月刊スパ帝国 Vol.16

ゲーム付きミニ雑誌「月刊スパ帝国」Vol.16の紹介


デザインノートやゲームレビューコーナーも連載しているぞ。Vol.16はRPG戦闘パズル「クライシスエリア」シナリオ#2。コンボシステムを駆使してガリア戦争を勝ち抜こう。クライシスエリア#1はこちら

表紙

内容:

  • 52ページ+表紙のオフセット誌
    • 1人用RPG戦闘パズル「クライシスエリア#2」20面
    • デザインノート
    • ゲームレビューコーナー(Hanabi、BADLAND、The Pioneer Trail、ハイソサエティ、Samurai、ショーグントータルウォー、Imperial、ウッドマン、Civilizationボードゲーム、元老院、ハンニバル対ローマ、アグリコラiOS、Coup、Civilization 3)
    • Minecraftプレイ日記「ぐう凡鉱山採掘記ファイナル」

 

ゲームレビューコーナー:Civilizationボードゲーム

「巨大なボードゲームをそのまま電子化した様な代物」であるCivilizationがボードゲームになった。案の定巨大で複雑であり、初回はセットアップだけで1時間を要する。担当文明を決め、マップ盤を作り、あらゆるカードとチップをマーケットに適切に配置したらゲーム開始だ。

文明は最初、首都と軍隊と開拓者を持っている。軍隊は周囲を探索して小部族の小屋を略奪する。開拓者は新しい都市を作る。都市は軍隊や建物を作ったり資源を収集したりできる。エジプトの場合は最初から首都に1つ「遺産」と呼ばれる強力な建物があるのでそれを活かして戦いたい。

軍事・文化・経済などゲームの要素は多々あるが、勝敗を決めるのは科学力である。科学技術はどれもこれも非常に強力で、移動力を高める「騎乗」やら都市数を増やす「灌漑」やら戦争を有利にする「火薬」やら、とにかく取れば取っただけ文明の性能が上がる。そして最終段階の「宇宙飛行」を取ればその時点で勝利となりゲーム終了だ。この辺りのテクノロジー偏重は実にCivilizationらしい。

殴る先を自由に選べたり、足を引っ張り合ったり、同盟を組んで袋叩きにしたりといった風景は実にアメリカゲーム的だ。そういうのが好きな人にはお勧め。

 

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月刊スパ帝国 Vol.15

ゲーム付きミニ雑誌「月刊スパ帝国」Vol.15の紹介


Vol.15はダイス乱闘ゲーム「ころころシアム」を収録。更にデザインノートやゲームレビュー、中国おもしろ話などを雑多に詰め込んだ一冊である。

内容:

  • 2〜4人用ダイス乱闘ゲーム「ころころシアム」
    • ダイス
    • HPチップ
    • 攻撃値カウンター
    • レファレンスシート兼HPカウンター×4
  • 20ページ+表紙のオフセット誌
    • Minecraftプレイ日記「ぐう凡鉱山採掘記リターンズ」
    • ゲームレビューコーナー
    • デザインノート
    • お便りコーナー
    • ゲームが強くなる100の知恵番外編「チャンス(確率)をつかめ!」
    • 中国サーガ

 

コラム:中国サーガ

2006年ごろ中国の上海にいた。当時はまだ規制がゆるく種々なインチキ商売が町にはびこっていた。例えば海賊版DVD屋である。アメリカや日本や韓国の映画DVDが全て1枚10元(150円)で売られていた。会員カードを作ると更に1割引である。露店もあるが多くは店舗を構えており、同じ通りに密集するので道1本がまるごと海賊通りと化す。これはある日当局の査察が入って一夜にして全て消滅した。

海賊版PCソフトもある。Officeやらゲームやらはもちろんの事、Windows 96とかWindows 99と称する謎の製品も売られている。これは95や98にサービスパックを適用した物らしい。また「アクティベーション免除版」Windows XPというのもあった。アウトローなのに気遣いが細やかである。

物理的な偽物もある。中国の工場で作る偽ブランド製品はしばしば西側世界で問題になるが、変わり種で「本物の偽物」というのもある。これは正規の委託生産工場がこっそり多めに作って闇市場に横流しするのである。何しろ本来の生産者であるから物自体は本物と全く同じだ。造幣局が贋金を作る様な話である。

偽領収書屋もいる。中国の領収書は国家の発行する印紙であり、10元とか100元とか固定の金額が書かれている。店はこれを買って来て、顧客の求めに応じて判子を押して渡す。不正会計を防止する当局の苦慮である。にもかかわらず使用済み領収書を回収して売る者が後を絶たぬ。駅の出口あたりに立ってダフ屋よろしく片手に領収書の束を持ち声を掛ける。しかもそれが大勢いる。中国語で領収書をファーピャオと言うのだが、「ファーピャオファーピャオファーピャオファーピャオ」と寸分違わぬリズムで全員が連呼するのである。

偽ファーピャオ屋の横には往々にしてメロン屋とパイナップル屋がいる。中玉を8つぐらいにカットした物を串に刺して売っている。これまた大勢いる。そしてカットの仕方も刺している串もそれを入れているバケツの色さえも同じである。上海は暑いので蝿がたかる。そこで片手に持ったタオルを左右に振って追い払うのである。このタオルをメトロノーム代わりにして「イークァィイークァィイークァィイークァィ」とこれまた寸分違わぬリズムで連呼する。イークァィというのは1元の事である。果物1切れが15円だからだいぶ安い。ただし衛生管理状況は不明である。

観光名所に行くと露店がたくさんあって本やアクセサリを売っている。そこで買った毛沢東語録は乱丁本であった。子供の拳ほどあるクロム鋼製の球が1元で売られていたので買ってみた。本当に何という事も無いただの球であった。よくよく検分すると小さな凹みがあったので恐らくベアリング工場の不良品だろう。翡翠の小物もよく見かける。翡翠はジュダイトとネフライトの両方を指すがこの場合は価値の低いネフライトである。定価は1個10元だが値切ると1元まで下がる。一事が万事この調子で随分混沌とした町であった。ただし2010年の上海万博以後は当局に「掃除」されてしまい、怪しい連中は鳴りを潜めたそうである。

 

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月刊スパ帝国 Vol.14

ゲーム付きミニ雑誌「月刊スパ帝国」Vol.14の紹介


Vol.14の付録は新装版「狐めくり」。2人用のブラフカードゲームである。同じカードを使って遊ぶ2〜4人用ゲーム「狐返し」も同梱。ゲームレビューやデザインに関する考察、プレイ日記などを凝縮したゲーマーの為の冊子である!

内容:

  • ブラフ系カードゲーム「狐めくり」&「狐返し」(共通コンポーネント)
  • 20ページ+表紙のオフセット誌
    • ゲームレビューコーナー
    • Minecraftハードコア日記「ぐう凡鉱山採掘記」
    • デザインノート
    • ほか

コラム「デジタル通貨の未来」はページ数の関係でボツに。ダウンロードはこちら(無料)

ぐう凡鉱山採掘記

箱庭FPS”Minecraft”のプレイ日記。ハードコアモード(1回死んだら終わり)で終末世界に潜む巨竜を討伐する。徹底的なリスク管理が勝利の鍵だ。

 

どんなゲーム?

一人称視点でほぼ無人の島をほっつき歩く。土・岩・木など全ての地形はブロックであり、適切な道具で殴れば破壊できる。破壊したブロックは資源として収集し、道具を作ったり建材として好きな建物を作るのに利用できる。創造性を駆使して自由な景観を作り上げるデジタルレゴだ。また特定の条件を満たすと終末世界へ行く事もできる。1回死んだら終わりの最上級モードで終末世界の竜を退治しようというのが今回の企画だ。

 

原始時代

ゲームを始めると主人公が裸一貫で島に投下される。ここから必要な物全てを自力で作り出さなくてはならない。「浜辺から砂を取って来るだけでデータ観測装置が出来るわけではない」というヤン議長の言葉通り、まずは単純な道具を作る所から始めなくてはならぬ。

最初に採集すべき素材は木だ。主人公のおっさんは凄まじい怪力なので、素手で生木を殴り続けると少々時間はかかるが切り倒せる。こうして木材を3単位収集する。おっさんは非常に器用なので、木材を素手で加工して板材に変えるぐらいは朝飯前だ。木材1個からは板材が4個取れる。板材12個を持って一旦森を離れよう。

 

木器時代

この板材で最初に作るべき物は工作台である。板材4個を合わせると素敵な工作用テーブルが出来上がる。これがあれば今までより複雑な道具が作れるのだ。

板材4個を棒8本に加工し、棒2本と板材3個を使って木製のツルハシを作る。ツルハシがあれば石を掘って収集する事ができる。一応素手でも石を砕く事は可能だが、非常に時間がかかる上に粉々になってしまって素材として収集できない。

岩肌の露出した場所を探し採石作業を開始。石材を3個手に入れたら棒2本と合わせて石のツルハシを作る。これで木のツルハシはお役御免である。

 

石器時代

石のツルハシが手に入ったら石材を20個ぐらい収集しておく。運が良ければ石炭も手に入る。石炭はふつう地中に埋まっているのだが、たまに地表に露出している事があり簡単に手に入る。石炭はゲーム全体を通じて非常に重要な燃料となる。

石材が十分に溜まったら、今度は石材3個と棒2本で石の斧を作る。斧は木を伐るのに使う。一応戦闘にも使えるがそちらは剣が本職である。この石の斧でそこら中の木を切り倒し、木材を60個程度収集する。

ここまでで手に入った石材と木材を使い、基本的なツールを一通り揃える。土を掘る為の石のシャベル。動物と戦う為の石の剣。物を焼く為のかまど。それから石炭があれば棒と組み合わせて松明を作る。石炭が無い場合は、木材をかまどに入れて木炭を作る。このゲームは照明が非常に重要なのでこの段階で必要だ。

それから是非とも手に入れておきたいのがベッドだ。ベッドは板材と羊毛で作る。草原を歩いていると時々野生の羊に出会うので、やっつけると羊毛が手に入る。このゲームは夜になるとそこら中に危険なモンスターが自然発生して襲って来るのだがベッドで寝れば夜をすっとばしてすぐ朝になる。ほとんどラナルータだ。

 

定住地を探す

以上の基本的なツールを手に入れたら定住する土地を探して歩こう。ゲーム中には草原・雪原・砂漠・密林など様々なエリアが存在し、それぞれ居住生物や手に入る資源が異なる。複数のエリアの境目に居を構えると多様な資源にアクセスできて便利だ。

密林の中を歩いていると古代アステカめいた石の神殿を発見。入り口が見当たらないのでツルハシで外壁を壊すという非常にバチ当たりな方法で侵入を試みる。すると中にいたのは骸骨モンスター! 弓を持っており怒濤の勢いで矢を射かけて来る! 何とか死角を活用し石の剣で退治した。

奥を調べると怪しげな通路を発見。踏み込むと……矢が飛んで来た! 古代人の仕掛けた自動トラップである! 普通のアクションゲームなら謎解きを試みる所だが、これは自由な砂箱ゲームである。ツルハシで床を掘って地中から進撃。見事奥にある宝箱に到達した! なお入っていたのは人骨であった。

その後も放浪を続けると砂漠に出た。地平線のあたりに民家が見える。村だ! この世界には非常に少数ながら人間が住んでいる。訪ねてみると人口3人ほどの小さな集落であった。特定の資源を持って来れば交易に応じてくれる様である。大変結構。

村からもう少し歩くと、砂漠・雪原・森林・草原エリアの境目を発見。更に海にも面している。これは定住するのに良さそうだ。適当な場所に保管箱を置き、当面使わない資材を入れておく。自分で持ち歩ける資材・道具には限界があるのでどうしてもこういう保管庫が必要になる。箱自体は基本的に動かせないので定住の必要が出て来るわけだ。

後で迷子になった時に備えて定住地に目印を作る。石材を積み重ねて高さ100メートルほどの石柱を建てておくのだ。これなら遠目にもすぐ分かる。

 

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月刊スパ帝国 Vol.13

ゲーム付きミニ雑誌「月刊スパ帝国」Vol.13の紹介


Vol.13は特集記事「ゲームが強くなる100の知恵」を掲載。付録はトランプゲーム「ラビットラミー」のルール説明書である。

内容:

  • 64ページ+表紙のオフセット誌
    • トランプゲーム「ラビットラミー」
    • 特集記事「ゲームが強くなる100の知恵」
    • ゲームレビューコーナー(テラミスティカ・日本の城・Minecraft・ビッグチーズ・電力会社)
    • お便りコーナー
    • Wizardry縛りプレイ「ぐう凡戦隊冒険記ファイナル」
ゲームが強くなる100の知恵
#20 できるだけ多く取引する

Civilization 4の外交は専ら技術交換の為にある。当事者の2国が互いに自分の知っている技術を与えるのである。知識というのは与えても減らないものであって、両者とも新しい技術を得て丸儲けである。

AIとの交換はしばしば不公平である。先方から300ビーカーの技術を得るのに、こちらは500ビーカーの技術を供出せねばならぬという事がよく起きる。それでも交換すべきである。確かに交換相手国からは相対的に落伍するが、それ以外の全ての国に対して優勢になるからである。

仮にABCDEの5人が惑星にいたとしよう。AはBCDEのそれぞれと技術交換を行い、500ビーカーの技術を与えて300ビーカーの技術をそれぞれから得た。この場合Aは1200ビーカー進み、BCDEは500ビーカーずつ進む。つまりAは世界に対して700ビーカー優勢になったのである。なおAはマンサである。

 

#91 訓練その4:感想戦

対戦ゲームは終了後に感想を述べ合うと良い。この手は良かった、あの手はまずいという事を指摘し合う。1人用ゲームであっても終了後に振り返るのは有益だ。人は失敗から多くを学ぶ。まずい判断がどの様にまずかったかを知るのが上達への道である。

ここで重要なのは、失敗にはミステイクとエラーの2種類があるという事だ。ミステイクというのは単純なうっかりで、何かを見落としたとか暗算を間違えたとか、普段の判断基準を適用し忘れたという場合である。エラーとは構造的誤りで、判断基準を正しく適用した結果ゲーム上で不利になったという場合である。感想戦は主にエラーの検出を目的とする。

「あの手が敗北を招いた」と指摘されたら、まずそれが実際に敗因であるかどうかを議論する。それが展開を不利にしたのか、それともそれが無くともどの道負けていたのか。次にそれがミステイクかエラーかを考える。つまり意図せざる操作としてそうなったのかどうかである。ミステイクであれば次から注意する。エラーであれば、どの様な根拠でその判断に至ったかを説明する。

例えばテラミスティカにおいて、「オウレン」という種族は宗教に強い。要塞を建てるとラウンドごとに宗教点を高める事ができる。あるプレイヤーがオウレンで即座に要塞を建て、その結果宗教以外の勝利点が振るわずに負けてしまったとする。この場合、「なぜ要塞をすぐに建てたか」という根拠があるはずだ。1つの可能性はこうだ。彼は全ての種族が同等の強さを持つという仮定から、オウレンも他の種族と同様に強い特殊能力を持っていると考えた。そこで要塞は他より良い投資だと判断したのである。

感想戦においてはその判断の根拠こそが問われなくてはならない。「オウレンの要塞は良い投資である」という判断基準に従った結果敗北を招いたのであれば、その基準は調整が必要である。単純にそれは間違いかも知れない。あるいは良い投資である度合いが小さく、要塞建設のボーナスがあるラウンドに限って他より効率的なのかも知れない。あるいは他の宗教施設を建てた後でなければ効果が小さいのかも知れない。

プレイヤーは全手動AIの飼い主であり、ゲームは協力してそのAIを鍛える過程である。試合は実験であり、感想戦は調整である。「判断基準をどう調整すれば今より強くなるか」という建設的な話し合いは上達に繋がる。

 

 

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月刊スパ帝国 Vol.12

ゲーム付きミニ雑誌「月刊スパ帝国」Vol.12の紹介


Vol.12は2人用植民地争覇ゲーム「クエストフォーザニューワールド」が付録。1〜5のカードを出してA〜Gの植民地を奪い版図を築く。

内容:

  • 「クエストフォーザニューワールド」ゲーム用カード(45枚)
  • 前衛的資金カウンター
  • 収納用ミニ袋
  • 20ページ+表紙のオフセット誌
    • ゲームレビューコーナー(フタリコラ・ニアーブル・キングオブトーキョー・ゴォ〜スト!・Civilization・フリードマンのラクラク大統領になる方法)
    • Wizardry #1縛りプレイレポ「ぐう凡戦隊冒険記」
    • お便りコーナー

ゲームレビューコーナー:キングオブトーキョー

怪獣になって暴れまくるボードゲーム。「東京を破壊する」などかっこいい行動を取ると勝利点が増え、20点に達すると勝利。また他の怪獣全てを倒しても勝ちである。一見バカゲーながら結構奥が深い。とりわけ拡張版は本気で遊べる。

順番が来たらダイスを6個振る。これは特別仕様の6面ダイスで、「1」「2」「3」「ハート」「エネルギー」「パンチ」の目で構成されている。数字は3つ揃えれば勝利点が得られる。ハートは体力の回復。エネルギーは溜めておいて特殊能力の獲得に使う。パンチは出すと怪獣が東京に移動し、ターンごとに勝利点が得られる状態になる。東京を壊すのは「かっこいい」のだ。また東京にいる時にパンチを出すと他の怪獣全てにその数だけダメージを与える。ただし他の怪獣がパンチを出した場合は東京にいる怪獣がダメージを受ける。

勘のいい読者はもうお気づきだと思うが、このゲームはうかうかと東京入りした阿呆を他の全員で袋叩きにするのが通例である。ダイスは3回まで振り直せるので、その気になれば3~4個のパンチは普通に出せる。怪獣のHPは10なので3人がそれをやれば一瞬でお陀仏である。殴られた怪獣は東京から退散するという選択肢があるのだが、そうすると殴った方が新たに東京に入る。それをまた袋叩きだ。東京にいられるのは一度に1匹だけなので、次々と袋叩きの対象が入れ替わる格好である。

ところがゲーム中盤、誰かが脱落して怪獣の数が減ると事態が一変する。東京入りが急に魅力的な選択肢と化すのだ。ターンごとに得られる勝利点は変わらないのに殴られる回数は減るからである。ここから20点での勝利を目指すか、他の怪獣を全て倒すかというシビアな選択が始まる。特殊能力の中には使いきりで他の怪獣にダメージを与える物もあり、油断をすると半壊から一瞬で全損まで持って行かれる。この時点で「勝利点を増やす」>「自分のHPを回復する」>「他の怪獣を叩く」>「勝利点を増やす」という形の三すくみが生ずる。

ダイスゲームなので勿論ランダム性はあるのだが、実際は見た目以上に技量が関与する。確率計算が得意なら安定して勝てるだろう。何しろこのゲームのデザイナーは数学の専門家、リチャード・ガーフィールド博士なのだから。

 

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4/28のゲームマーケットでも先行頒布!

月刊スパ帝国 Vol.11

スパ帝国がミニ雑誌になった! ゲームに関する記事を1冊の中に凝縮! 更にアナログゲームが1つ付録に! Vol.11の内容:

  • 1人用落ちものカードゲーム「アイスクリームタレット」
  • 収納用ミニ袋+ミニ説明書
  • 20ページ+表紙のオフセット誌
  • ゲームレビューコーナー(SimCity 2000、Can’t Stop、Civilization Revolution、Small World)
  • Wizardry縛りプレイ日記「ぐう凡戦隊冒険記」
  • 人狼の考察
  • 読者投稿コーナー「Civilizationのよくある風景」
  • ほか

 

ゲームレビューコーナー SimCity 2000

1994年のゲーム。市長となって広大な空き地をゴリゴリ開発する。モデルがアメリカの都市なので発電所や水源は全部自前で抱える。地域の指導者として基本的に自給のできる経済圏を構築するのが使命だ。

ゲーム開始年代は1900年、1950年、2000年、2050年から選べる。後になるほどテクノロジーが発達していて建てられる施設の種類が増えるのだが、ここは1900年スタートをお勧めしたい。時間の進行と共に「地下鉄」やら「ガス発電所」が発明され、その都度号外が出るので実に楽しい。「ロンドンとパリは何が違うかと言えばやはり地下鉄でしょう」などといった誇らしげな関係者のコメントが読める。

最初に必要なのは「発電所」「道路」「地区」である。水道は必須ではない。地区は住宅・商業・工業に分かれておりバランス良く作る必要がある。住宅=工業+商業という等式が重要で、住宅の数と職場の数が釣り合っていないと失業やら家不足やらで経済が傾いてゆく。また家と職場の距離もある程度近くなくてはならない。シム人間どもは通勤時間が長いというだけの理由ですぐに仕事を辞めるので、あんまり独創的な地区設計をすると町並みが廃墟と化す。

警察や消防といった公共サービスもこのゲームには登場するが、基本的に全て維持費がかかる。建てれば建てるほど市の財政が悪化するので可能な限りケチろう。家と職場があって税金が安ければシム人間はホイホイ移住して来る。消防署が無い状態で火事が起きると少々やっかいだが、江戸時代よろしく破壊消防によって何とか対応可能だ。ただし森に燃え広がるとたまに手が付けられなくなる。一度いかなる公共施設も建てずに人口6万人まで拡張した事があるが、この時は流石に犯罪が増え過ぎて人が寄り付かなくなってしまった。恐らく住民の半数はマフィアだったと思われる。

人口が一定に達するごとに解禁されるボーナス施設も楽しみのひとつである。例えば2000人になると「シム市誕生!」の号外が出て市長官邸が建てられる様になる。それまでは開拓団のリーダーだったのか? 1万人になると市庁舎が解禁され、市の統計を取れる様になる。3万人では市長の銅像。そして6万人で軍事基地を誘致できる。これは商業には刺激になるが周辺の犯罪が増える迷惑施設でもある。またどこに何が建つかは一切コントロールできないので、地形によっては核ミサイルサイロがばら撒かれたりする。一度誘致すると撤去は不可能なので慎重に考えねばならぬ。

12万人になると「アルコロジー」という未来の施設が解禁される。これは一辺が250メートル、高さが1000メートル程度ある巨大建造物だ。それ自体が一個の都市内都市になっており、内部に住宅・商業・工業および電力基盤を備え3万人から     6万5000人が住む。恐ろしい事にこれが発明されるのは2000年だ。1994年から見た2000年は輝ける未来だったのかも知れぬ。現実には2013年になってもSimCityの新作をシングルプレイするのにサーバーとの接続が切れたりしている始末だが。

 

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月刊スパ帝国 Vol.10

スパ帝国がミニ雑誌になった! ゲームに関する記事を1冊の中に凝縮! 更にアナログゲームが1つ付録に! Vol.10の内容:

  • ロボット格闘ゲーム”Mech Arena 2013″専用カード
  • ダイス&チップ
  • 20ページ+表紙のオフセット誌
  • Mech Arenaデザインノート
  • ゲームレビューコーナー(ウルティマIX、Civilization II、Machinarium、Solar 2など)
  • ぐう凡艦長航海記
  • ほか

 

ゲームレビューコーナー Civilization II

Civilizationシリーズの2作目。これを最高傑作と見なす人も多い。1の足りない部分を補いつつ完成度を高めた仕上がり。とにかく都市を大量に作って技術を進めて最新鋭の軍隊で隣国を押し潰す、というCivシリーズの様式は今作で完成している。

初代Civの作者、シド・マイヤーは天才でアカである。ゆえにCivシリーズはマルクス経済学と唯物史観をアルゴリズムにぶち込んだゲームである。例えば市民は毎ターン食糧を2つ必要とするが、それを超える分の生産物はみな国庫に入る。これはまさにマルクス経済学の利潤の原理そのものだ。

また土地やインフラなどの経済基盤を社会の下部構造、政治や文化を上部構造と呼ぶのだが、Civではまず下部構造があってそれを基に上部構造を作る。例えば土地から出る生産力で寺院や図書館を作る事はできるが、図書館の力で土地を造成したりはできない。下部構造の優越はこれまたマルクス流の歴史観である。

Civ2は厳密にはブライアン・レイノルズの作品であってシドは補助的な役割しか果たしていないのだが、ブライアンもやっぱりアカで天才でシドの後嗣なので結局同じである。とにかく領土を広げて土地や人口といった下部構造を獲得し、それを基に強力な上部構造を築いて世界を獲る。首尾一貫して迷いの無いデザインだ。「領土が大きければ強い」「技術が進んでいれば強い」という具合に「何が良くて何が悪いか」が非常に明確なので、今自分が勝っているのか負けているのか、先の戦争は成功だったのか失敗だったのか、判断の良し悪しが実に分かりやすい。

こうした素直さもあって難易度はそれほど高くなく、初期拡張とラッシュのやり方を覚えればいくらでもAIを手玉に取れるため、Civシリーズに入っていく作品としては非常に優れている。この点においてCiv4は一歩を譲る。4を作ったソレン・ジョンソンもやはりアカで天才なのだが、それに加えて自由主義者であるため「単一のやり方がいつも通用するとは限らない」という信念を自分の作品に注ぎ込んでしまった。その結果、勝ち筋が複数ある奥深いゲームになったが、構造が非直線的で初心者には少々分かりにくい。ひたすら国を広げれば勝てるCiv2やレヴォリューションの方が入門には良かろう。

なお余談だがCiv5を作ったジョン・シェーファーはアカでも天才でもないふつうの人である。結果5はふつうの作品となった。

 

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月刊スパ帝国 Vol.9

スパ帝国がミニ雑誌になった! ゲームに関する記事を1冊の中に凝縮! 更にアナログゲームが1つ付録に! Vol.9の内容:

ペラ紙

  • 世界征服カードゲーム”Powers”専用カード
  • 世界征服地図
  • 20ページ+表紙のオフセット誌
  • Powersデザインノート
  • ゲームレビューコーナー(ビブリオス・ファイアーエムブレム 覚醒・ルアーブル・Waking Mars・アルファケンタウリ)
  • ドイツゲームとは何か
  • ぐう凡艦長航海記
  • お便りコーナー

 

ぐう凡艦長航海記 エンギ編

Faster Than Lightのプレイ日記。再び宇宙船の艦長になって銀河の彼方を目指す。

第1星域

The Torus号を選択。クルーは前回同様3人だが、今度はその内2人がエンギ族だ。体が頑丈で船の修理も得意である! また船にも治療ナノロボットが組み込まれており、クルーの体力が常に回復し続ける。反面武装は貧弱で、まともな攻撃手段は自動攻撃ボットというファンネルもどきしか無い。早速銀河の彼方へ向けて出発だ!

救難信号に向けて舵を取ると、早速違法採掘中の海賊を発見。我々の船は武装が貧弱である。よって敵が弱い序盤のうちにガンガン敵を倒して武装を奪わなくては! 突撃! 攻撃の主力は勝手に動くファンネルもどき。艦本体はイオンガンというダメージの無いしびれビームで支援するのみである。敵のバリア装置を麻痺させると、その隙を逃さずボットが四方八方から猛射撃! あっさりと撃沈しスクラップを手に入れた。

少し行くとごろつきに遭遇。「我々の島にようこそ! ほんの僅かな支払と引き換えにこの空域における安全な通行を保証しようではないか」済まんが路銀の持ち合わせが無いので鉛でお支払いしたい。全弾発射! 口ほどにも無くすぐ轟沈。南無。

続いてワープすると、出た先に何故か臨戦態勢の船が! 交渉する間もなく戦闘開始。これも撃沈。順調に敵を倒してはいるが戦闘の度にボットを1つ消費しており、いつかは限界が来る。その前にランニングコストの安い武装を手に入れなくては。

老朽化した宇宙ステーションを発見。内部にかすかな生命反応あり。危険を冒して救出に踏み込む選択肢もあるが、失敗して人が減ると目も当てられぬ事になる。ここは適当にその辺の金属クズを拾うだけにしてお茶を濁そう。

その後またごろつきに遭遇し交戦。同じ手口で痛めつけると投降を申し出て来たが聞こえぬふりをして撃沈。そして念願の武装を手に入れた! 重レーザーMk-IIというやたら高火力のごつい銃だ。しびれビームの2倍の威力の火球を2発同時に発射する。ただしチャージタイムは3倍だ。またエネルギーの関係でしびれビームと同時には運用できない。ともかくどれだけ役に立つか実戦で使ってみよう。

 

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月刊スパ帝国 Vol.8

Vol.8の付録はへびすごろく。前の蛇の尻尾に食らいつけ!

  • 20P+表紙のオフセット誌
  • ゲームレビューコーナー(ロビンソン漂流記・カードヒーロー・Great Little War Game・Khmer・大航海時代III・Faster Than Light)
  • ぐう凡艦長航海記(Faster Than Lightプレイ日記)
  • ホワイトベース一家
  • 過去のツイートを振り返る
  • 2〜4人用ボードゲーム「へびすごろく」
  • へびすごろく用カード・駒・ダイス

実物は完売。電子版販売中。
Vol.8電子版をGumroadで購入(クレジットカード決済のみ)
Vol.8電子版をameroadで購入(Paypal・Google Wallet・BitCash・WebMoney)

月刊スパ帝国 Vol.7

Vol.7の付録はトランプゲーム「九年戦争」

  • 20P+表紙のオフセット誌(クライシスエリア解答編、ゲームレビューコーナー、Crusader Kings IIぐう凡王朝年代記など)
  • 2〜4人用トランプ戦争ゲーム「九年戦争」
  • 九年戦争専用得点カード
  • バイスクルのトランプ1組
赤青どちらが来るかはランダム。2部注文すれば両方来るよ!