ソルヴァーズ FAQ

ソルヴァーズのルールに関してよくある質問。


Q.ガヴァメントイシューは支給済みの武器に影響するか?

A.しない。スキル取得後に武器を支給しても支出が増えないだけで、既に支給した武器の支出に影響は無い。どんな場合でも一度増えた支出が減る事は無い。

 

Q.アクティブスキルは1ミッションに1回しか使えないのか?

A.然り。1つのスキルは1ミッションで1回のみ。

 

Q.セントリーガンを使うのにダイスは必要か?

A.必要ない。ダイスもスタミナも使わずに手持ちの武器を1つ使って達成点を得るアクティブスキルである。その武器は同じミッション中にはもう使えない。

 

Q.APCは全ての武器アプローチに適用されるのか?

A.される。これはパッシブスキルの様に振る舞う。全ての武器アプローチで自動的に発動し、割り当てたダイスの目だけ達成点を生み出す。

 

Q.マークスマンは全ての武器アプローチに適用されるのか?

A.される。例えば武器-aと武器-bを使うとそれぞれの消費スタミナが-1。柔術も同様。

 

Q.悪名が名声と同じ値に達したらゲームオーバーか?

A.否。同値はセーフ。超えたらアウト。ヒーローには最低でも1の社交性があるのでミッション1でゲームオーバーになる事は(意図的に自殺しない限り)あり得ない。

 

Q.素早さとダイスはどう対応するのか?

A.ヒーローの初期状態ではミッションで振れるダイスが2個。素早さが7/14/21になると3/4/5個に増える。素早さ28では5個振った後に1個を好きな目に変えてよい。兵士が最初から4個振れるのはスキル「スプリント」の効果である。

 

Q.謀略アプローチはどう振る舞うのか?

A.そこに割り当てたダイスの目だけ悪名が上がり、合計達成点が2倍になる。例えば格闘で+5と+4を得て謀略を使えば(5+4)×2=18点となる。

 

Q.装備品を支給できるタイミングはいつか?

A.施設によって2種類ある。「武器庫」「技研」「格納庫」は内政中の任意のタイミングで支出増と引き換えに装備品を支給できる。「車庫」と「ヘリポート」は建設した瞬間に無料で支給する。

 

Q.達成点を2倍にするスキルとアプローチは相互にどう振る舞うのか?

A.2倍の2倍は4倍である。例えば謀略とミュータントヒーローズを同時に使うと合計達成点が4倍になる。超反応と謀略を同時に使った場合は、まず格闘アプローチの達成点を2倍にし、全てを合計してから更に2倍にする。例えば超反応格闘5・アサルトライフル・謀略を使うと{(5×2)+6}×2=32点。

 

Q.スプリントを持っているとダイスが4個に固定されるのか?

A.否。素早さが21あればダイス5個になる。あくまで最低値の保障である。

 

Q.一時的に支出が名声を上回ってもよいのか?

A.不可。一瞬でも上回る事はできない。「金が無いが先に増築して、同じ内政中にカフェを建てて名声を稼ぐ」といった辻褄の合わせ方は不可能である。

 

Q.ミッション10A終了時に悪名が名声を上回っていたら敗北か?

A.否。そのまま続行する。10Aは「サブミッション」であり「ミッション」ではない。判定はミッション10全体の終了時に行われる。

 

Q.部屋と部屋はどう接するのか?

A.上下左右および「辺の半分が接している」と隣接扱いになる。例えば202号室は301と302の両方に接している。

 

Q.違法建築にデメリットは無いのか?

A.とくにないです。

 

Q.敗北の判定はいつ行われるのか?

A.各ミッションの終了時。ミッション結果によって名声・悪名が増加した所で判定する。例えば悪名が名声ギリギリの状態で謀略アプローチを使っても、ミッション成功の名声増加で埋め合わせればセーフ。

 

Q.ソルヴァーズのプレイ動画を作ってもいい?

A.どうぞ。

 

Q.建て増しは下の階が埋まっていなくてもできるのか?

A.できる。102が空き部屋でもさっさと2Fを建て増して201や202に施設を入れて構わない。建て増しは「$2払って新しい階層の部屋を全てアンロックする」というものである。

 

Q.兵舎を建てて技術者を雇い、違法建築を取ってすぐに使ってもよいのか?

A.もちろんOK。

 

Q.ミッション10A、10B、10Cの出撃ヒーローはいつ決めるのか?

A.それぞれのサブミッション開始時。Aの結果を見てからBに投入するヒーローを決めてよい。

 

Q.サイドキックから借りる物をダイスを振った後で選べるか?

A.不可能。誰をサイドキックにして何を借りるか決めた後でダイスを振る。

 

Q.ミッション1の前に内政ができるか?

A.できない。最初に生成した素手のヒーローで頑張ろう。

 

ここに無い質問は@verdamilにどうぞ。

ソルヴァーズ購入方法

1人用TRPGソルヴァーズに関する問い合わせが多いので購入方法まとめ。


まずソルヴァーズ(月刊スパ帝国)には実物電子版が存在する。内容は完全に同一。それぞれに複数の購入方法がある:

実物

電子版(PDF)

なおTwitterの#ソルヴァーズタグでは実況やリプレイが発表されている。

不等価交換の話

月刊スパ帝国Vol.22用に書いたが紙幅の都合でカットされたコラム


不等価交換の話(またはソルヴァーズ開発後記)

今回のゲーム「ソルヴァーズ」は実質的に2つ作った。1つは今号の現存するソルヴァーズ。もう1つは3月に作った、いわば「プロトソルヴァーズ」とでも呼ぶべきゲームである。プレイヤーがヒーロー会社を運営して事件を解決するという点は同じだが、システムは非常に異なる。ヒーローの素早さに応じてダイスを振ったら、その中から好きな目を選んで結果表を参照する。例えば「6」なら大成功で「1」なら大失敗、ただし悪名が上がる代わりに経験は多く得られる場合もあるといった具合である。

結果に応じてヒーローは入院する。大爆発を起こせば16週とか、銃撃をすれば8週とか。ただし体力が多ければ休業週数は減る。次のミッションまでに決まった週が経過し、それまでに復帰していなければ出撃できないという仕組みであった。

実際のところ、このプロトソルヴァーズはほぼ完成していた。そして面白くないので破棄して全部最初から作り直した。つまり今回は実質的に2つのゲームを作っているのである。さてここで問題だ:「ソルヴァーズ」の制作にかかった時間に、プロトソルヴァーズの作業時間は含まれるのだろうか?

プロトソルヴァーズはシステムだけでなくストーリーも大いに異なっていた。例えば市長には助役がいて、こいつが麻薬組織と裏で繋がっており、謀略によってソルヴァーズを警官で包囲させるのだが我らがヒーローはヘリで脱出して市議会に行き演説をする。また敵対組織の「ブリンガーズ」という設定もあり、市内のあらゆる場所の地上と地下を探すが見つからない。実はソルヴァーズ本社の真下にアジトがあった……というオチである。

こいつらは一体どこへ行った? プロトソルヴァーズを作る労力は完全に無に帰したのだろうか? 労力を練金して無に変換したとすれば我が時間と無とは等価なのか? この疑問に答えるにはマルクス経済学の助けを借りねばならん。

そもそも労働とは人間が自然に手を加えて有用な物を作り出す過程である。ゲームだって頭の中だけで出来上がるのではない。特定の数学的ルールの組み合わせがある種の人間の神経系に面白い作用をする事を実験によって「発見」しているのだ。科学者がモルモットに薬物を与える如く、ゲーム開発者はテストプレイヤーに開発中のゲームを与えて経過を見る。何が面白いかは人間の神経系の構造によって決まっているわけで、別に「これが面白い」と作者が決めるわけではない。

労働を通じて、人間は自分が食べる以上の物を作り出す事ができる。例えば月15万円もあれば暮らせる人間が月に80万円分の仕事をしたりできる。人間が労働によって作り出す物は、その人間を生かして次代の労働者も養うのに必要なコストより(基本的に)多い。だからこそ余剰生産物が生まれ、使用者に利潤を与える事ができる。

人間と人間が取引する場合には等価交換が原則である。1000円の商品は1000円と交換されるし、1000円分の労働は1000円と交換される。しかし人間と自然のやり取りでは違う。労働は投じたエネルギー以上の物を生み出すし、我々は太陽に光熱費を払ってはいない。また逆に地震や竜巻で成果物を奪われても自然から補償される事も無い。自然はそもそも等価交換をしないのである。

極端な例で言えば、ここに1人の原始人がいるとしよう。彼は斧を作りたいと思って河原へ行き、大きめの石を削って刃の部分を作り始めた。試行錯誤の末5時間かけてどうにか斧らしき形を作り上げた。そこでふと傍らを見ると、それよりもっと斧に適していそうな形の石が転がっていた。彼は2秒でそれを拾い上げた。

人間の等価交換原則で言えば5時間かけて削った石には5時間の価値があり、2秒で拾った石には2秒の価値しか無い。しかし自然の方は人間の労力に一切関心が無いので2秒で拾った石の方が使いやすかったりする。こういう事は本当によくある。2ヶ月かけて作ったゲームより5分で思いついた小品の方が実際に評価が高かった。泣くぞ。

ともかく結論から言えば、「労働時間は何と交換されたのか」という設問そのものが間違っている。労働は神に時間を捧げて引き換えに欲しい物を下賜される過程ではない。賃労働は時間と金を交換するからあたかもそれが標準の様に思えるが、労働が有益な物を生むのは自然との接地面においてである。自然は不等価交換を許容する。西へ10キロ歩いて東へ10キロ歩いたら元の地点に戻る。労働はとても簡単に虚空へ消え去るし、逆に殆ど何もない所から有益な物が生まれる事もある。

今回の私を原始人に例えると、まず河原へ行って5時間かけて斧を作り、気に入らないので川にぶん投げてまた5時間かけて別の斧を作った格好である。「最初の5時間は何と交換されたのか」という設問に意味は無いし、後の斧を作るのに総計10時間かかったという計算も大して意味を成さぬ。「失敗も経験だ」というのは無理矢理等価交換を成立させる為の慰めに過ぎん。

等価交換に囚われると人間は間違った判断をする。5時間かけて作った物だからと出来の悪い斧を使っていたら生活に支障が出る。プロトソルヴァーズをそのまま掲載していたらこの本はかなり退屈な号になっていた可能性が高い。また出来の悪い物を修理して完成に持って行こうとすると最初から作り直す場合の3倍ぐらい時間がかかる。過去の手間を正当化すると高く付くのだ。

「無駄な仕事をしてみっともない」という考えは人間相互の問題である。自然との接地面においては全く意味が無い。最初の手間を正当化する為に修復作業をしても報奨はされないし、失敗だったと開き直っても責められる事は無い。他の人間に対して説明が付く様に仕事を進めると無駄に難しくなる。口うるさいかみさんが居て「何であんた1ヶ月も無駄にしたの」「最初からテストしといたら良かったんじゃないの」と一々文句を付けて来たら何もできまい。頭の中にいる誰か、あるいは自分自身に対して説明責任を果たそうとするのは良くない癖である。

月刊スパ帝国Vol.22(ソルヴァーズ)

ソルヴァーズ(月刊スパ帝国Vol.22)の紹介と基地シート印刷用データ


基本マップ:

基地シート印刷用データ(PDF)
基地シート表計算データ(EXcel・Open Office)

上級難度マップ:

ナイトメア基地シート(PDF)
インフェルノ基地シート(PDF)

変わり種マップ:

梅田スカイ基地シート(PDF)
ダイアモンド基地シート(PDF)
マッシュルーム基地シート(PDF)
地下基地シート(PDF)
鉱山基地シート(PDF)

ソルヴァーズwiki

solv_cover

  • 64ページ冊子
    •  1人用TRPG「ソルヴァーズ」
    • コラム「片付けの話」
    • コラム「続・作文の話」
    • コラム「無意識を掘り起こす話」

 

冒頭記事:ソルヴァーズへようこそ

1人用TRPG「ソルヴァーズ」をお買い上げ頂きありがとう。本作は未来の東京でヒーロー会社を経営し、様々な街の事件を解決するゲームである。使う物は紙と鉛筆とダイス、そして創造的な問題解決能力だ!

 

ストーリー

ゲームの舞台は2059年、現在の東京都足立区にある自治体「ドゥームズデイ市」である。ここはちょうどアメリカのゲーテッドコミュニティの様な町で、自前の警察を持ち、市の全業務が民間委託されている。取り仕切るのは民間行政請負会社「ガヴァナーズ」。警察も消防も役所の人々も、みなこの会社の職員だ。

ただしガヴァナーズだけでは凶悪事件に対処できないので、民間ヒーロー会社と契約を結んで助けを借りている。ヒーロー会社は元傭兵や元警察官などで構成される実質的な民間軍事企業だ。彼らは届け出をすれば武器を携帯できるし、事件解決の為に少々周りを巻き込んでも罪に問われる事は無い。もちろんやり過ぎは禁物だが。

あなたは新興ヒーロー会社「ソルヴァーズ」の社長だ。ヒーローを雇い、本社基地を拡充し、武器を買い込み、そしてガヴァナーズからの依頼を受けて出動する。任務に成功すれば名声が高まり、失敗したり民間人を巻き込むと悪名が上がる。悪名が名声を上回るとゲームオーバーだ! そうならずに最後のミッションを突破すればゲームクリアである。

 

ヒーローとは何か

このゲームに登場する「ヒーロー」は神秘的な力やオーバーテクノロジーの産物ではなく、訓練を受けた生身の人間だ。彼らは元々警察官だったり、技術者だったり、あるいはビジネスの世界にいた人間だったりと様々なキャリアを持つ。そしてその経験を生かして問題解決のエキスパート「ヒーロー」に転業して来るのだ。

ヒーローは前職ごとに異なるスキルを覚える。前職は全部で6種類。彼らの得手不得手をいかに組み合わせるかが司令の腕の見せ所だ!

 

兵士

民間軍事企業などから転業して来た火器のエキスパート。全クラスの中で最も優れた身体能力を持ち、レベル1の時点で4回行動できる(通常は2回)。更にレベルが上がれば武器を無料で支給できるなど火力重視の戦い方が得意だ。

 

警察官

兵士とは対照的に「スマートな」解決を目指す捜査のエキスパート。近接格闘能力に優れ、素早さが上がるほど威力を発揮する。高レベルでは盗聴などの絡め手で込み入った任務を大成功に導ける。

 

ロボット

人型ではなく車両型のロボット。最初は台車に銃座を付けただけのポンコツに見えるかも知れないが、その真価は高レベルになって強化外骨格を纏った時に発揮される。能力値やダイス目に一切関係なく+16点が得られるのだ。

 

ビジネスパーソン

力でなく機転と口先で戦うヒーロー。武器や格闘の強化は無いが、交渉アプローチでは無類の強さを発揮する。能力値を高めると最終的にあらゆる交渉を100%成功させる様になる。

 

技術者

建設技術のエキスパート。法律を都合よく解釈して基地を無理矢理広げたり、非伝統的な工法で建設費を圧縮したりとやりたい放題。戦いの中でもその才能は遺憾なく発揮され、落とし穴を掘らせたら右に出る者はない。

 

科学者

実験のスペシャリスト。ソルヴァーズの研究を大幅に加速できる。他ヒーローを強化する裏方としての活躍の他、適切な武器を支給すればある程度の戦闘力を持つ。最終スキル「ミュータントヒーローズ」は恐ろしく強力だ。

 

本社ビル=基地

ソルヴァーズの本社は北千住にある自社ビルだ。これは競売物件を落札した物で、施工主が途中で破産したため1F部分しか完成していない。最初から使えるのは101号室から103号室のスペースのみでそれ以上は建て増しが必要である。

任務と任務の合間には、ヒーローの住む兵舎や武器庫などを本社内のスペースに建設できる。ヒーローはそれぞれ決まった兵舎に住んでいて、その隣や上下の部屋から色々な強化を受けられる。例えば武器庫の隣に住んでいるヒーローには「アサルトライフル」や「RPG」を支給できるのだ。

 

ゲームを始めるには

百戦錬磨のつわものどもを率いる覚悟はできたかな? 実際にゲームを始めるのに必要な物は以下の通りだ:

基地シートは1ゲームにつき1枚消費する。繰り返しプレイするには複数コピーしておこう。また基地シート上の数字はゲーム中に何度も書き換えるが、これは消しゴムで消しても二重線を引いても構わない。それでは次のページからゲームの流れを説明しよう!

 

同一内容の電子版(PDF)も販売中。Gumroadアメロード