#54 クレムリノロジー(仮)

各色のマジョリティを争う競り。色の得点が途中で変化する。


プレイ人数:2人(拡充予定)

 

コンポーネント

  • 色カード30枚
    • ABCDE各色ごとに3点カードx2、2点カードx4
  • 序列カード5枚
    • ABCDE
  • スタートプレイヤーマーカー

 

セットアップ

序列カード5枚をランダムに1列に並べる。色カードをよく切って山を積む。最初のプレイヤーを決める。

 

遊び方

ゲームは6ラウンドで行われる。ラウンドごとに5枚の色カードがめくられて場に並ぶ。順番に1枚ずつ取って自分の札にする。最後の1枚は取られずに捨てられる。この時、捨てられた色の序列が1つ繰り上がる(ABCDEでDが上がった場合はABDCEになる)。ラウンドごとにスタートプレイヤーが入れ替わる。

 

得点計算

各色ごとに最も多く点を集めたプレイヤーに勝利点を与える。同点は通し番号が若いカードを持っている方が優先(3点から若い番号を振る)。色ごとの勝利点は序列によって決まる:

  • 1位:5点
  • 2位:4点
  • 3位:3点
  • 4位:2点
  • 5位:-3点

最も勝利点の多いプレイヤーの勝ち。同点は序列の高いマジョリティを持っている方が優先。

#53 暗黒オークション(仮)

釣り上げられる額が手札で決まる競り


プレイ人数:2〜5人

 

コンポーネント:

  • 美術品カード35枚
    • 1〜7 各5枚
  • 金 大量
  • 競り値カード25枚(以下を5枚ずつ)
    • +1
    • +2
    • +4
    • +価値
    • 次の10倍数
  • 競り値トラック(0〜30)

 

セットアップ

美術品カードをよく切り、人数x6枚の山を作る。席順と最初のプレイヤーを決める。各プレイヤーに競り値カード5枚を1セットずつ配る。各プレイヤーに$60を配る。

 

遊び方

ゲームは美術品カードの枚数だけのラウンドで行われる。ラウンドごとに1枚の美術品がめくられ、プレイヤー同士で競り値を付けて落札する。最後に美術品の価値と残りの資金で勝者を決める。

競り値トラックはラウンドの最初は0に設定する。

順番が来たプレイヤーは値を釣り上げるかパスする(ハードパス)。釣り上げるには手札からカードを1枚プレイし、対応する数だけトラックを進める。プレイした手札はそのプレイヤーの捨て札に置かれる。手札を使い切ったら捨て札を全て回収する。他全員がパスしたら現在の競り値を支払い(サプライに戻す)美術品を手に入れる。

他のプレイヤーが即座にパスすることで結果的に$0で落札することもあり得る。

最後の美術品が落札されたらゲーム終了。

 

得点計算

手に入れた美術品の価値を合計し、残り資金に応じた倍率を適用する。

  • $30+ x4
  • $20+ x3
  • $10+ x2
  • $9以下 x1

最も点数の高いプレイヤーの勝ち。同点は資金が多い方の勝ち。

#52 ゴミ収集(仮)

マイナス点カードを引き取って金を貰う逆競り。


プレイ人数:2〜5人

 

コンポーネント

ゴミカード54枚

  • A11枚
  • B11枚
  • C11枚
  • D11枚
  • E5枚
  • F5枚

金カード55枚

  • $0 10枚
  • $1 30枚
  • $2 20枚
  • $3 5枚

 

セットアップ

席順とスタートプレイヤーを決める。ゴミカードと金カードをそれぞれよく切って別の山にする。

 

遊び方

ゲームは最大18回の競りで構成される。各回ごとに3枚のゴミカードがめくられて場に出る。これに金カード1枚をめくって加え、ゴミ山の「引取り報酬」にする。

手番のプレイヤーはそのゴミを引き取るか、価格を吊り上げて次のプレイヤーに順番を回すかを選ぶ。

ゴミを引き取る:

場に出ているゴミカードと金カードを全て取って自分の前に置く。

価格を吊り上げる:

金カードの山から1枚めくって場に加える。出ている金カードの合計が新しい報酬である。次のプレイヤーに順番が回る。

 

引き取り手がいない限り価格は上がり続ける。どこかの時点で誰かがそれを引き取る。これで1回の競りが終わり、引き取った次のプレイヤーから次の競りが始まる。

金カードとゴミカードのどちらかが切れたらゲーム終了。その競りは行わずに直ちに得点計算に入る。

 

得点計算

金カード:$1につき+1点

ゴミカード:以下の式に基づいてマイナス

A:最初の2枚は各0点、それ以降は各-3点

B:各-1点、ただし最も多く集めたプレイヤー(同率首位含む)は各-2点

C:1枚目は-4点、2枚目は-3点、3枚目は-2点、それ以降は各-1点

D:3枚以下であれば各-2点、4枚ちょうどなら0点、5枚以上なら各-3点

E・F:EとFが同数なら0点、異なっていれば各-2点

 

差し引きして最も点数の高いプレイヤーが勝ち。

#51 カニの街(仮)

街を作るドラフトゲーム


プレイ人数:2〜5人

 

コンポーネント:

カード55枚

  • 中央駅5枚
  • テーマパーク(左) 4枚
  • テーマパーク(右) 4枚
  • 商店10枚
  • 公園8枚
  • 旅館8枚
  • 案内所6枚
  • オフィス10枚

 

セットアップ:

各人の前のスペースを街の敷地として取り置く。中央駅カードを1枚ずつ配り中心置く。中央駅以外のカードをよく切って山札にする。

 

遊び方:

2ラウンドに渡ってゲームを行う。ラウンドごとに各プレイヤー5枚のカードを山から引き、1枚を選んで左隣のプレイヤーに残りを渡す。渡されたカードからまた1枚を選んで残りを渡す。最後の1枚は捨てられる。第2ラウンドは右隣へ回す。取ったカードは自分の前の街敷地に配置する。既に配置してあるカードの右か左に繋げる。どの方向へどれだけ伸ばせるかに制限は無い。

 

終了:

2ラウンドを終えた時点で各プレイヤーの街敷地には9枚(1+4+4)のカードが配置されている。これに基づいて得点を集計し最も高いプレイヤーの勝ち。

中央駅:9枚の中心になっていれば5点。

テーマパーク:左右が正しく連結されていれば1組で7点。バラは1点。

商店:ゲーム中に存在する最も長い商店街(一続きの商店)は1枚3点。それ以外は1点。

公園:中央駅の右側と左側に等しい枚数配置されていれば1枚2点。それ以外は1点。

旅館:左右2マス以内にあるカードの種類1つにつき1点。テーマパークは左右とも同種と数える。

オフィス:街に3枚あれば1枚3点。4枚以上なら1枚2点。それ以外は1点。

案内所:左右どちらかのプレイヤーの同じ位置にある(中央駅からの方向と距離が等しい)カードをコピーしてよい。案内所はコピー不可。旅館の計算ではコピー先として扱われる。何もコピーできない場合は無として扱われる。

 

タイブレーク:

同点の場合は通し番号の若いカードを持っている方が優先。

#50 珠集め(仮)

5色の珠を集めて勝利珠に変換する


プレイ人数:2〜5人

 

コンポーネント

  • ABCDEの珠各12個
  • 勝利点珠21個(3〜9点各1個、10点14個)
  • 珠を置く皿8枚
  • 取れる場所マーカー1個
  • 手持ち球置き場人数分

 

セットアップ

全ての珠をバッグに入れて混ぜる。8枚の皿を円形に並べる。皿の上に順に4・3・2・4・3・2・3・1個の球を置く。各プレイヤーに球置き場を配る。

 

遊び方

時計回りに手番を行う。手番でできることは

  1. 場から球を取る
  2. 手持ちの球を変換する

のどちらか。

場から球を取る

最初のプレイヤーは8枚の皿のどれでも選んでよい。選んだ皿にある球を全て取って自分の置き場に移す。同数の球をバッグから皿に補充する。場所マーカーを選んだ皿の上に置く。これ以後は場所マーカーのある地点から時計回りに1〜3個先のみ選べる。各プレイヤーが持てる球は10個まで。溢れてしまった場合は全てバッグに返す。

手持ちの球を変換する

1手番で以下の変換を何度でも行ってよい:

  • AAA->B+勝利球
  • BBB->C+勝利球
  • CCC->D+勝利球
  • DDD->E+勝利球
  • EEE->A+勝利球
  • そのうちもっと追加するかも

勝利球は残っているうちで点数の低い方から順に取る。勝利球はプレイヤーの球置き場を圧迫する(保有上限が減る)。誰かの勝利球が5個以上になったらゲーム終了。勝利点の最も高いプレイヤーの勝ち。

翻訳記事:「ナショナルエコノミー・メセナ」–菜園の孫悟空

これは翻訳記事です

2017/11/22 Cheng Lap

 

以前紹介したマクロ経済ゲーム「ナショナルエコノミー」の拡張版が出た。ただし厳密に言えば拡張というより続編であり、元のゲームが無くても単独で遊べる。基本的なシステムはナショナルエコノミーと同じだが使うカードが全て入れ替わっており、遊び方に色々変化が加わっている。混ぜたければ無印のカードと混ぜてもよい。

無論それだけではなくシステムにも色々追加要素が乗っている。

まず、「勝利点」の概念が加わった。何か公益に関する行動をする度に光の環みたいなトークンが1個貰える。これには2つの効果がある。まず行動による追加得点であり、次に特定の建物のコストを下げる。実のところ勝利点を手に入れる方法の1つは菜園に行って苗を植える事であり、1回植えるごとに1個光の環が貰える。これで大体どんな代物か察して貰えたと思う。

次に「割引」の概念である。無印版ではあらゆる建物のコストは鉄の定価であり下げる方法は全く無かった。一方拡張版では特定の条件を満たすことで安く建物を作れる。例えば食品工場は農地を持っていればコストが下がる。工業団地は工業系を持っていればいるほど安くなる。

そして第三に「ミッション」の概念だが、これは実のところ建物の機能である。無印ナショナルエコノミーには持っている物に応じて得点を増やす建物が色々あり、例えば鉄道は工業系1つにつき8点追加だった。一方拡張の得点系建物は「これこれの条件を満たせば追加何点」という具合である。例えば鉄道駅は建物6つ以上所有、輸出港は工業2つが条件だ。

非常に変わっているのが墓地である。ゲーム終了時に手札が1枚も無ければ追加で8点貰える。果たしてこれは人は何も持たずに生まれ、死ぬときも何も持って行けない事を表現しているのだろうか?

これ以外にもゲーム全体の資産価格水準が上がっており、建物を売った時に得られる金が増えている。おかげでゲーム中の貨幣流通量が増え、金を稼ぎやすくなり、人を養うのも容易になり、自分を売って糊口を凌ぐという事態にもなりにくい。以前は人が多いとすぐ物乞いに追い込まれたが、今回は気楽に人を増やせる様になった。これも大きな変化だ。

こういった改変の中で最も象徴的なのが「大聖堂」だ。バックストーリーは特に書かれていないが「大聖」という名称から察するに斉天大聖孫悟空の廟か何かだろう。大聖様はゲーム中で最も高価な建物であり、何とコストがカード10枚である。その分得点も最高だ。そして光の環を5つ集めるとコストが6枚に下がる。明らかに光の環を集めさせるために存在している代物である。

先に挙げた菜園の村は無印版の農場とほぼ同じでどちらもバナナを2枚引く。ただし菜園の方は光の環も付いてくる。他に「研究所」は建物カードを2枚引いて光の環が1つおまけ。「宮大工」は建物を作った時に光の環が貰える。環は大体こんな感じだ。

これ以外にもなかなか変わった挙動をするものが2つある。1つは「醸造所」で、機能はバナナを4枚引く。ただしすぐ貰えるのでなく次のラウンドの開始時に入って来る。ラウンド終了時に手札上限がある事を考えれば使い道は自ずと知れるだろう。これとシナジーを生ずるのが「観光牧場」で、果たして筆者が読み間違っているのかどうか、ともかく説明の日本語を読む限りでは手札のバナナ1枚につき4ドルが貰え、しかもそのバナナは無くならずそのまま持っていられる。つまり「バナナを見せるだけで金が貰える」のだ。この理解が正しければとんでもない強カードである。醸造所と組み合わせればもはや独走だろう。

(訳注:元記事の著者は説明文を正しく理解している)

大体こんな具合だ。拡張版と元の版とを混ぜて遊べばさらに楽しいが、一部のカードは下位互換になってしまう。例えば「食品工場」は「工場」より明らかに強い。なので何を混ぜるか選んだ方がいいだろう。ほんの少しのカードだけを加えて隠し味にするのもよい。当然それには両方のセットを持っていないといけないのだが、どの道拡張版だけを買って無印を持っていない人はそうそう居るまい。

これを読み終わったら興味のある人は早速買いに行こう。……いやその前に日本行きの飛行機チケットを買った方がいいのか?

 

原文はこちら:http://www.cup.com.hk/2017/11/22/chenglap-national-economy-mecenat-boardgame/