトイド」というグレイめいた灰色のチビである。こちらに気付き戦闘隊形を取り始める!

さていよいよ交戦が始まる訳だが、どうやって戦うべきか? 突っ込んで撃ち合うという答案は零点だ。敵はゴミ箱や壁を「遮蔽物」として利用し身を隠している。こちらには一切身を隠せる場所が無い。遮蔽の後ろに隠れているユニットは敵の射撃が大幅に当たりにくくなるので、このまま戦っても不利である!

模範解答は「一旦引っ込む」だ。まず壁の後ろに隠れる。すると敵が「地球人どもはそっちか? 見て来いカルロ」とばかりに1体ずつひょっこりと顔を出す。そうしたら分隊全員の一斉射撃で蜂の巣にするのだ。これを繰り返して見事殲滅。最初の面に出て来る敵は8体なので、これで残り5体となった。

そのまま店の裏沿いに進んで隣の本屋へ行く。ドアを開けるとここにもエイリアンが2体潜んでいた! こちらに気付き店内の本棚の後ろに隠れる! こういう場合は突っ込むのが正解だ。本棚も遮蔽物であり防御ボーナスをもたらすが、それはあくまで「射撃手と対象の間」に遮蔽があった場合だ。踏み込んで横に回り込めば遮蔽効果は一切無くなり、無防備なエイリアンを撃ち殺せる! これで残りは3体だ。

すると店の表側から物音がし、エイリアン3体が出現! そこでこちらは店の2階へ素早く移動する。2階部分は地上から死角になっており撃たれる心配が無い。のこのこと近づいて来た所に上から手榴弾を落とし爆殺だ! 任務完了。死者0人。

 

続きは雑誌で読もう。1部¥950+送料。注文はストアから。

翻訳記事:さらば諦めの日々

これは翻訳記事です

 

*Civ4リードデザイナー、ソレン・ジョンソンの手記。Firaxisを退社してからMaxis・EA・Zyngaを渡り歩き独立スタジオを設立するまでの経緯が書かれている。

 

私がゲーム業界に入ってから今年で13年になる。その間にCiv3Civ4という2つのゲームを円満に成功させて来た。残念なのは、その2つのゲームが私のキャリアの最初の5年間だという事だ。その後の8年間に携わったプロジェクトは制作が上手く行かなかったり、完全にキャンセルされたりした。どうしてこんな「失われた十年」を職業人として経る事になったのだろうか?

これに答えるには2005年10月から話を始めなくてはならない。Civilization 4が発売された時だ。このゲームは批評家から絶賛され(メタスコア94はFiraxis作品で最高)、商業的にも成功した。比較的低予算のプロジェクトで300万本以上を売ったのだ。ゲームオブザイヤーにも輝いた。私が選んで編集したサウンドトラックも好評だった。テーマソングの”Baba Yetu”はグラミー賞を取った。これはビデオゲームの音楽としては初である。ModのひとつFall from Heavenは多くのファンを集めた。Civ4は本当に奇跡のプロジェクトであり、成功する可能性のある部分が全て成功したのである。

私はこのプロジェクトをゼロから始め、ゲームとAIのプログラムを全て書き、2年半かけてチームを膨らませ、スケジュールの2週間前に出荷した。私の全てをこのプロジェクトに注ぎ込んだ。ただひとつの心残りは、終わった後にスタミナが残っておらず、拡張版にまともな貢献ができなかった事である。

6ヶ月後。パッチ当て作業が終わり、気力も回復した。次に何をするか決めねばならなかった。Firaxis(というよりそれを買ったTake-Two)はCiv5のリードデザイナーにならないかと言ってくれたが、わざわざ新しい作品を出すほどの根本的な変更は思いつかなかったので辞退した。Civ4の制作を始めた頃はCiv3の経験を基にしたアイディアが溢れていたのだが、それらは皆やり尽くしてしまった。もうこれ以上Civシリーズに与えられる物は持っていなかった。

しかし新しい戦略ゲームのアイディアなら沢山あった。そしてそれを形にしたかった。Civ4のデザイナーとして名声を得た今、そろそろ自分自身のゲームを作る時だ。私は秘蔵のアイディアをぶつけてみたが却下された。他のいくつかの案も出してみたがやはり駄目だった。会社は人員を割けなかったのだ。その時はRailroads!が開発の真っ最中で、Revolutionの企画も持ち上がり、将来的にはCiv5も見えていた。

要するにFiraxisは台所が苦しかったのだ。開発コストは上がる一方、PC用のリテールゲーム市場は縮小していた。新しいシリーズを立ち上げるのはどんどんリスクが大きくなっていた。更に会社はシド・マイヤーの作った定番シリーズを持っており、それを開発せずにわざわざ新シリーズを作る機会費用は大きすぎた(実際、Firaxisは1997年のGettysburgから2013年のHaunted Hollowまで、1作も新シリーズを出していない。SimGolfは例外的なオリジナル作品と言えなくもないが、Simブランドのひとつとして売り出された)。

私の企画はどれも比較的小規模なプロジェクトで、100万ドルから200万ドルの予算を想定していた。問題は、その当時そんな規模のゲームを流通させる方法は無かったという事だ。この規模のプロジェクトで採算を取るには数十万本が売れればよい。会社の名声を考えれば妥当な数字だ。だが流通はそれに対応していなかった。PCゲームは大量の予算を使って50ドルの箱で数百万本売るか、過去作品を焼き直して10ドルでCDケースに入れて売るかしか無かった。Steamはサードパーティ作品を扱い始めたばかりで、2007年時点ではid、カプコン、Eidosしかゲームを供給していなかった。つまりデジタル配信という選択肢は無かったのである。

今日では状況は全く変わり、60ドルから無料までどんな価格帯のゲームにも市場が存在する。そしてプロジェクト予算も100万ドル未満から1億ドル超まで様々だ。デジタル配信、少額課金、多様なプラットフォームが業界の景色を塗り替えたのだ。私がFiraxisで提出したアイディアも今なら実現していただろう。だが当時の私にあった唯一の選択肢は、クリエイティブディレクターとして完成するかどうかも分からないゲームのプロトタイプ作りを手伝う事だけだった。

実際のところ、その後の6年間がどうなるかを知っていたら私はFiraxisに留まっていたと思う。そして何か良い変化が来るのを待っていただろう。あの会社も、そこで働くのも大好きだった。だが私も人間だったのだ。私はCiv4という仕事を終えたのだから、今度は自分自身のゲームを作る資格があると思ったのだ。それを否定された事で、もしかしたら拙速な決断をしてしまったのかも知れない。私はFiraxisを退社した。

その後は私の尊敬する会社を当たって面接を受けた。Blizzard、Ensemble、Valve……そして最終的にはMaxisに入りSporeの制作に携わった。GDC2005におけるウィル・ライトの発表は業界人とジャーナリストを驚かせた。その作品に携わるという事は、業界で最も有名なゲームを作るという事だった。Sporeについての感想は先の記事で触れている。この作品には色々拙い所もあるが、だからと言ってそれに携わった事を後悔しているわけではない。開発チームはアイディアと才能に溢れていたし、私もあまり時間を置かずに何か作品をリリースしたかった。私は開発を終わらせる為に雇われ、それから18ヶ月で作品は完成した。

Maxisに入ったもうひとつの理由は、先方が私のプロジェクトを将来的に支援すると言ってくれたからだ。会社の中で才能を発揮すれば、Sporeが終わった後にチャンスが与えられるはずだった。残念ながらSporeは思ったほど成功せず、EAの株価も暴落した(この2つの事象は言うまでもなく関連している)。(訳注:MaxisはEAの子会社) 会社はレイオフを行い、リスクの大きい新シリーズ制作からは手を引いて安全策に走った。この時点で私が新しい戦略ゲームのアイディアを出し、EA内で採用されて妥協無しに完遂できる見込みはゼロになった。

私はまたしても岐路に立った。EAの中でどうやって自分のやり方でゲームを作ればいいか分からなかった。Sporeがリリースされた後の数ヶ月、シリコンバレー周辺のブラウザゲーム企業やベンチャーキャピタリストを回ってアイディアを売り込んだ。当時非同期性基本プレイ無料は人気のある投資案件であり、自分の会社を作ってゲームを制作すれば全てをコントロールできると思ったのだ。だが、残念ながら私の展望は投資家から見てニッチ過ぎた。私はコアゲーマー向けの戦略ゲームを作り、プレイヤー自身のModによって発展させたかったのだが、それに投資を募る事ができなかった。

そこで私はEA2Dへと流れて行った。EA本社にあるブラウザゲームのスタジオである。そこの中核チームはDragon Age Journeysを作っていた。これはDragon Ageのスピンオフ作品で、Flashを使い戦術的ターン制戦闘システムを持っていた。スタジオのマネージャーだったマーク・スペナーは私にチャンスをくれた。1年に渡り、webゲームStrategy Stationを作らせてくれたのだ。これは基本的には先に投資家達にプレゼンテーションしたのと同じ企画である。Modに対応した3つの戦略ゲームを作り、オンラインで非同期対戦ができる様にした。ブラウザエンジンとしてGoogle Web Toolkitを用いた。

ゲームは静かに発表された。実際、このブログ(Designer Notes)で紹介した事は一度も無い。せいぜいThree Moves Aheadのある回で言及した位である。ある意味で、私はこれを広める事を恐れていた。どうやってサイトを上手く回せばいいのか、ユーザー規模にどうやって対応すればいいのか、またどうやって利益を出せばいいのか分からなかった。EA上層部で私の展望に乗ってくれる人は少数だった。とにかく自分でできる限りの事をやり、結果が出るのを待った(開発チームがそもそも存在しないプロジェクトを解散させる事はできないだろうと当時の私は考えた)。

そのサイトは数千ユーザー以上には広がらなかった。ただし日本では非常に熱心なファンを獲得し、中には数千ゲームをこなしたプレイヤーもいた程である(このゲームを扱った日本の人気ブログがある。3つの中で最も人気だった王国ゲームの動画もある。日本語化+画像差し替えModを入れてプレイされており、人間の兵士が何らかの理由でウサギになっている)。こんな変なプロジェクトに予算を付けてくれと、どうやって頼めばいいのだろうか。これの存在を正当化するには商業的成功が必要だとEA2D側が考えている事も分かり、私は先手を打ってプロジェクトを消す事にした(プロジェクトをEA外で存続させて日本のコミュニティが遊び続けられる様にする事も試みたが、上手く行かなかった。独立したStrategy Stationは熱心なニッチ層を楽しませられただろうが、これはEA内の、会社規模に相応しくない私の個人的プロジェクトだった)。

EA2Dは次にDragon Age Legendsというプロジェクトに賭けた。これはJourneysの緩やかな続編で、Facebook内で営業した。2010年当時はソーシャルゲームが非常に熱く、新しいフォーマットでコアゲーマーを満足させられるかどうかを試してみたかった。結果は賛否両論だった。このゲームは会社内では好評で、特に経営陣には人気だった。CEOジョン・リッチティエロとゲームタイトル責任者のフランク・ジボーは非常に高いレベルのキャラクターを育て上げ、かなり課金もしていた。だが最終的に、スタミナシステムの軋轢、コアゲーマーの基本プレイ無料に対する敵視、Facebookとのユーザー層のずれなどが積み重なり、プロジェクトは死すべき定めとなった。

私自身はこのプロジェクトを興味深い実験として熱心に追求していた。だが出来上がったゲームは、もし私が全てをコントロールしていたらこうはならなかっただろうという代物だった。悲しい事に、私はそもそも自分の作りたいゲームを作ろうとEA内で試みさえしなかった。企画をぶつける際につきものの社内政治に関わりたくなかったし、そもそも採用されるか分からず、採用されたとしたらそれがどう扱われるか恐れていた。要するに私は、始める前に諦めていたのだ。

2011年の夏は私の職業人生で最低の時期だったろう。私の好きなサイトであるRock Paper Shotgunがビジネスモデルを理由にLegendsを酷評したのだ。そしてゲーム自体のユーザーも徐々に減り、日毎のアクティブユーザー数が2万人程度に落ちていた。このゲームはEA2Dが求めた、将来のプロジェクトを支える為の成功とはならなかった。チームはBioWare Socialに改組され、才能の流出が始まった。EA内でどうすればいいのか、私には分からなかった。

そしてZynga、というよりZynga Eastに入った。ここはブライアン・レイノルズを始めとする多くのBig Huge Gamesの残党が立ち上げたZyngaのスタジオで、ソーシャルゲームを制作していた。2010年のヒット作Frontiervilleもここから生まれたのだ。この作品はスタミナバーやストーリー型クエストなど多くの革新を含んでいた。Zyngaには金がうなっており、スタジオのマネージャー(にしてBHGにおけるブライアンのパートナー)であるティム・トレインは私をスカウトする際、私のやり方でブラウザゲームを作ってよいと約束してくれた。スタジオの一角に安全なスペースを作り、そこでじっくりプロトタイプを作れる様にしてくれると。

Zyngaで働いたのは18ヶ月にもならないが、言うまでもなく素晴らしい経験だった。自分の好きなゲームを作る自由を与えられた。数ヶ月でプレイ可能な段階に達し、オフィスでは非常に人気だった。だがある意味で、私は自由を与えられ過ぎていた。そのゲームはスタジオ外からは殆ど監視を受けず、代わりに支持も得られなかった。私は経営陣の干渉を恐れるが故にプロジェクトを査定に出さず、謎に包まれた存在にしてしまった。会社は否定も肯定もせず、そもそも関心を持っていなかったのだ。それゆえスタジオがCityVille 2の失敗を受けて閉鎖される事になった時、一緒に開発中止になったのは必然だった。

私はZyngaで信じ難いほどの自由を与えられていたが、結局プロジェクトは最初から死すべき定めにあった。だが悪いのは私である。EAを退社する時、Zyngaは魅力的な選択肢だった。給料は良く、個人的リスクは少なく、作りたいゲームを作れる。だが問題は、私が作りたいゲームは製品として出荷される物だったという事だ。外部からの干渉がどうというのは結局言い訳に過ぎない。Zyngaに入る時、私は自分のゲームをコントロールできない事を知っていた。いつ大幅に変更されたり開発中止にされたりするか分からないのだから。

Civ以後の職業人生を振り返るに、私は自分の作りたいゲームと雇い主が作らせたいゲームの間で妥協し続けて来た様だ。Sporeにおいては他人の作品を仕上げるという妥協である。Strategy Stationにおいてはチームを持つ事ができないという妥協である。Dragon Age LegendsにおいてはRPGをソーシャルゲームに変えるという妥協である。Zyngaにおいては無関心な管理の陰に隠れてゲームを作るという妥協である。私は始める前に諦めていたのだ。

もう諦めるのはやめにしよう。自分のやりたい様にゲームを作るならば選択肢は1つしかない。時間も、エネルギーも、生活の安全も犠牲になるけれども。私には大量のゲームのアイディア在庫がある。一生かけても作り切れないほどだ。つまり私は既に遅きに失しているのである。

そろそろ物事を変える時だ。

そろそろ独立する時だ。

そしてmohawkgames.comに続く。

 

 

原文:http://www.designer-notes.com/?p=697

11/4 ゲームマーケット2013秋 (東京) 参戦情報

アナログゲーム即売会「ゲームマーケット」に出展します。

  • 名称:ゲームマーケット2013秋
  • 開催日:2013年11月4日(月祝)
  • 会場:東京ビッグサイト(東京国際展示場) 西3ホール
  • 開催時間:10:00〜17:00
  • 入場料:当日販売1000円/事前販売1200円(カタログ付き、税込予価)
  • ※保護者同伴の場合、小学生以下無料
  • 421「スパ帝国」

月刊スパ帝国12、2〜10月号、ロンバルディアの王冠を頒布予定。

追記:ころころシアム追加キャラパイロット版を配布。持っている/買ってくれた人にサービスで渡します。

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