すとすてカードゲーム ver.2

王国を作る2人対戦ゲーム。ダイスの目で強いカードが変わる。

 

コンポーネント:

行動カード6種12枚

赤・黒・白のダイス各1個

 

開始処理:

・カードをよく切って山を積む

・4枚ずつ配り手札にする

・ダイス3つを振る

 

ラウンド処理:

・双方1枚ずつ手札からカードを選んで伏せる

・一斉に公開

・それぞれの権力を計算

・権力の大きい方が勝ち

・同点なら引き分け

 

権力計算:

・赤のダイスは食料、黒は生産、白は金銭を表す。この値は双方共有。

・探索:最も少ない資源+1

・交易:相手が成長なら食料+金銭、相手が建設なら生産+金銭、それ以外なら0

・成長:食料。相手が建設なら+生産。

・建設:生産。相手が探索なら+3。

・研究:金銭

・征服:相手が成長なら食料×2、相手が研究なら金銭×2、それ以外なら0

 

どちらかが勝った場合の処理:

・勝ったプレイヤーは権力の差分だけ勝利点を獲得する。

・勝ったプレイヤーはコンボカードを公開してもよい(後述)

・負けたプレイヤーの出したカードは勝ったプレイヤーの手札に入る。

・勝ったプレイヤーの出したカードは表向きで捨て札置き場(共用)へ。

・この時捨て札置き場に4枚あれば、それらを全て裏向きにして山に乗せ、その後山を切り直す。山に残った札を見ない様に注意。最後まで引き切って相手の手札が知れてしまうのを防止する配慮である。

・負けたプレイヤーは山から1枚引く。

・勝ったプレイヤーはダイス2つを選んで振り直す。

 

引き分けの場合の処理:

・双方とも出したカードを手札に戻す

・双方とも手札から1枚ずつ裏向きに捨てる

・この時捨て札が4枚以上あればそれらを全て裏向きにし、山に乗せ、その後山を切り直す。山に残った札を見ない様に注意。最後まで引き切って相手の手札が知れてしまうのを防止する配慮である。

・双方とも山から1枚ずつ引く。

・3つのダイス全てを振り直す。

 

終了処理:

・どちらかのプレイヤーが20点以上になり、かつ6点以上の差を付ければ勝ち。

 

コンボルール:

・初めて遊ぶ時はこのセクションを無視しよう。使うのは慣れてからだ。OK?

・各行動カードは上図の様に繋がっている。

・勝ったプレイヤーは出したカードに繋がるカードが手札にあれば、それを公開してもよい。例えば建設を出して勝ったら交易を公開できる。

・公開したカードに繋がるカードもあればそれも公開してよい。例えば交易を公開したら更に探索も公開できる。

・コンボは直列のみで並列は不可。1枚のカードからは1枚しか繋がらない。例えば建設で勝っても2枚の交易を公開する事はできない。

・同様に研究は成長と建設のどちらか片方を選んでコンボ。両方を公開する事はできない。

・公開した枚数に応じて追加の勝利点が得られる。1枚なら1点、2枚なら3点、3枚なら6点。

・公開したカードはそのまま手札に戻る。

 

月刊スパ帝国初号のおまけ。


工程表の5原則

ゲーム開発を通じて得た工程の並べ方に関する知見。

 

1.重要な工程は先に、些末な工程は後に

何事も失敗しうる。予想外の事故は起きる。プロジェクト全体の成否を決する工程を最初の方に持ってくれば、大量の労力と資源を注ぎ込んだ後で全てが無に帰す危険を多少減らせる。まず中核部分を作って駄目そうなら計画を畳むべし。

 

2.歩留まりの悪い工程は先に、確実な工程は後に

例えばラインに工程AとBがあったとする。Aに不良品は発生しない。Bは半分が不良になる。この場合、可能ならB→Aの順番で並べる。Bを後にすると仕掛品が無駄になる。

 

3.他に影響を与える工程は先に、影響を受ける工程は後に

アートアセットの仕様はメカニクスの要請に応じる形で決まる。逆にメカニクスがアートの都合で変更される事は稀である。影響を与える側の工程が済んでから影響を受ける側の工程を始めるべし。仕様が凍結されているのでやり直しが少なく済む。

 

4.変更しやすい工程は先に、変更しにくい工程は後に

一度やり終えた部分に後から修正を加える事はしばしば起きる。しかも開発が進んで初めて修正の必要が発覚する。変更しにくい工程を最初にやってしまうと、後から修正点が見つかる度に大仕事だ。

 

5.必要期間の予測不能な工程は最初に

何事も思ったより時間がかかる。半日仕事の筈が1月を要する事もある。これに上限は無く、「いつまでも完了しない」、つまり制作が放棄される事もしばしば起きる。その場合前工程分の労力が無駄になる。長時間の後に完了したとしても、その間に仕掛品が陳腐化している。


トスカーナの戦い

「デルタ」という開発コードで呼ばれていた作品に正式名称が付いた。「トスカーナの戦い」である。時代はルネサンスから啓蒙主義時代のどこか(大らか)。イタリアの一地方を巡ってビスマルク・ナポレオン・リンカーン・ヴィクトリア女王・グスタフ=アドルフが大喧嘩するストーリーである。

これに伴いカテゴリ名も「トスカーナの戦い」に変更。夏期の発売を目指すので続報を待たれよ!

( ・3・)<月刊スパ帝国にも情報が載るよ!


イモータルアリーナ 背景設定

ローマ皇帝アウグストゥスの治世。サタンは神に対抗する力を得るべく、手下をエデンの園に忍び入らせ生命の実を盗み出させた。智天使らはこれを見つけて追撃、空中で相打ちになる。生命の実は隕石となって地中海に落下。舞い上がった水しぶきで三日は霧が晴れなかった。実の影響を受け、地中海世界では半神的力を持った人間「イモータル」があちらこちらに誕生。悪魔の軍勢は実の回収に向かう。燃える馬に跨がる悪夢軍団が、ポーランドに開いた地獄の穴から地上になだれ込み、イタリア半島南端を目指してローマ帝国領内に押し寄せる。不死身の肉体、無双の怪力、雷を操る力などを持ったイモータルがこれに対抗するも戦況は日増しに悪くなる。当時帝国の属領だったユダヤでも、ローマ軍団が手一杯の間にパルティア軍の侵入を受けるなど末世の様相を呈する。予言者ヨハネはシナイ山に登り神の介入を懇願。「一度も罪を犯した事の無い人間を私の許に連れてくれば地上が滅びぬ様にする」という神の約束を取り付ける。ヨハネは義人を探すため人々に洗礼を授けるが一向に見つからない。そうする内にもいよいよ戦況は悪化し、帝国はユダヤ人の兵役免除特権を取り下げる。とりわけイモータルは最優先の徴兵対象である。ユダヤ国内のサドカイ派はこれに迎合。パリサイ派は反発し、帝国からの独立とパルティアとの同盟を画策。一方ヨハネは遂に罪なき人間、ナザレの大工ヨシュアを見出していた。シナイ山へ彼を連れて行こうとするも、ヨシュアが各地で病人を癒した事からイモータルと見なされローマの軍吏に追われる。逃亡を助けるためヨハネが逮捕され獄死。兵役拒否のかどでヨシュアの一派はサドカイ派と敵対する。一方ユダヤ国粋主義者の中にもこの「反ローマのイモータル」を新たな王に戴こうとする気運が高まり、支持基盤の喪失を恐れたパリサイ派とも敵対。イスカリオテのユダは起死回生の一策として身代わりを逮捕させる計画を立てるが、ペテロの居眠りにより頓挫、本物のヨシュアに接吻してしまう。ヨシュアはピラトの前に引き出されて有罪判決を受け、ゴルゴタの丘に死す。三日後に墓をこじ開けて蘇り、弟子たちの前に現れて神の独り子たる正体を明かし、その後天に昇って神の右に座した。これにて「罪なき人間を神の許に連れて行く」という条件が満たされ、天界の十二個軍団によって悪魔の勢力は地上から一掃された。

 

( ・3・)<誰が読むんだよ!


プロトタイプ:すとすてカードゲーム

2人用カードゲーム。相手の行動を予測してカードを伏せる。

 

ラウンド処理:

・色の違う3つのダイスを振る。これらは食料/生産/金銭に対応する。

・行動カードを1枚ずつ伏せ、一斉に公開。

・それぞれの栄誉点を計算する。

・栄誉点の高い方はその差分を勝利点として得る。

 

終了処理:

・勝利点が12点になり、かつ6点以上の差をつければ勝ち。

 

栄誉点計算:

・探索:最も少ない資源+1。

・交易:相手が成長なら食料+金銭。相手が建設なら生産+金銭。

・成長:食料。相手が建設なら+生産。

・建設:生産。相手が探索なら+3。

・研究:金銭。

・征服:相手が成長を選んでいれば食料×2、研究を選んでいれば金銭×2。


プロトタイプ:サイコロじゃんけん

読みと計算の枠組みを理解するための簡単な2人用ゲーム。じゃんけんに勝つと対応するサイコロの目の数だけダメージを与える。

 

開始処理

・耐久力を記録する。最初は双方12点から。

 

ラウンド処理

・色の違う3つのダイスを振る。それぞれグー・チョキ・パーに対応する。

・じゃんけんのカードを伏せて一斉に公開。

・どちらかが勝ったら、勝った手に対応するダイスの目の数だけ負けたプレイヤーの耐久力を減らす。

 

終了処理

・耐久力が0以下になったら負け。


手慰みの報酬

前回のコラムではゲームの本質である誘引について述べた。今回はもう一つの柱である報奨について考察しよう。

ゲームは動作とそれに対する誘引および報奨の総体である。ゲームはまず動作によって表される。「撃つ」ゲームだったり「跳ねる」ゲームだったり「揃える」ゲームだったりする。撃つゲームには撃ちたくなるゾンビが登場し、撃てば撃つほどスコアや札束が手に入る。揃えるゲームは揃えたくなる絵柄の札や牌を使い、揃え方によって点を取る。

動作と誘引と報奨が完璧に一致している時、ユーザ体験は黄金のピラミッドを成す。何かを撃つゲームを買ったら撃ちたくなる物が出て来て、その上報奨まで得られるとなれば。

報奨系はゲームメカニクスそれ自体と密着している。「ゲームバランスが悪い」というのは報奨系が崩れているという事である。例えば戦略ゲームで戦闘機が異様に強いとすれば、それはひたすら戦闘機だけを生産する事を報奨している。しかし戦略ゲームは慎重に計画を練って資源を配分する遊びである。故に報奨系はそうした深謀遠慮に報いるべきであり、頭を使わない連続クリックに良い結果を与えてはいけない。「動作」と「報奨」の不一致こそゲームバランスの穴である。

プレイヤーは報奨系の命令に逆らう事ができない。戦闘機だけを作る事が勝利への最短経路であれば、それがどれほど退屈であってもプレイヤーはそうし続ける。そしてしばらくの後にゲーム自体を止める。

報奨系は楽しい行動を報奨しなくてはならない。ゲーム自体が依って立つ行動、ゲームが誘引する行動をである。最も楽しい行動が最も報われるのが良いゲームバランスである。


楽しい仕事、辛い仕事

だいぶ以前、祖母の家にインターネット回線を引いた時の事である。祖母は様々な情報ページを廻り、大いに感心し、そしてこう言った。「誰がこれを入れてるの?」

一瞬答えに窮してしまった。確かに言われてみればどこの暇人だ?読み手から金を徴収するでもなく、経費まで自腹でせっせとWeb空間に情報を上げている。しかもそういう暇人が何百万と存在するとは。

 

それから何年か経った。筆者は炒飯作りに凝り始めた。作って食べる所までは良いが、その後の洗い物があまり楽しくない。中華鍋についたコゲを金たわしでこするのは楽しいが、皿をスポンジでなで回すのは楽しくない。

 

それからまたしばらく経った。Unity 3Dという玩具を手にした筆者はこんな物を作った。

http://spa-game.com/Unity3D/Coin.html

ただコインを積むだけの遊びである。得点もゴールも無くゲームとすら言えぬ。だが何故か楽しいのである。一体楽しさとは何ぞや。何が人間をPCに向かわせShiftキーを叩かせるのか。

 

「誘引」という仮説が上記の疑問を全て解決する。コインは積む事を求めている。ホモサピエンスはコインを見ると積みたくなる。「コイン」が「積む事」を誘引するのである。

人間は様々な問題解決手段を持っている。知識や技能、道具などである。そしてそれに対応した問題が提示されると適用したくなるのだ。ねじ回しを持っていればねじを回したくなる。鋏を持っていて点線の付いた紙があれば切りたくなる。縦長のブロックがあれば縦穴に入れたくなる。問題が手段を誘引するのだ。

中華鍋と金たわしは完璧な調和を成している。ゆえに後者で前者をこするのは楽しい。鍋がたわしを誘引するのだ。皿とスポンジはそれほど調和しておらず、誘引力が弱いので楽しくない。皿をなで回して泡だらけにする事には必然性が無い。本能が非効率を察知しているのだ。

Wikiという仕組みの偉大さはその機能ゆえではない。書く事を誘引する所にある。「まだ書かれていない項目」は埋めるべき空白として提示される。データの誤りや漏れも修正を誘引する。Wikiは書く事を誘引するが故に、無償で大量の記事を集める事ができるのだ。そしてWebそれ自体もまた、何かを公開せよと誘引している。

 

動機付けの本質は報酬ではない。誰かの役に立つ事でもない。問題と問題解決手段がピッタリ噛み合っている事だ。調和こそ働きかけを引き寄せる物である。誘引される仕事は楽しく、そうでない仕事は辛い。ゲームの楽しさもまた、「解決すべき問題」としてプレイヤーを誘引する所にある。