#48 塔(仮)

2〜6人用カード分配ゲーム。昇順か降順に数字を並べる。


 

コンポーネント

  • 数字カード90枚(0〜9各9枚)
  • バスケットマーカー6枚
  • 5点マーカー1枚

 

ゲームの準備

  • 数字カードをよく切って山にする。
  • 席順と最初のプレイヤーを公平な方法で決める。
  • 人数分のバスケットマーカーを卓上に並べる。

 

ゲームの流れ

  • ゲームは5ラウンドに渡って行われる。
  • 山からカードがめくられ、ラウンドごとに各プレイヤーは1〜3枚手に入れる。
  • 手に入れたカードは持ち主の前に「塔」として並べる。
    • それぞれの塔は数字が昇順か降順でなくてはいけない。
    • 塔は1人3つまで。
    • 並べられないカードは失点になる。
  • 最後に塔の高さに応じて得点を集計し、最も多いプレイヤーの勝ち。

 

ラウンドの流れ

  • 時計回りに手番を行う。
  • 手番が来たら次のどちらかを行う:
    • 山からカードを1枚めくりいずれかのバスケットマーカーに載せる。
      • 1つのバスケットには3枚まで。
    • バスケット1つをその上にあるカードと共に取る。
  • バスケットを取ったらそのラウンドはもう参加できず順番を飛ばされる。
  • バスケットを取ったプレイヤーはカードを自分の塔に並べる(後述)。
  • 全員が1つずつバスケットを取ったらラウンド終了。バスケットマーカーを場に返して次のラウンドへ。

 

カードの並べ方

  • 各プレイヤーは「塔」3つと「ゴミ捨場」1つをカード置き場として持っている。
  • 取ったカードはその場でいずれかに並べなくてはいけない。
    • 順番は自由。1と4を取ったら1と4のどちらを先に置いても構わない。
  • 「塔」は昇順または降順に数字が並ぶ。
    • 2枚目のカードを置いた時点で順番が決まる。例えば1の後に3を置いたら以後は4以上の数字を置かなくてはいけない。
    • 後から間に数字を挟むことはできない。上の例ではもう2は置けない。
  • 「ゴミ捨場」は塔に置けない/置きたくないカードを押し込む場所である。
    • 最後に失点になる。
    • 置ける枚数や数字に制限はない。
  • 最初にいずれか1つの塔に5枚目のカードを置いたプレイヤーは+5点を獲得する。

 

得点集計

  • それぞれの塔は0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10枚で0/1/3/6/10/15/21/28/36/45/55点。
  • ゴミ捨場は同じだけのマイナス点。

 

 

( ・3・)<ひとつ問題があるとすればケルトとコロレットだってことだ

#47 翡翠キャラバン(仮)

財宝を分配する2〜4人用競りゲーム。


 

コンポーネント

  • 財宝カード56枚
    • 金カード8枚(1〜8)
    • 贋金カード6枚(2〜7)
    • 香辛料カード14枚(1×4, 2×4, 3×3, 4×3)
    • 翡翠カード12枚
    • 書物カード16枚(ABCDE各3枚・ワイルド1枚)

 

ゲームの準備

  • 財宝カードをよく切って山にする。
  • 席順と最初のプレイヤーを公平な方法で決める。

 

ゲームの流れ

  • ゲームは7ラウンドに渡って行われる。
  • ラウンドごとに山から8枚のカードをめくりプレイヤー同士で分配する。
  • 最後に集めたカードの価値を集計し最も多いプレイヤーの勝ち。

 

ラウンドの流れ

  • 山から8枚めくり卓上に並べる。
  • 最初のプレイヤーから時計回りに「そこから何枚取るか」を申告する。
    • 必ず前のプレイヤーより少ない枚数を申告するかパスする。
      • ハードパス。一度パスしたらその競りからは脱落する。
    • 他全員がパスしたら、最後に申告したプレイヤーはその枚数だけ好きな様に選んでカードを取る。
  • カードを取ったプレイヤーはそのラウンドはもう参加できない。
  • 残りのプレイヤーのうちで、直前にカードを取ったプレイヤーの左隣から始めて同じ様にカードを取る。
  • 1人を除いて全員が取ったら最後のプレイヤーは残っているカードを全て取る。そのプレイヤーは次のラウンドの最初のプレイヤーになる。

 

申告の仕方

  • 1枚以上、場に残っている枚数以下の数を申告する。
  • 2ラウンド目以降は「X枚取って1枚返す」申告ができる。
    • 卓上のカードを取った後、その前から持っていたカードのうち1枚を選んで場に返す。
    • 返されたカードはそのラウンド中に他のプレイヤーに分配される。
    • 「贋金」カードは返せない(後述)。
    • 1枚返す申告は0.5少ない数として扱われる。3枚>3枚で1枚返す>2
  • 最小の申告は「1枚取って1枚返す」。その時点で他のプレイヤーはパスしかできない。

 

得点計算

  • 金:数字がそのまま得点
  • 贋金:数字がそのまま得点 ただし贋金の合計が金の合計を超えてしまったプレイヤーは贋金が全て0点になる
  • 翡翠:集めた枚数1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12で1/3/6/10/15/21/28/36/45/55/66/78点
  • 香辛料:集めた数字の合計を比べる
    • 1位:24点
    • 2位:12点
    • 3位:6点
    • 同点の場合はその次の順位との合計を分け合う(例えば1位が2人いれば36点を分けて18点ずつ)
  • 書物:ABCDEのセット1組で20点 1つ欠けのセットは10点 2つ欠けセットは5点 セットにならないバラのカードは1枚1点

 

( ・3・)これもテーマ決まってないの

#46 ケーキの切り分け(仮)

2〜5人用ケーキ分配ゲーム。同じ色のカードを集めて出荷する。


コンポーネント

  • ケーキカード55枚
    • 黄:12枚
    • 赤:12枚
    • 青:12枚
    • 緑:12枚
    • ワイルド:2枚
    • +2点:5枚
  • 包丁マーカー1枚
  • 得点マーカー適量
  • ラウンドマーカー

 

ゲームの準備

  • 席順と最初に包丁マーカーを持つプレイヤーを公平な方法で決める。
  • ケーキカードをよく切って山にする。
  • 全員に1枚ずつケーキカードを伏せ札として配る(持ち主は確認してよい)。

 

ゲームの流れ

  • ゲームは7ラウンドに渡って行われる。
  • ラウンドごとに人数に応じた枚数のケーキカードを山からめくり、プレイヤー同士で分配する。
  • 第3/第5/第7ラウンドの終わりに、集めたカードを出荷して得点にする。
    • 出荷するためには同じ色のカードを決まった枚数集めなくてはいけない。
    • 出荷できずに余ってしまったカードはマイナス点になる。
  • 最後に最も得点の多いプレイヤーの勝ち。

 

ラウンドの流れ

  • 山からプレイ人数に応じた枚数のカードをめくる。2/3/4/5人で5/7/9/11枚。
    • 山が足りなければ捨て札(出荷済みカード)を切り直す。
  • 包丁マーカーを持つプレイヤーはそこから1〜3枚を自由に選び、時計回りに次のプレイヤーに渡す。
    • 渡されたプレイヤーはそれを自分のカードとして取るか次のプレイヤーに渡す。
    • 以後のプレイヤーも同様にして、誰かが取るまでカードを回す。
    • 誰も取らずに包丁マーカーを持つプレイヤーまで戻って来たらそれを取らなくてはいけない。
  • カードを取ったプレイヤーはそのラウンドはもう参加できない。
  • まだカードを取っていないプレイヤーのうち、最も順番が近いプレイヤーに包丁マーカーを移し、同様に分配を続ける。
  • 1人を除いて全員がカードを取ったら、最後に残ったプレイヤーが残っているカードを全て取る。そのプレイヤーが次のラウンドで最初に包丁マーカーを持つ。

出荷の流れ

  • 第3/第5/第7ラウンドの終わりに各プレイヤーは出荷を行い得点を手に入れる。
    • まず伏せ札を表にして集めたカードに加える。
    • 次にワイルドカードを持つプレイヤーは1枚ごとにそれを黄/赤/青/緑のどれにするか宣言する。
    • プレイヤーごとに各色何枚あるか集計し、必要枚数に達していれば出荷して得点する。
      • 黄:2枚で3点
      • 赤:3枚で6点
      • 青:4枚で12点
      • 緑:5枚で18点
      • +2点:1枚で2点
    • 必要枚数(またはその倍数)を超える分は余りになり出荷できない。例えば黄カードが5枚あったら2組出荷で1枚余り。
    • 出荷したカードは捨て札にする。
  • 出荷を終えたら、プレイヤーごとに「最も多く余っている色」を見る。その枚数に応じて得点か失点が課される。
    • 例えば黄色1枚・青3枚・緑2枚が余っていたら青の3枚。
    • 0/1/2/3/4枚で+3/+1/0/-3/-6点。
  • 出荷できなかったカードはそのまま手元に残り次へ持ち越す。
    • ただしワイルドカードは出荷できなくとも捨て札にする。
  • 第3/第5ラウンドであれば各プレイヤーに新たに伏せ札を1枚ずつ配る。

 

決着

  • 第7ラウンドの出荷を終えた後、最も得点の多いプレイヤーの勝ち。
  • 同点の場合は包丁マーカーに近い方が優先される。

 

( ・3・)<実はまだテーマ決まってません。

ナショナルエコノミー・メセナ カードデザインノート(3)

新カードが作られた経緯など(その3)


プレハブ工務店

コスト3 評価額12 評価額10以下の建物を1つ無料で作る

全ての物の意味は他の物との関係によって規定される。そして全ての物は他の物の在り方に影響する。何が言いたいかというと、この種の「無料で作る」タイプの建物は環境中に存在できる他のカードをだいぶ左右するのだ。

例えば無印では農業系を無料で作る「開拓民」が存在したため最大の農地はコスト3であった。今回はプレハブ工務店のために評価額10と12がある意味で不連続になっており、バランス上の要請から数値が調整されている。この工務店自身、グレイグーになるのを防ぐために評価額が10より高いのである。

 

食品工場

コスト2 評価額12 農業系を所有していれば建設コスト-1 手札を2枚捨て4枚引く

メセナの基本方針のひとつはカードパワー分布をある程度圧縮し、弱い方のカードにも活用の機会を与える事であった。そこで農地へのテコ入れ政策としてシンボルを参照して建設コストが変わる工場を導入した。

プレハブで建設できると変動コストが台無しになるため評価額12である。またギミックが重複して煩雑になったりバランスが不安定になるのを防ぐため、建設会社系の「安く建てる」機能は今回のセットには入っていない。

 

旧市街

コスト2 評価額10 売却不可

それだけでは全く意味をなさず、他の物に参照されて初めて活躍する「ほぞ」。1枚で3つのシンボルが付いているのでお得だ。

シナジーが多いメセナならではのカードである。プレイヤーの工夫と段取りで強さが大きく変化する。上手い使い方を見つけて欲しい。

ナショナルエコノミー・メセナ カードデザインノート(2)

新カードが作られた経緯など(その2)


 

鉄道駅

コスト3 評価額18 終了時建物6つ以上所有で+18点 売却不可

無印の大量得点源だった不動産屋を再構築したもの。建物を作れば作っただけ線型に点が伸びるよりは、ある閾値に達すると大幅に挙動が変わる方が興味深い戦略上の選択を生み出しやすい。

「この条件を満たせ」というミッション方式の建物は他にもいくつか導入している。プレイヤーはある程度の計画性と、どこから勝利点を得るかの選択が求められる。

 

地球建設

コスト4 評価額16 建物を2つ同時に作る 手札が空になったらカードを3枚引く

建物を作るのは楽しい。2個作るのはもっと楽しい。作って手札を空にするのはさらに楽しく、空になった手札で化学工場に行きカードを大量に引くのはそれをも上回るほど楽しい。というわけで全部を1枚のカードに集約した。

建設コストは2つ分支払わなくてはならんのでこれでも二胡市よりはマイルドである。また起動には最低4枚(2枚の建物+それぞれのコストで2枚)の手札が必要なので単独で永久機関にはならない。

 

大聖堂

コスト10 評価額50 勝利点トークン5枚以上で建設コスト-4 売却不可

コンセプトは「バカが考えたカード」である。でかい数字を適当にねじ込んだだけに見えていればデザインは成功したと言える。パッケージにも登場する今作の顔だ。

これの存在意義は勝利点トークンに複数の意味を持たせる事だ。トークンはただ点になるだけでなく聖堂ルートを開く鍵でもある。ゲーム内の各要素が他の複数の要素と接続されている「多脚」構造はルールの単純さと展開の複雑さを両立する決め手になる。

 

( ・3・)<いちおうね

ナショナルエコノミー・メセナ カードデザインノート

新カードが作られた経緯など


ナショナルエコノミー・メセナでは全ての建物カードを新しいものに取り替えた。ここ1年ほどのデザイン哲学の発展と絡めて「なぜその形になっているか」を書き留めておこう。

 

醸造所

コスト4 評価額18 消費財を4枚取り置き次ラウンド開始時に手札に加える

新ブロックをデザインする際に最初に手をつけたのは無用な要素を減らすことだ。拡張や続編でもゲームとしての複雑さは増加するべきではない。1つ新しいルールを入れたら古いルールを1つ減らす。そこで使用頻度が低かった「倉庫」と「社宅」を退場させ、持っているだけで機能するパッシブ効果をゲームから排除した。

そして代わりに言わば能動的な倉庫として次のラウンドにカードを引いてくる建物を作った。手札に入るのは枚数上限チェックの後なので9枚でラウンドを始められるわけだ。

 

観光牧場

コスト3 評価額14 手札にある消費財1枚につき$4を家計から得る

これも比較的初期段階から案出していたカードで、農協を強力な集金マシンに生まれ変わらせたものだ。無印の問題点のひとつはゲーム後半に使える強力な家計系建物が無く、建設関連が充実すると家計の金がしばしば無視された事である。「非常に強力だが家計が潤沢でないと起動できない」代物を導入することで、他のプレイヤーが家計を放置している場合の強力な選択肢にした。

 

宝くじ

コスト2 評価額10 家計から$20を得て$10返す

これも同様の意味で存在している。正味の効果は$10引っ張って来るという事だが、家計に$20以上存在していないと起動できない。つまり家計が潤沢にあればあるほど大量の金を効率良く引っ張り出せるというわけで、ゲーム内市場である程度自動的に価格調整が行われる仕組みである。

完全にメカニクス先行でデザインしたカードだがたまたま丁度いい名前を与える事ができた。

なお「家計」という語は「家計金融資産」に見られる様な「集合的な家産」の意味で用いている。

 

( ・3・)とりあえずこんなもんで

ナショナルエコノミー・メセナ

ナショナルエコノミーの続編。ルール・発売日・新要素など。


 

どういう代物なの?

  • ボードゲーム「ナショナルエコノミー」の続編
  • 拡張パックではなく単独で遊べる
  • 建物カードが全て新しい物に置き換わっている

 

何が新しいの?

  • 集めて勝利点を得る「勝利点トークン」
  • 既に持っている建物で建設コストが変わる「変動コスト」
  • 手札に消費財があると効果が高まる「養殖場」「観光牧場」
  • あとなんかやたら点が入る聖堂

 

どこで買えるの?

ナショナルエコノミー・メセナ ルールPDF