翻訳記事:勝つ為に戦う(16)

これは翻訳記事です

 

敵の詳細を観察する

敵の詳細を慎重に観察し、将来の手を予測する材料を集めよ。この点に関して、孫子の戦争に関する助言はマイク・カロのポーカーに関する助言によく似ている。

「狂気の天才」マイク・カロはポーカー指導者であり、ポーカー作家であり、世界最高水準のポーカープレイヤーである。彼はコンピュータ分析も利用するが、同時に心理学とギャンブル哲学においても有名だ。カロの著作「ポーカーは語る」と孫子兵法を比べてみよう。

弱いは強い、強いは弱い:

敵が近くにいて静かであれば、それは地の利を恃んでいる。遠くにいて挑発をして来れば、それは相手を進ませようとしている。容易に近づける場所に陣地を置いていれば、それは囮である。

-孫子兵法-

 

ポーカーにおいて、手札が弱い時に強く振る舞うという誘惑は抗し難いものだ。逆、即ち強い時に弱い振りをするのも然り。

-マイク・カロ-

 

弱い振りをするのに夢中になっているプレイヤーは、往々にして強い手札を持っている。

-マイク・カロ-

 

突然の動き:

鳥が飛び立つのはその下に伏兵のいる証拠である。獣が驚くのは奇襲の前触れである。

-孫子兵法-

 

急に元気を取り戻して大金を賭けるプレイヤーに注意せよ。疲れ切ったプレイヤーを蘇らせ、再びギャンブルに向かわせるのは、往々にして目覚ましい手札である。

-マイク・カロ-

 

立ち上る煙:

塵が高く立ち上るのは(二輪)戦車の来る兆候である。塵が低く広がっていれば歩兵の兆候である。様々な方向に散るのは薪を集めている印である。少しの煙が往来するのは野営の印である。

-孫子兵法-

 

ブラフをかけているプレイヤーは内心不安であり、人目を引く様に煙草の煙を吐く事を躊躇する。覚えておこう、ブラフをかけている者はできるだけ注意を引いたり、コールを呼び込む様な行動を避けようとする。殆どのプレイヤーはブラフの際に透明な存在になりたがる。ゆったりと煙を吐き出すプレイヤーは、恐らくコールされる事を恐れていない。

-マイク・カロ-

 

外見からの手がかり:

兵士が槍に寄りかかっているのは空腹でぼんやりしているからである。水を汲みに出された兵がまず自分で飲むのは乾きに苦しんでいるからである。優位を取れるのに何もしないのは兵が疲れ切っているからである。

-孫子兵法-

 

良い服をまとったプレイヤーは保守的にプレイする傾向がある。しわくちゃのスーツに緩んだネクタイの男はギャンブルをする気分になっており、きちんと服を着ている場合よりも放縦なプレイをする可能性が高い。

-マイク・カロ-

 

秩序と混沌:

夜中に叫び声がするのは恐れているからである。恐怖で落ち着かなくなり、叫んで自分達を鼓舞しているのである。野営地内で騒乱が起きるのは指揮官の権威が弱いからである。旗が動くのは反乱である。士官が怒るのは疲れているからである。

-孫子兵法-

 

対戦相手の本性はチップの置き方から垣間見える。きちんとした置き方は慎重に手を選び、滅多にブラフをかけず、大きなギャンブルをしない傾向を示唆している。無論ゲーム中に気分が変わる事もあり、その場合はチップの置き方も雑になって来る。大きなチップの山の上に少し余剰が載っていたら、恐らくそれが儲け分である。

-マイク・カロ-

 

大胆な相手:

軍隊が馬に麦を与え、馬を殺して肉を食べ、炊事用具を火にかけていないのは、もう野営地に戻る気が無いという事であり、決死の戦いを挑む兆候である。(注:引用されている英訳が間違っている可能性あり。原文:「殺馬肉食者,軍無糧也。懸缶不返其舍者,窮寇也」)

-孫子兵法-

 

実際、幸運のお守りを付けていたり、迷信深い振る舞いをするプレイヤーは平均より賭け金を自由に扱う。

-マイク・カロ-

 

弱いは強い、強いは弱い、忘れるな:

言葉では謙り、備えが増しているのは進撃の兆しである。乱暴な言葉を使い、前に進もうとして来るのは撤退したがっている兆候である。軽戦車が出て両翼を固めるのは決戦の準備である。和を乞うが誓約が伴わないのは謀略である。走り回って隊伍を整えるのは決戦の時が近い印である。進む者と退く者がいるのは誘いである。

-孫子兵法-

 

相手に賭け金を積ませようとするのは勝てる手札と踏んでいるからである。賭けても安全だと相手に思わせる主立った方法は:(1)興味無さそうによそ見をする (2)パスする振りをする (3)チップに触れない である。

-マイク・カロ-

 

原文:http://www.sirlin.net/ptw