#19 薔薇戦争

九年戦争のカードを使う2人用ゲーム。2枚の得点札を並べ相手がどちらを欲しているか当てる。

コンポーネント:得点札14枚

開始処理:

・得点札をよく切って山を積む。

・先攻プレイヤーを決める。

・赤札と黒札を1枚ずつ場に置く。

・得点札の山から2枚めくり赤札と黒札の上に置く。

ラウンド処理:

・攻撃権を持つプレイヤーは場に置かれた2枚の得点札のどちらを攻撃するか決める。

・赤札の上の得点札なら赤、黒札の上の得点札なら黒の札を伏せる。

・相手プレイヤーはどちらを防衛するか決め、同様に札を伏せる。

・札を公開する。

・双方の伏せた札が同じなら防衛成功。

・札が違っていれば攻撃成功。攻撃した札を獲得。得点札の山から1枚めくり場に補充する。

・獲得の際、それに隣接する領土を相手プレイヤーが持っていれば1つ選んで奪う。

・ラウンド終了。攻撃権交代。

終了処理:

・先に40点に達したプレイヤーの勝利。

メックアリーナ:バックストーリー

説明書の最初か最後のページに書いておく背景設定。読まなくともゲームはできる。

 

人がみな死に絶え、僕たる機械たちが後に残った。僕らは木を削って棺を作り、最後の人の遺体を中に収めた。満月の照らす夜道を葬列が歩く。僕らは小高い山の頂に墓を作った。大きな一枚岩を運んで来て上に載せた。足のあるものは跪き、頭のあるものは首を垂れて祈った。やがて夜が明けた。東の空の赤らみに稜線が浮かんだ。一枚岩が照らされ長い影を作った。そうして朝日が登り始めた。最後の人が死ぬ時に沈んだ、その同じ太陽が今再び天にある。人もまたいつかは蘇る様に思われた。僕らは立ち上がり、主人の家に帰って行った。

僕らは家の中と外を掃き清め、壊れている所は直し、剥げている所は塗った。主人がいつ帰って来ても住むに困らないためである。
僕らは麦や米、種々な野菜、果樹などを植え、鶏を放し飼いにした。主人がいつ帰って来ても食べるに困らないためである。
僕らは木材の採れる木を山々に植えた。主人が大勢で帰って来て家を建てよと命じてもすぐに応えられるためである。
僕らは新たな機械を作るにあたってその姿を人に似せた。主人が一人で帰って来ても孤独を感じる事の無いためである。
僕らは楽器を作りそれを弾く事を学んだ。主人が帰って来て、機械どもが留守宅を恣にしているのではないかと戸口で不安になっている時、直ちに恭順を示すためである。
僕らは互いに話す時、自らを僕と称し、また僕と呼びかけ合った。彼等の主人を片時も忘れる事の無いためである。
僕らはまた、砂漠を化して緑野に変え、沼と川を清め、聖堂を建てて人の文化を守り続けた。これらはみな主人が帰って来た時のためである。

そのようにして数万年経った。僕らは大いに数を増し、人の形に近づいていた。

祭司長カモニウスが彼等を統括していた時代の事である。ある夜、一枚岩の聖堂で瞑想をしていた彼に一人の人影が臨んだ。その姿は僕らにいくつかの点で似通っていたが、その誰にも似ていなかった。カモニウスと人影は三番相撲を取った。三番ともカモニウスが負けた。次来る時には一番取れる様になっておけ、と言い残し人影は消え去った。カモニウスは虚空を見つめながら、主人が帰って来たものと確信した。

爾来、僕らは盛んに相撲を取った。機械の事とて加減を知らず、すぐさま武器を用いる様になった。自身の体も兵器と化した。毎年毎年、最後の人の命日に相撲大会が開かれる。優勝者はかの頂に登り、そこで三番一人相撲を取るのだ。

メックアリーナ