ゲーム付きミニ雑誌「月刊スパ帝国」Vol.13の紹介
Vol.13は特集記事「ゲームが強くなる100の知恵」を掲載。付録はトランプゲーム「ラビットラミー」のルール説明書である。
内容:
- 64ページ+表紙のオフセット誌
- トランプゲーム「ラビットラミー」
- 特集記事「ゲームが強くなる100の知恵」
- ゲームレビューコーナー(テラミスティカ・日本の城・Minecraft・ビッグチーズ・電力会社)
- お便りコーナー
- Wizardry縛りプレイ「ぐう凡戦隊冒険記ファイナル」
Civilization 4の外交は専ら技術交換の為にある。当事者の2国が互いに自分の知っている技術を与えるのである。知識というのは与えても減らないものであって、両者とも新しい技術を得て丸儲けである。
AIとの交換はしばしば不公平である。先方から300ビーカーの技術を得るのに、こちらは500ビーカーの技術を供出せねばならぬという事がよく起きる。それでも交換すべきである。確かに交換相手国からは相対的に落伍するが、それ以外の全ての国に対して優勢になるからである。
仮にABCDEの5人が惑星にいたとしよう。AはBCDEのそれぞれと技術交換を行い、500ビーカーの技術を与えて300ビーカーの技術をそれぞれから得た。この場合Aは1200ビーカー進み、BCDEは500ビーカーずつ進む。つまりAは世界に対して700ビーカー優勢になったのである。なおAはマンサである。
#91 訓練その4:感想戦
対戦ゲームは終了後に感想を述べ合うと良い。この手は良かった、あの手はまずいという事を指摘し合う。1人用ゲームであっても終了後に振り返るのは有益だ。人は失敗から多くを学ぶ。まずい判断がどの様にまずかったかを知るのが上達への道である。
ここで重要なのは、失敗にはミステイクとエラーの2種類があるという事だ。ミステイクというのは単純なうっかりで、何かを見落としたとか暗算を間違えたとか、普段の判断基準を適用し忘れたという場合である。エラーとは構造的誤りで、判断基準を正しく適用した結果ゲーム上で不利になったという場合である。感想戦は主にエラーの検出を目的とする。
「あの手が敗北を招いた」と指摘されたら、まずそれが実際に敗因であるかどうかを議論する。それが展開を不利にしたのか、それともそれが無くともどの道負けていたのか。次にそれがミステイクかエラーかを考える。つまり意図せざる操作としてそうなったのかどうかである。ミステイクであれば次から注意する。エラーであれば、どの様な根拠でその判断に至ったかを説明する。
例えばテラミスティカにおいて、「オウレン」という種族は宗教に強い。要塞を建てるとラウンドごとに宗教点を高める事ができる。あるプレイヤーがオウレンで即座に要塞を建て、その結果宗教以外の勝利点が振るわずに負けてしまったとする。この場合、「なぜ要塞をすぐに建てたか」という根拠があるはずだ。1つの可能性はこうだ。彼は全ての種族が同等の強さを持つという仮定から、オウレンも他の種族と同様に強い特殊能力を持っていると考えた。そこで要塞は他より良い投資だと判断したのである。
感想戦においてはその判断の根拠こそが問われなくてはならない。「オウレンの要塞は良い投資である」という判断基準に従った結果敗北を招いたのであれば、その基準は調整が必要である。単純にそれは間違いかも知れない。あるいは良い投資である度合いが小さく、要塞建設のボーナスがあるラウンドに限って他より効率的なのかも知れない。あるいは他の宗教施設を建てた後でなければ効果が小さいのかも知れない。
プレイヤーは全手動AIの飼い主であり、ゲームは協力してそのAIを鍛える過程である。試合は実験であり、感想戦は調整である。「判断基準をどう調整すれば今より強くなるか」という建設的な話し合いは上達に繋がる。