#44 ぷにぅダイス

5個のダイスを3回まで振って役を作るゲーム。1人〜多人数。
( ・p・)<ヤッツィーの亜種やんけ 言うてくれるな>(・ε・ )


用意するもの

  • 6面ダイス5個
  • 得点表
  • 鉛筆

準備

  • 順番を決める
  • 得点表を配る

手番の流れ

ダイス5個を振る。2回まで振り直しができ(合計3回)、その度にどれを振り直すか自由に選べる。その後得点表のまだ記入していない役を1つ選び、得点失点を記入する。それぞれの役はゲーム中に一度しか選べず、また手番のたびに必ず1つ選ばなくてはいけない。

 

ゲーム終了

全員が8回ずつ手番を行ったらゲーム終了。得点表の得点と失点を合計する。失点が多い場合は得点が減らされる(後述)。最も最終得点の高いプレイヤーの勝ち。

 

得点ルール

役ごとに「当てはまるダイス」が決められている。例えば5sは5の目だけ。それ以外の余剰ダイスの目の合計値が失点になる。例えば55542で5sを選択したら得点15と失点6を記入する。

役一覧

  • 6s:6の目の合計が得点 それ以外の目が失点
  • 5s:5の目の合計が得点 それ以外の目が失点
  • 4s:4の目の合計が得点 それ以外の目が失点
  • 3s:3の目の合計が得点 それ以外の目が失点
  • 2s:2の目の合計が得点 それ以外の目が失点
  • 1s:1の目の合計が得点 それ以外の目が失点
  • チャンス:高い方から3つの目が得点 それ以外の2つが失点
  • カインド:1種類の目を選び、合計に関係なく10点 それ以外の目が失点

失点によるペナルティ

  • 30まで:何もなし
  • 31+:最も得点の高い役1つが取り消され、その得点を失う
  • 41+:最も得点の高い役2つが取り消し
  • 51+:最も得点の高い役3つが取り消し
  • 61+:最も得点の高い役4つが取り消し
  • 71+:最も得点の高い役5つが取り消し
  • 81+:最も得点の高い役6つが取り消し
  • 91+:最も得点の高い役7つが取り消し
  • 101+:全部取り消しで0点

 

( ・3・)<失点を抑えつつ得点を伸ばそう

ゲームマーケットに挑む人向けガイド

ゲーム作ったんでゲムマ出たい!という人向け案内


ゲームマーケットは近頃とみに盛況である。出展者と参加者の両方が増え続けており、新たにボードゲームを作ってみたいという人も多い様だ。そこで簡単な案内を提供する。人によって求める物が違うために「あれをしろ」「これをしろ」という指示は出しにくいので、「何が期待できるか」「何が期待できないか」「何を準備しておくか」という切り口で書いてゆく。

 

何が期待できるか

経験。制作は作って終わりではなく着弾確認まで行ってやっと完了である。完成させ、売って、遊んでもらい、感想を聞く。最後までやり遂げたプロジェクトは途中で放り出したプロジェクトよりも遥かに大きな経験になる。

情熱。制作の成果が誰かを喜ばせる事ができれば、それは次を作る原動力になる。必要とする誰かがいるから手を動かせるのだ。

交友。同業者とか隣接分野の人々と知り合う機会が非常に多い。自分から挨拶に行ってもいいし、誰かが来るのを待ってもよい。

 

何が期待できないか

利益。もし初めてゲームを作ってゲームマーケットに参加し100個を売り切ったら、ベルカーブのかなり右の方にいると考えてよい。中央値付近では印刷費を回収するのがやっとだ。豪華な箱やコンポーネントを入れたらだいぶ足が出るかも知れない。儲けが出るのはそれなりに固定客を掴み、規模のメリットを利用できる様になってからだ。

契約。ゲームを作ったらどこかの会社が見つけて契約してくれる/拾ってくれるというのは殆ど神話である。ライセンス契約をする場合、国外だろうと国内だろうと既に相当売れていなくてはならない。誰も馬の骨に資本を賭けたりしない。

評判。どんなに自信があろうと最初の反応は大した規模にならない。非常に奇抜だったり不謹慎な作品を出せば多くの人がそれについて言及するかも知れないが、それは不審者の写真を大勢で回覧しているのと大して変わらない。人気者とは違う。

要するに人生は1日で好転しない。

 

何を準備しておくか

釣り銭。コインケースに入れて多めに持って行く。半端な値段設定の場合は特に重要。

値段表。売っている物と価格の一覧を1枚の紙にまとめて印刷する。多く用意して配ってもよい。喧騒の中で何がいくらか口頭で伝えるのは悪夢だ。行列を解消するので周囲への配慮にもなる。

名刺。人が訪ねて来て名刺を置いていく事もある。交換できないと少し間が悪い。それに誰の印象に残り誰が連絡して来るか分からないものだ。

ガムテープ。売れ残りを梱包したり案内の紙を貼り付けたり壊れた備品を応急修理したりアポロ13号を地球に帰還させたりする*。

仲間。1人で出るとトイレに行けないぞ。

 

それではビッグサイトであいましょう( ・3・)ノシ

*厳密にはダクトテープ。

Not My Fault! ver.2.0

2〜人用ブラフカードゲーム。伏せた札の合計値を申告して次へ回す。


コンポーネント

  • 進捗カード32枚
    • 0:2枚
    • 1:5枚
    • 2:5枚
    • 3:5枚
    • 4:5枚
    • 5:5枚
    • 6:5枚
  • イエローカード 人数+1枚
  • レッドカード 人数+1枚
  • 進捗ボード(1〜30の数値)

 

ゲームの準備

  • 進捗カードを切って山にする
  • 席順と初手番プレイヤーを決める

 

遊び方

  • 最初のプレイヤーは山から進捗カードを1枚引き、数値を確認してから伏せる。
  • 数値を申告して進捗ボード上で示す。
  • 以後のプレイヤーは、まず前のプレイヤーの申告を信じる(引き継ぎ)か疑う(監査)かを選ぶ。
    • 信じる場合は同様に進捗カードを引いて伏せ、伏せられた全てのカードの合計数を申告する。必ず前のプレイヤーより大きい数を申告すること。
    • 疑う場合は伏せられた全てのカードを表にする。申告以上であれば監査したプレイヤーの負け。未満であれば直前のプレイヤーの負け。
      • 1ラウンド負けるごとに「レッドカード」を1枚受け取る。
      • レッドカード2枚で敗北、ゲーム終了。
  • 5/8/12/17/23/30以外の数値は申告の際に「イエローカード」を1枚取らなくてはいけない。1ラウンドに2枚イエローカードを取るとそのラウンドは負けになり、レッドカードを受け取る。
    • ラウンドが終わったらイエローカードは無くなる。
  • 30を申告したらその場で「完成」を宣言する。伏せられたカードを全て表にし、合計が30以上であれば即座に(ラウンドでなく)ゲームに勝利する。30未満であればレッドカードを1枚取る。
  • 誰かがレッドカードを取ったら1ラウンド終了。進捗を0に戻し、監査/完成を宣言したプレイヤーから次のラウンドが始まる。
  • 誰かが脱落するか完成させればゲーム終了。

 

c⌒っ・p・)っそのうち売ります

 

翻訳記事:「ナショナルエコノミー」–人口は力か重荷か

これは翻訳記事です

香港のニュースサイトで取り上げられたナショナルエコノミーのレビュー記事。

 

「ナショナルエコノミー」–人口は力か重荷か

経済ゲームが好きなプレイヤーはとても多い…まあ大抵はゲームの中で富が増えるのが楽しいからだが。こう言うと些かさもしい様に思えるが、そもそもそれが経済ゲーム人気の衰えない主な理由でもある。

ただし我々が目にする多くの経済ゲームは「雪だるま式」の経済だ。要するに、人口が多ければ多いほど生産力が伸びるし、生産力が伸びれば経済力もうなぎ上りというわけだ。

経済が好調なら人口ももっと増える。これは問題ない。では人が増えれば生産力が伸びて経済がもっと良くなるか? これはちょっと問題だ。というのも政府の人間はしょっちゅうこう言う。人口が増えれば生産力が増え、市場が大きくなり、とにかく人が多ければ多いほどいい。数は素晴らしい。だが忘れてはならない、たとえ政府高官だろうと原因と結果を取り違えるのはいつもの事だ。ある国の人口が多く、「うちの国は上手く行っている」と叫ぶのが仕事の高官がいて、彼が人口が多いのは素晴らしいと言っているとしよう。この場合本当に人口が多いのは良い事なのか? 彼自身も本当は知らないのだ。

大抵のゲームもこの調子だ。アグリコラだろうとストーンエイジだろうとエイジオブエンパイアだろうと、人口は多ければ多いほどいい。ただしこの「ナショナルエコノミー」というゲームだけは完全に別だ。

このゲームは一見すると簡略版アグリコラの様だ。多分デザイナーも参考にしたのだろう。最初は2人のワーカーで始まり、典型的なワーカープレイスメントの流れで、各プレイヤーが毎回1つ職場を使う。開始時に存在するのは基本職場だけで、鉱山(カードを引く)、大工(カードを出す)、学校(ワーカーを増やす)、これで終わりだ。もしアグリコラを遊んだ事があればこう思うだろう。ワーカーを増やす前にまず家を建てなきゃいけないんだよな? どういう前提条件が必要なんだ?

答えは「何もなし」だ。増やしたければ増やせ。実際このゲームのワーカーはモリモリ増える。中盤になると一度に2人とか3人増やす事すら可能だ。ワーカー1人は行動1回だから、増えれば増えるほど生産力もGDPも自然と大幅に上がる。始めたばかりの頃はこれがものすごく得に思える。何しろあっちのプレイヤーは2人しかワーカーがいないのにこっちは3人で、カードだって沢山引けるのだ。違うか?

この発想で行くと3人と言わず13億人ぐらいまでワーカーを増やしたくなるかも知れない。だが申し訳ない、社宅を建てない場合5人が限度だ。それにそもそも、実際に遊んだら5人にだって増やしたくないと思えるだろう。

なぜならこのゲームのワーカーは飯を食う、じゃなかった、給料を持っていくからだ。まあ運用上飯を食うのとそれほど違いは無いのだが。ゲーム開始時には各ワーカーは2ドルの給料を要求する。ワーカーが増えればそれだけ給料の支払いも増える。もし給料が払えるだけの金が無ければ自分の建物を売らなければならないし、売ってもまだ足りなければ高利貸しに泣きついて1ドル借りるごとに3ドル返す羽目になる。そういうわけで毎ラウンドきっちり給料を払える様にしておきたいのだ。

給料を払うためには金を稼がなくてはならないだろう。となるとこう思うはずだ。だったらワーカーに金を稼いで来させればいいじゃないか、それでそいつ自身の給料を賄ったらいいんじゃないか? 例えばストーンエイジでも狩人は自分が食べる分を狩った上に余剰食料も持ち帰ってくれる。ゲームってどれもそういうものだろう? ところがこのゲームは違うのだ。

というのもこのゲームでは、ワーカーは直接金を稼ぐ事ができない。彼らは製品を作るか、建物を作るかで、直接金を生み出す事はできないのだ。なので手元の金はあっという間に給料に消えてしまう。現物支給は? 駄目だ。ワーカーを使って製品を市場で売って金を作るしかない。ところが市場がまた有限だ。つまり、市場に存在する金が有限で、製品を売るのも早い者勝ちなのだ。誰かが内需市場の金を全て持ち去ってしまったら、いくら手元に製品があっても売る事のできない不良在庫と化す。例えば1万本のスプーンを作っても内需が1000本分しか無かったら9000本は使い道のないゴミという具合である。

そういうことだ。現実世界における生産力・生産量崇拝者の一味はこのゲームでは大いに苦しむ。売る先の無い生産力はただただ無駄になり金に変わらないのである。

内需市場が尽きる? でもそれでも給料は払わなくてはいけない。どうすればいいんだ? 心配無用、市場には金が補充されて来る。人口が多いと市場が多いという話を覚えているかな? 実はこれはある程度正しい。なぜならこのゲームでは、プレイヤーの払った給料が全て市場へと流れていくからだ。言い換えると、プレイヤーは自分のワーカーに給料を払い、彼らが製品を買える様にしているのだ。同じ金が不断に流動していく。これこそがこのゲームの最も優れた点だ。よく政府高官が経済が不調だ消費が弱いとこぼし、それと同時に賃金を下げて「競争力」を上げろと要求するが、彼らはこのゲームを遊んだ事が無いに違いない。消費する金は元を正せば稼いだ金であって、労働者に可処分所得が無ければ企業だって内需市場の恩恵を受けられないのだ。

ただし大前提としてまず給料が払えるだけの金がプレイヤーに無くてはいけない。そうでなければ市場に流す事も不可能だ。しかもこのゲームの金は徐々にインフレで価値が下がる…というかワーカーの給料が徐々に上がっていく。どんなに人を増やしても給料を払えなかったら人口イコール市場とは言えない。2ドル給料を払ったら2ドルの市場が生まれ、4ドルなら4ドル、8ドルなら8ドル。2ドルの給料を払ったら8ドルの市場が生まれるという事は絶対にあり得ないのだ。このゲームを遊んだら金というのは同一のものが流動しているのであって無から生まれるのではないと分かるだろう。

ではどうやって市場に出回る金を増やせばいいのだろうか? 外資である。このゲームではプレイヤーが作った建物は全て外国人投資家に売り払える。そして建物という資産に応じて金を払ってくれる。この金は市場の外から出てくる。そしてその金はまた市場へと流れ込み、売り払った建物は公共建築と化して誰でも使える様になる。

ゲームの最後に全ての資産の売値を合計したものが勝利点になる。人口を増やしたければ好きに増やせばいいが、他のゲームと違って一部の建物の効果を除き人口は全く点数にならない。それどころか、製品を作って売る事ができないのであればワーカーどもは全くの重荷である。無駄に人口が多くとも点数や生産力が伸びないばかりか、巨大な消耗と化して経済を食いつぶし、富の集積を全く不可能にしてしまう。もし毛主席がこのゲームを遊んだらワーカーを7人まで増やすだろう……そして勝利点がゼロかマイナスで終わるはずだ。

人が少なすぎれば利潤を最大化できない。しかし人が多すぎれば今度は利潤を食いつぶしてしまう。本当に必要なのは人口と経済のバランスの取れた発展だ。初見プレイヤーの多くは他のゲームと同様に人を無闇に増やし、そして手痛い教訓を得るだろう。

最初はワーカー増加による生産力が非常に魅力的に見える。そして皆が落とし穴にはまる。そしてゲーム中盤から後半になってワーカーが重荷になり始めた時こう聞く。人を減らす方法は無いのか? 答えは「無い」だ。家族計画も、自然災害も、大飢饉も、大粛清も、大虐殺も文化大革命もここには無い。一度人口を増やしたらずっと養わなくてはいけないのだ。経済発展がそれに追いつかなければ、人口が負債になるとはどういう事か身にしみて理解できるだろう。

本作は貨幣経済の概念を表現した数少ないゲームのひとつと言えよう。いつか誰かが人口が多ければ生産力も市場も大きくなると言い出したらこのゲームを勧めてやるといい。すぐに過ちに気付くはずだ。

 

原文はこちら:http://www.cup.com.hk/2016/08/10/chenglap-national-economy-board-game/

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#43 宝探し

「A4の紙1枚に収まるダイス2個の1人用ゲームを作れ」という課題に対応して即席に拵えたもの。


用意するもの

  • 鉛筆
  • 6面ダイス2個

準備

紙に次の様に書く。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

黄金のスカラベ(5個)

ファラオの仮面(7個)

水晶のドクロ(9個)

不死の膏薬(4個連続する数字)

若返りの泉(6個連続する数字)

 

ゲームの流れ

プレイヤーは冒険家になって宝探しに出かける。一度出かけたら未発見の宝物を1つ持ち帰るか、諦めて途中で帰って来る。全ての宝物を集めれば勝ち。その前に3回失敗したら負け。

 

遊びかた

  • ダイスを2個振る。
  • 出た目のいずれかの数字か、両方か、または2つを合計した数字を選び、紙に書かれた数字の下にチェックマークを付ける。
    • 例えば3と4が出たら「3」「4」「3と4」「7」のどれかを選んでチェック。
  • これを繰り返して、十分に多くの数字にチェックが付いたら宝物を持ち帰れる。
    • 例えば5つの数字にチェックが付いたら「黄金のスカラベ」を持ち帰ってよい。
    • もっと良い宝物を求めて冒険を続けてもよい。ただし1回の冒険で持ち帰れる宝物は1つだけである。
  • 同じ数字を2回チェックしてはいけない。ダイスを振ってチェックできる数字が無かったら、その冒険は失敗する。
    • 2度チェックした数字の上にバツ印を付けて封印する。ゲームの終わりまでその数字をチェックすることはできない。
    • ただし「不死の膏薬」か「若返りの泉」を手に入れた時、バツ印を1つ取り消すことができる。
  • 上手く行くと思えなかったらダイスを振る前に諦めて帰ってもよい。その場合、好きな数字を1つ選んでバツ印を付ける。
  • 宝物を持ち帰るか、失敗するか、諦めたらその冒険は終わり。数字に付けたチェックマークを全て横線で消す。
  • 持ち帰った宝物にはチェックマークを付ける。同じ宝物は1度しか持ち帰れない。
  • 以上の流れで繰り返し冒険に出かける。
  • 全ての宝物を持ち帰ったら勝利。
  • その前にバツ印が3つ付いたら敗北。

 

( ・p・)<どうやって泉を持ち帰るんだよ (・ε・;)

魔法の論理的演繹

どうしてフィクション内の魔法が合理的でなくてはならないかの考察


ゲームなり創作物語なりを拵え、作品世界に魔法を存在させたとしよう。火の玉を作るとかネズミに変身するとか宿敵に納豆の匂いを全身から発させるといった便利な現実湾曲メソッドである。するとどこからともなく合理性の番人が現れて文句を付け始める。「この魔法は熱力学の第一法則を破っているぞ!」「変身中の声帯で人間の言語を使えるのはおかしい」「皮膚常在菌が納豆菌の繁殖を抑えるのでは?」といった調子だ。

ううむ、どういう事だろう? そもそも魔法には物理法則をねじ曲げる事が期待されているのではないか? 合理性の番人は物語に不合理な期待を抱いていてすべてが現実世界と同じでなければ気が済まないのか?

そうではない。こうした苦情には実は理がある。本質的な問題は現実を湾曲する事でなく、湾曲の帰結を十分に掘り下げていない事なのだ。

 

物を空中に持ち上げる魔法があったとしよう。その過程で獲得する位置エネルギーと同等以上のエネルギーを外部から供給してやる必要が無いとすれば、それはエネルギー保存則を破っている。そしてエネルギー保存則を破る方法が作品内に存在すると、当然次の様な疑問を惹起する。「どうしてこの人達は永久機関を作って粉挽きを楽にしないんだろう?」記録に残っている範囲でも永久機関を作る試みは13世紀から存在するし、粉挽きは人力でやると相当な重労働だ。

もしその世界の住民が我々の知る意味での生物であり、楽な栄養源を無意味な重労働よりも好むとすれば、永久機関文明を築いていない事についてそれなりに筋の通った説明が必要である。それは「魔法を使いすぎると環境中のマナが汚染される」でもいいし、「ラッダイト運動が激しく自動化はギルドからの執拗な妨害に遭う」でも構わない。またゲド戦記の様に魔法を使って目の前の問題を解決する事が本質的な改善に繋がらないと示唆するのでもよい。とにかくその世界の住人が馬鹿でない事を示すべきなのだ。登場人物の一部でなく全部が馬鹿だとすれば、それは真剣な感情の投入を妨げる理由にしかならない。

 

物理法則を曲げる魔法の論理的帰結を徹底的に描いたらどうなるだろうか? 永久機関文明の出現に伴い生産のボトルネックが情報や天然資源に移行し、経済構造の激変とそれに伴う政治体制の変化を迎え、我々の知る歴史とは全く異なる技術史を構成するかも知れない。あるいは「魔法でパンを生成する事は可能だがそれは必ず他人の食卓に供さなくてはならず、自分自身のためにパンを出す事は許されない」という魔術版インセストタブーによって濫用が戒められ冷たい社会を保つかも知れない。

こうした演繹無しにアドホックに魔法が導入された場合、社会体制や習慣や他の風景との整合性を取るために物理法則に従う事が要請されるのである。登場人物がネズミに化けるのは少しも問題ではない。ネズミを見ても「誰かが変身しているのかも知れない」と疑わない事が問題なのだ。

#42 レモンポーカー

2〜人用トランプゲーム。親の作った2つの手のどちらが強いか当てる。


遊び方

  • 親プレイヤーを決める。もう一方は子になる。
  • トランプデッキ(52枚)をよく切る。
  • 共通カードとして2枚を表向きに置く。
  • 親のホールカードを引く。
    • 裏向きのまま親だけが見ることができる。
    • 5枚を1組として2組引く。
    • 組は引いた時点で固定され、カードを入れ替えることはできない。
  • 親はそれぞれの組のカードを数字の大小に従って並べる。
    • 小さい方が左。
    • 違うスートの同じ数字はどの順番でもよい。
    • Aは最大として扱う(Kの隣)。
  • 親はそれぞれの組ごとに2枚を選んで表に返す。
  • 子は裏向きのカードを1枚選んで表に返す。
  • 子はどちらの組が強い手になるかを予想して賭ける。
  • すべてのカードを表に返す。
  • それぞれの組ごとに、ホールカード5枚と共通カード2枚の中から5枚を選び出して最も強いポーカーの役を作る。
  • 予想の成否に応じて賭け金を払い戻す。

 

( ・3・)<まだ作ってる途中だよ

2016/5/5 ゲームマーケット2016春参戦情報

アナログゲーム即売会「ゲームマーケット」に出展します。

  • 名称:ゲームマーケット2016春
  • 開催日:2016年5月5日(祝)
  • 会場:東京ビッグサイト西3・4ホール
  • 開催時間:10:00〜17:00
  • 入場料:1000円
  • J19-20「スパ帝国」

品薄だったナショナルエコノミーを大量に持って行きます。その他過去作も一応。今回は試遊卓もあります。

GM2016s_MAP

パラドクスいろいろ

( ・3・)あたまのたいそう(・q・ )


 

ヴェブレン財のパラドクス

貴重である以外に実用上の価値が無く、経済力を衒示するための商品をヴェブレン財と呼ぶ。要するに「俺はこれが買えるぐらい金持ちだぞ!」と見せびらかす貴重品である。名刺と一緒に預金通帳を持ち歩いて会う人全てに見せるより貴金属のアクセサリを身につけている方が楽に同じ目的を達成できる。

ところが金持ちの度合いがある段階に達し、全ての人が知っているほどの名士になるとそうした衒示は必要がなくなる。ヴェブレン財を持っていようがいまいが金持ちであると知れ渡っているからである。カダフィ大佐が外国滞在時にテントに泊まっていても「あの人ホテルも取れないぐらい貧乏なのかしら?」と思われたりはしない。

それどころか、むしろヴェブレン財を買わないことによって「ヴェブレン財を買って経済力を衒示する必要がないほど知れ渡った金持ちである」ということを衒示できる。つまりヴェブレン財の不在というヴェブレン財が理論上生じうる。非常に成功したビジネスパーソンなのに質素な格好をしていると精神的にも豊かに見える。

言うまでもなくこの理屈は無限に入れ子にできる。つまり金持ちである事が知れ渡った名士のクラブで1人だけ成金の様な格好をしていれば「ヴェブレン財を買わない事によってヴェブレン財を買う必要がないほど金持ちである事が知れ渡っている事を衒示する必要がないほどの名士である」という衒示ができる。という事はその中であえてヴェブレン財を買わない事によって……

 

安全装置のパラドクス

事故を減らすために非常に感度の高い自動安全停止装置を導入すると、始終誤動作して業務の妨げになった挙句現場の判断で勝手にスイッチを切られるので却って安全性が低下する。同様の理屈で煩雑な確認手順が徐々に省略されたり、長いパスワードが紙に書きとめられて漏洩したり、それ自体が問題を起こすウイルス対策ソフトがアンインストールされたりする。

これらの事象は安全の為のコストが便益を上回っている場合に生ずると考えられる。ここから「コストを度外視して安全を追求する場合でもコストを度外視できない」という第二のパラドクスが導かれる。

 

悲劇のパラドクス

古典的作劇手法において、破滅は破滅を防ぐ努力によって引き起こされる。巫女の予言に従って子供を殺そうとしたら逃れて暗殺者になったり、小惑星を叩き割ったら破片が地球に落ちたり、タイムマシンで過去の事故を防ぎに行ったらタイムマシン自体が事故原因だったりするのだ。

これは物語に説得力を持たせる試みの帰結であると考えられる。読者を納得させるには登場人物が危機を防ぐために最大限の努力をせねばならない(さもなくば間抜けの自滅で終わる)。ハッピーエンドであれば「破滅が防がれた」という結果を以て努力の証にできるが、破局で終わる場合は「努力が不十分だったのではないか」という疑念が生じてしまう。そこで破滅を防ぐ努力をすればするほど破滅に近づく構造を導入しておくと、破局を迎えたというまさにその結末によって充分な努力が行われたと示せる。

従って歴史が充分に皮肉に富んでいれば、AIによる人類の滅亡はAIが反乱を起こそうとしていると勘違いした人間が機械を叩き壊してしまったせいで生活が立ち行かなくなるという経緯を辿るはずである。

 

冤罪のパラドクス

問1:ある人が財布を盗んだ嫌疑で逮捕された。この町の警吏は3回に2回は真犯人を捕まえる事で知られ、あとの1回は間違って無関係の人を捕まえてしまう。またこの町の泥棒は3回に1回は捕まる前に盗んだものを隠しおおせる。身辺を捜査したが盗まれた財布は出て来なかった。この人が有罪である確率はいくらか?

問2:今度は警吏が邪悪である。3回に2回は真犯人を捕まえるがあとの1回はそうと知りつつ無辜の人を捕まえて来る。しかもその場合は2回に1回の割合で証拠品を捏造し被疑者の周辺から「発見」する。それ以外は問1と同じ条件だとして、この人が有罪である確率はいくらか?

問3:警吏が輪をかけて邪悪である。無辜の人を捕まえた場合は常に証拠品を捏造する。それ以外の条件は問2と同じだとして、この人が有罪である確率はいくらか?

 

答1:40%

答2:約57.14% (4/7)

答3:100%有罪である!

 

( ・p・)<え、なんで捏造してる方が有罪の可能性高いん? (・ε・ )

 

解説

冤罪云々は一旦忘れて問題を次の様に変形してみよう。

  • 箱A・B・Cがある
  • 箱Aには白玉が6個入っている
  • 箱BとCにはそれぞれ白玉が2個、黒玉が4個入っている
  • 箱は外側からは見分けが付かない
  • 無作為に箱を1つ選び中の玉を1つ無作為に取ったら白玉だった
  • 手を突っ込んだのが箱BまたはCである確率はいくらか?

4/10 = 40%である。3つの箱に18個の玉が入っており、引く確率は全て1/18ずつで同じである。白玉10個のうち6個は箱Aに入っており、残り4個はBとCに入っている。よって箱Aからそれを引いた確率が6/10、BまたはCが4/10。

  • 箱Aの中身が白玉3個と黒玉3個だった場合はどうか?

4/7 = 約57.14%である。今度は白玉が合計で7個しかない(Aに3個、Bに2個、Cに2個)。Aからそれを引いた確率が3/7、BまたはCが4/7。

  • 箱Aの中身が黒玉6個ならばどうか?

4/4 = 100%である。白玉はBとCの箱にしか入っていない!

 

要するにこの問題は事後確率を求めるものである。箱BかCを選ぶ確率は2/3だが、「白玉を引いた」という情報を考慮に入れるとそれより下がる。箱Aの内容分布がBCに近づくに連れてこの情報は影響が薄くなり、AにもBCと同じく白玉2個と黒玉4個が入っている場合には引いた玉の色が全く確率に影響しない。この場合は最初に箱BCを選ぶ確率と同じ2/3が答えになる。箱Aの白玉の割合がBCよりも少なくなると、今度は情報の影響が反転してむしろBCの確率を高める。例えば箱Aが白玉1個黒玉5個であれば4/5が答えである。

先の問題が直感に反しているのは、真犯人が財布を隠しおおせた場合には警吏が証拠を捏造しないという非現実的な前提が含まれているせいである。証拠品が見つからない場合に常に同じ割合で捏造するのであれば有罪確率には影響しない(問3は0/0で定義不能になってしまうが)。

 

( ・p・)<ぱらどっくす 体操になったかな?>(・ε・ )