翻訳記事:「ナショナルエコノミー・メセナ」–菜園の孫悟空

これは翻訳記事です

2017/11/22 Cheng Lap

 

以前紹介したマクロ経済ゲーム「ナショナルエコノミー」の拡張版が出た。ただし厳密に言えば拡張というより続編であり、元のゲームが無くても単独で遊べる。基本的なシステムはナショナルエコノミーと同じだが使うカードが全て入れ替わっており、遊び方に色々変化が加わっている。混ぜたければ無印のカードと混ぜてもよい。

無論それだけではなくシステムにも色々追加要素が乗っている。

まず、「勝利点」の概念が加わった。何か公益に関する行動をする度に光の環みたいなトークンが1個貰える。これには2つの効果がある。まず行動による追加得点であり、次に特定の建物のコストを下げる。実のところ勝利点を手に入れる方法の1つは菜園に行って苗を植える事であり、1回植えるごとに1個光の環が貰える。これで大体どんな代物か察して貰えたと思う。

次に「割引」の概念である。無印版ではあらゆる建物のコストは鉄の定価であり下げる方法は全く無かった。一方拡張版では特定の条件を満たすことで安く建物を作れる。例えば食品工場は農地を持っていればコストが下がる。工業団地は工業系を持っていればいるほど安くなる。

そして第三に「ミッション」の概念だが、これは実のところ建物の機能である。無印ナショナルエコノミーには持っている物に応じて得点を増やす建物が色々あり、例えば鉄道は工業系1つにつき8点追加だった。一方拡張の得点系建物は「これこれの条件を満たせば追加何点」という具合である。例えば鉄道駅は建物6つ以上所有、輸出港は工業2つが条件だ。

非常に変わっているのが墓地である。ゲーム終了時に手札が1枚も無ければ追加で8点貰える。果たしてこれは人は何も持たずに生まれ、死ぬときも何も持って行けない事を表現しているのだろうか?

これ以外にもゲーム全体の資産価格水準が上がっており、建物を売った時に得られる金が増えている。おかげでゲーム中の貨幣流通量が増え、金を稼ぎやすくなり、人を養うのも容易になり、自分を売って糊口を凌ぐという事態にもなりにくい。以前は人が多いとすぐ物乞いに追い込まれたが、今回は気楽に人を増やせる様になった。これも大きな変化だ。

こういった改変の中で最も象徴的なのが「大聖堂」だ。バックストーリーは特に書かれていないが「大聖」という名称から察するに斉天大聖孫悟空の廟か何かだろう。大聖様はゲーム中で最も高価な建物であり、何とコストがカード10枚である。その分得点も最高だ。そして光の環を5つ集めるとコストが6枚に下がる。明らかに光の環を集めさせるために存在している代物である。

先に挙げた菜園の村は無印版の農場とほぼ同じでどちらもバナナを2枚引く。ただし菜園の方は光の環も付いてくる。他に「研究所」は建物カードを2枚引いて光の環が1つおまけ。「宮大工」は建物を作った時に光の環が貰える。環は大体こんな感じだ。

これ以外にもなかなか変わった挙動をするものが2つある。1つは「醸造所」で、機能はバナナを4枚引く。ただしすぐ貰えるのでなく次のラウンドの開始時に入って来る。ラウンド終了時に手札上限がある事を考えれば使い道は自ずと知れるだろう。これとシナジーを生ずるのが「観光牧場」で、果たして筆者が読み間違っているのかどうか、ともかく説明の日本語を読む限りでは手札のバナナ1枚につき4ドルが貰え、しかもそのバナナは無くならずそのまま持っていられる。つまり「バナナを見せるだけで金が貰える」のだ。この理解が正しければとんでもない強カードである。醸造所と組み合わせればもはや独走だろう。

(訳注:元記事の著者は説明文を正しく理解している)

大体こんな具合だ。拡張版と元の版とを混ぜて遊べばさらに楽しいが、一部のカードは下位互換になってしまう。例えば「食品工場」は「工場」より明らかに強い。なので何を混ぜるか選んだ方がいいだろう。ほんの少しのカードだけを加えて隠し味にするのもよい。当然それには両方のセットを持っていないといけないのだが、どの道拡張版だけを買って無印を持っていない人はそうそう居るまい。

これを読み終わったら興味のある人は早速買いに行こう。……いやその前に日本行きの飛行機チケットを買った方がいいのか?

 

原文はこちら:http://www.cup.com.hk/2017/11/22/chenglap-national-economy-mecenat-boardgame/

ナショナルエコノミー・メセナ カードデザインノート(5)

新カードが作られた経緯など(その5)


消費財

消費財神経衰弱の遊び方:同じ品目をめくったら取れる

 

消費財おみくじの遊び方:同じ品目が出るまで1枚ずつめくる

2枚:凶

3〜4枚:末吉

5〜6枚:小吉

7〜9枚:中吉

10〜枚:大吉

 

消費財ババ抜きの遊び方:1枚抜いてその品目をババにする

ナショナルエコノミー・メセナ カードデザインノート(4)

新カードが作られた経緯など(その4)


鉄工所

コスト1 評価額8 あなたの労働者が鉱山にいればカードを2枚引く

バランス調整は続編の重要な側面である。バニラにはかなり意図的に強いカードと弱いカードを入れていたのだが、メセナでは強い方の極を多少マイルドにしつつ弱い方の極を底上げしてパワーの分布を狭める事にした。

この「鉄工所」はカードを2枚引けるが先に鉱山に入っていなくては起動できない。つまり正味2人で3枚のドローである。序盤に生産力が不足して手詰まりになった場合の打開策として機能する。

 

養殖場

コスト2 評価額12 消費財を2枚引く 手札に消費財があれば3枚引く

農場と大農園の中間である。条件付き3枚ドローでそれ自身とシナジーを形成する。これが存在する事で建物カードより消費財を1枚残しておきたい局面が生ずる。

今作で非常に気に入っているカードの一つ。カードパワーがちょうどいいのである。終盤になってもそれなりに使われる割に序盤に出てもゲームを壊さない。

ナショナルエコノミー・メセナ カードデザインノート(3)

新カードが作られた経緯など(その3)


プレハブ工務店

コスト3 評価額12 評価額10以下の建物を1つ無料で作る

全ての物の意味は他の物との関係によって規定される。そして全ての物は他の物の在り方に影響する。何が言いたいかというと、この種の「無料で作る」タイプの建物は環境中に存在できる他のカードをだいぶ左右するのだ。

例えば無印では農業系を無料で作る「開拓民」が存在したため最大の農地はコスト3であった。今回はプレハブ工務店のために評価額10と12がある意味で不連続になっており、バランス上の要請から数値が調整されている。この工務店自身、グレイグーになるのを防ぐために評価額が10より高いのである。

 

食品工場

コスト2 評価額12 農業系を所有していれば建設コスト-1 手札を2枚捨て4枚引く

メセナの基本方針のひとつはカードパワー分布をある程度圧縮し、弱い方のカードにも活用の機会を与える事であった。そこで農地へのテコ入れ政策としてシンボルを参照して建設コストが変わる工場を導入した。

プレハブで建設できると変動コストが台無しになるため評価額12である。またギミックが重複して煩雑になったりバランスが不安定になるのを防ぐため、建設会社系の「安く建てる」機能は今回のセットには入っていない。

 

旧市街

コスト2 評価額10 売却不可

それだけでは全く意味をなさず、他の物に参照されて初めて活躍する「ほぞ」。1枚で3つのシンボルが付いているのでお得だ。

シナジーが多いメセナならではのカードである。プレイヤーの工夫と段取りで強さが大きく変化する。上手い使い方を見つけて欲しい。

ナショナルエコノミー・メセナ カードデザインノート(2)

新カードが作られた経緯など(その2)


 

鉄道駅

コスト3 評価額18 終了時建物6つ以上所有で+18点 売却不可

無印の大量得点源だった不動産屋を再構築したもの。建物を作れば作っただけ線型に点が伸びるよりは、ある閾値に達すると大幅に挙動が変わる方が興味深い戦略上の選択を生み出しやすい。

「この条件を満たせ」というミッション方式の建物は他にもいくつか導入している。プレイヤーはある程度の計画性と、どこから勝利点を得るかの選択が求められる。

 

地球建設

コスト4 評価額16 建物を2つ同時に作る 手札が空になったらカードを3枚引く

建物を作るのは楽しい。2個作るのはもっと楽しい。作って手札を空にするのはさらに楽しく、空になった手札で化学工場に行きカードを大量に引くのはそれをも上回るほど楽しい。というわけで全部を1枚のカードに集約した。

建設コストは2つ分支払わなくてはならんのでこれでも二胡市よりはマイルドである。また起動には最低4枚(2枚の建物+それぞれのコストで2枚)の手札が必要なので単独で永久機関にはならない。

 

大聖堂

コスト10 評価額50 勝利点トークン5枚以上で建設コスト-4 売却不可

コンセプトは「バカが考えたカード」である。でかい数字を適当にねじ込んだだけに見えていればデザインは成功したと言える。パッケージにも登場する今作の顔だ。

これの存在意義は勝利点トークンに複数の意味を持たせる事だ。トークンはただ点になるだけでなく聖堂ルートを開く鍵でもある。ゲーム内の各要素が他の複数の要素と接続されている「多脚」構造はルールの単純さと展開の複雑さを両立する決め手になる。

 

( ・3・)<いちおうね

ナショナルエコノミー・メセナ カードデザインノート

新カードが作られた経緯など


ナショナルエコノミー・メセナでは全ての建物カードを新しいものに取り替えた。ここ1年ほどのデザイン哲学の発展と絡めて「なぜその形になっているか」を書き留めておこう。

 

醸造所

コスト4 評価額18 消費財を4枚取り置き次ラウンド開始時に手札に加える

新ブロックをデザインする際に最初に手をつけたのは無用な要素を減らすことだ。拡張や続編でもゲームとしての複雑さは増加するべきではない。1つ新しいルールを入れたら古いルールを1つ減らす。そこで使用頻度が低かった「倉庫」と「社宅」を退場させ、持っているだけで機能するパッシブ効果をゲームから排除した。

そして代わりに言わば能動的な倉庫として次のラウンドにカードを引いてくる建物を作った。手札に入るのは枚数上限チェックの後なので9枚でラウンドを始められるわけだ。

 

観光牧場

コスト3 評価額14 手札にある消費財1枚につき$4を家計から得る

これも比較的初期段階から案出していたカードで、農協を強力な集金マシンに生まれ変わらせたものだ。無印の問題点のひとつはゲーム後半に使える強力な家計系建物が無く、建設関連が充実すると家計の金がしばしば無視された事である。「非常に強力だが家計が潤沢でないと起動できない」代物を導入することで、他のプレイヤーが家計を放置している場合の強力な選択肢にした。

 

宝くじ

コスト2 評価額10 家計から$20を得て$10返す

これも同様の意味で存在している。正味の効果は$10引っ張って来るという事だが、家計に$20以上存在していないと起動できない。つまり家計が潤沢にあればあるほど大量の金を効率良く引っ張り出せるというわけで、ゲーム内市場である程度自動的に価格調整が行われる仕組みである。

完全にメカニクス先行でデザインしたカードだがたまたま丁度いい名前を与える事ができた。

なお「家計」という語は「家計金融資産」に見られる様な「集合的な家産」の意味で用いている。

 

( ・3・)とりあえずこんなもんで

EU4マルタ騎士団攻略

Europa Universalis 4(1.19)のマルタ騎士団(The Knights)で勢力拡大を目指す手順


 

1.地場固め(1444〜1470)

まずはビザンツに間諜を送ってギリシア部分の請求権を捏造。軍隊を動員限界まで増やしてオスマンが攻め込んだら即座に便乗参戦し2州切り取る。これでギリシア語地域が増えるので主文化を切り替え、領土をカトリックに改宗できる。僧侶に土地を配って異端審問官を雇うとスムーズ。

艦隊はガレーを製造してできるかぎり拡大。動員限界を超えてもよし。金は近隣の沿岸を略奪すれば手に入る。オスマンが怒り狂うが気にしてはいけない。ヴェネツィア・ハンガリー・オーストリアに使者を送って同盟を形成すれば抑止力は確保できる。教皇アクションで外交評価を上げるとギリギリ届く。この段階では軍隊は10個連隊揃える。

ガレーが十分に溜まったらキプロスの請求権を捏造して攻め込む。マムルークが独立保障をかけているのでこちらも相手にする羽目になるが、ガレーが10隻程度あれば海戦で完封できる。鹵獲か製造で輸送船を10隻揃えて上陸戦を仕掛け、占領したらひたすら待つ。十分な時間が経つと抵抗を諦めて島を引き渡してくれる。

この段階では顧問は雇わない。金が余っている様に見えてもすぐに足りなくなる。重点は外交分野を選び、外交技術LV7と探索アイディア3つをできるだけ早く揃える。

 

2.探検(1470〜1500)

順当に行っていればこの時点で数百ダカットの貯金がある。外交顧問をひたすら取り替えて航海士が出るまで頑張ろう。外交技術LV7と航海士と探索アイディアを合わせると西アフリカの空き地にギリギリ届く。ここに一瞬だけ入植して最寄りの現地国家の請求権を捏造し侵略すべし。先にスペインやポルトガルに埋められていた場合は開戦理由無しで無理やり攻め込もう。

首尾よく土地を奪ったらそこを拠点に版図を広げる。ただしこの段階では騎士団はとても弱く、雑魚だけを狙わないと返り討ちにされる。アフリカ技術グループで軍事技術がLV5以上ある国は要注意。同時代の西欧歩兵が戦闘力3なのにアフリカ戦士は戦闘力6もある。

並行して南米の先住民国家も侵略しておこう。真っ先にブラジルを形成できればトルデシリャス条約で他のカトリック国を排除できる。

2つ目のアイディアは物量(Quantity)を選んで人的資源を増やす。アフリカのジャングルではとにかく人が死ぬのでいくらいても足りない。

 

3.アフリカ侵略(1500〜)

軍事技術がLV9に達したら本格侵攻を開始する。この時点で現地国家に野戦で負けることはまず無くなっている。大抵はコンゴ周辺が最も弱く切り取りやすい。宗教アイディアを取って切取り次第にするのがお勧め。地元民を改宗させて教皇への影響力を稼ぐこともできる。

喜望峰および領土と領土を繋ぐ州への入植が終わったら探索アイディアは放棄してよい。管理(Administration)か攻撃(Offensive)が役に立つ。過剰拡大と反乱に気を配りつつ周囲の弱い国をどんどん斬り伏せると、世界のどの勢力よりも急速に領土を増やせるだろう。

なおマルタ騎士団は神権政体で公国ランクに固定されているが、2つの方法で王国に改組できる。管理技術LV20以上になれば決断(Decision)を通じてAdministrative Monarchyにできる。それ未満でも貴族階級の影響力を故意に高めて政権を掌握させれば貴族共和制になり、鎮圧すると元の政体ではなく専制(Despotic Monarchy)になっている。

ただし神権政治は常に正統な後継者が用意されるという強みがあり、同君連合にされる危険も無いので見た目ほどに悪くはない。アフリカで戦っている間は特に変える必要は無いだろう。

 

( ・3・)<こんだけでかくなりゃ後は猫でもできるわい

XCOM 2の戦い方

XCOM 2のレジェンド難度攻略指南


XCOM: Enemy Unknownの続編XCOM 2が2016年に発売された。これに関して2つ明らかにしておきたい。まずこのゲームは非常に面白い。EUの時点で相当な完成度だったが、2はそれを全ての面で少しずつ上回った。次にこのゲームは難しい。EUの時点で相当な地獄だったが、2はそれを少しどころではなく上回っている。というわけで最高難度の攻略を掲載しCOMキチ氏を助ける事にする。

 

1.バカとXCOMは高いところが好き

最も重要な戦術訓は「高所を取れ」だ。撃とうとする敵よりも高い場所に射手がいれば命中率に+20の修正が付く。これは鼻が擦り合う間合いまで接近した場合の距離ボーナスと同じである。特に最初のマップではまず高い建物を見つけ、敵をそこで待ち伏せるか、遠過ぎるなら3人が待ち伏せて残り1人が突っ込むと良い。接近戦よりよほど確実に敵を始末できる。

また高所にいる側は後ろに下がる事で射線が通らない様にもできるし、必要なら飛び降りて地上戦にもできる。位置エネルギーは素晴らしい。

 

2.偵察せよ

索敵はこのゲームの非常に重要な側面である。2分隊と同時に交戦しないだけでも壊滅の危険は大きく減る。また敵の視界ギリギリで固まって監視をしておけば、敵のターンに一斉監視射撃を浴びせた上に次の自分のターンでも動けるので、実質的に2ターン分の先制攻撃ができる。

このため、潜伏技能を持つ隊員を先行偵察させたり、バトルスキャナーを投げて敵の位置を把握するのは非常に有利な行動だ。「一方的に居場所を知っている」というのは「銃口をケツに突っ込んでいる」と同じ程度の優勢である。

 

3.リスクを選択せよ

武装が充実する後半はともかく、序盤戦は絶対にゼロリスクで進める事ができない。どんなに完璧に動いても運が悪い時は隊員が死ぬ。ゆえに指揮官は安全と危険の選択でなく「どの危険を取るか」の選択を迫られる。

危険は大きく分けて3つある。

  • A.側面を取られる
  • B.敵を始末できない
  • C.別の敵分隊と遭遇してしまう

原則はA<B<Cである。つまり敵が遮蔽に隠れていて、回り込むと側面を取れるが自分も無遮蔽になってしまう場合、構わず突っ込む方が正解である。無遮蔽でボッ立ちになる危険よりも敵を討ち漏らして反撃される危険の方がたいてい大きい。

ただし突っ込む事で別の分隊に遭遇してしまう危険が予想される場合は自重した方がいい。敵を倒し切れない危険があるにせよ、一度に2分隊に襲い掛かられる危険よりはまだ小さい。

そして言うまでもなく遮蔽を取るために無駄に前進して敵分隊に発見されるのは最悪である。

 

4.火力を優先せよ

以上を踏まえている限り敵から奇襲を受ける危険は比較的小さい。つまり殆どの交戦は自軍の攻撃から始められるのだ。ゆえに投資は防御力よりも火力に回す。1ターンで敵を倒し切れば防御力は参照されない死んだ数値に過ぎない。

研究は磁力兵器をできるだけ早く完了させるのが良い。それ以前にすべき研究はバイオテクノロジー・オフィサー解剖・モジュラーウエポン・複合素材・トルーパー解剖(バトルスキャナー)ぐらいである。

 

5.医療を甘く見るな

戦略レベルでの典型的な負け方は、まず作戦レベルで事故が起きて一軍メンバーが負傷し、その間に別のミッションが発生して雑兵を送り込み、戦闘力が足りずにズルズルと負けを重ねる・・・というものである。これを防ぐ為に医療には能動的に投資すべきだ。先進戦闘センターはゲリラ戦術学校の次に作ってよい。非常に重要なスキャン目標が存在せず、3人以上が負傷しているなら本部で医療ボーナスを受けるべきだ。

 

( ・3・)なお全てを完璧に動かしても負ける時は負ける(無慈悲)

翻訳記事:「アグリコラ」–繁殖の空間すら無いゲーム

これは翻訳記事です

2016/11/16 Cheng Lap

 
「アグリコラ」の様な言わずと知れた名作をわざわざ紹介する必要は無い気もするが、名作をどれも紹介しない事にすると原稿の種が無くなってしまうので不要とは知りつつ取り上げてみよう。それに世界にはまだまだこのゲームを遊んだ事の無い人が残っているだろうし、紹介した所で大多数はどうせ遊ばないにせよ、遊べばきっと面白いのだ。少なくとも私は好きだ。そういうわけで一度紹介する事にした。

アグリコラはドイツ製ゲームである。プレイヤーはドイツの農家になり、2〜3個の食料と2人(夫婦を表している)の人間と大きな空き地を持って始める。そして他のプレイヤーと共にそこら中を駆けずり回って天然資源を採取し、家人を養い、土地を耕し、我が身と我が家を整えて天下泰平を目指すのだ。6回目の収穫の後最も点数の高いプレイヤーが勝者になる。

そして忘れてはならないのだが、最初の時点では家の空間は2人が生活するのにやっとの狭さであり、公営住宅よりマシな点と言えば羊や豚をペットとして飼ってもいい事だけだ。

どうして家が狭いのを強調するのかと思うかもしれないが、これが非常に重要な点なのだ。遊べばすぐに分かるだろうが、このゲームでは「家族を増やす」行動が極めて重要である。というのも家族1人はラウンドごとの行動1回を表しており、家族成員が多ければ多いほど点数を上げやすく、少なければ低いままになりやすい。さらに家族の人数そのものも最後に1人3点で計算される。このため多くの人が認める通り、アグリコラとはいかに子孫を増やすかのゲームなのだ。一直線に5人まで増やすべきかはやや疑問の余地があるものの、少なくとも3人目の家族はできるだけ早く生んだ方が有利だという点は誰もが同意するはずだ。

しかしこのゲームでは子供は作りたければ作れるという代物ではない。何か特殊能力を使わない限り、最初の狭い家では「家族を増やす」アクションを使うことすらできず、大人しく他の活動に励むしかない。木を集め、部屋を増設し、家を3部屋なり4部屋なりに拡大して繁殖のための空間を用意して初めて繁殖アクションを使えるのだ。要するに開始時点では「子作り部屋すら無い」という事である。結婚して家を建ててようやく始まるという恐ろしく現実的な仕様だ。もし家を建てやすいゲーム展開になれば出生率は上がるし、何らかの原因で家を建てるのが困難になれば出生率も期待できない事になる。

それにも増して現実的な事に、ゲーム終盤の12〜13ラウンド(14ラウンドが最後)になると「空き部屋がなくても繁殖」というアクションが新たに出てくる。果たして年齢も限度に近づいて焦り始めたのかどうか、生活水準も顧みず、部屋があろうと無かろうと構わず、とにかく子供を生んでしまう。そして生まれて来た子供は自分の寝室すら無く誰かと雑魚寝である。実に悲劇的だが、これでもちゃんと3点になる。

 

しかもこれは人間に限った事ではない。ゲーム中に出てくる他の動物も同じなのだ。羊も牛も豚も、家の中でなく牧場で暮らしているとは言え、その牧場に十分な空間が無ければ繁殖できない。つまり空間が余っていなければ仔牛も生まれて来ない。どうせ生まれて来ても人間に食われるだけにせよ、居住空間が狭すぎると動物ですら子作りの気分にならず何も生まれないのである。

そればかりか植物すらこの運命から逃れられない。このゲームでは土地を耕して畑を作らなければ、作物の種を撒いて育てる事は不可能である。農地が無ければどうなるか? 残念、植物もまた繁殖できない。つまり何もかも土地問題に収斂していく。一見したところ点数を取り合う農業ゲームに見えるが、その本質は繁殖空間争奪ゲームである。人間だろうが動物だろうが植物だろうがみな同じなのだ。

これを遊び終えた時ひとつの真実に気付くだろう。どうして香港や台湾の出生率は一人っ子政策も無いのにこんなに低くなっているのか。政府はもっと子供が生まれれば良いと言うが、一体何をどう生むつもりだ? 部屋が無ければ繁殖アクションすら使えないと知っているか? ボードゲーマーですら気づいている事に税金泥棒どもは目をつぶり、自分は何も間違った事をしていないと嘯いているのだ。

 

原文はこちら:http://www.cup.com.hk/2016/11/16/chenglap-agricola-boardgame/

ゲームマーケットに挑む人向けガイド

ゲーム作ったんでゲムマ出たい!という人向け案内


ゲームマーケットは近頃とみに盛況である。出展者と参加者の両方が増え続けており、新たにボードゲームを作ってみたいという人も多い様だ。そこで簡単な案内を提供する。人によって求める物が違うために「あれをしろ」「これをしろ」という指示は出しにくいので、「何が期待できるか」「何が期待できないか」「何を準備しておくか」という切り口で書いてゆく。

 

何が期待できるか

経験。制作は作って終わりではなく着弾確認まで行ってやっと完了である。完成させ、売って、遊んでもらい、感想を聞く。最後までやり遂げたプロジェクトは途中で放り出したプロジェクトよりも遥かに大きな経験になる。

情熱。制作の成果が誰かを喜ばせる事ができれば、それは次を作る原動力になる。必要とする誰かがいるから手を動かせるのだ。

交友。同業者とか隣接分野の人々と知り合う機会が非常に多い。自分から挨拶に行ってもいいし、誰かが来るのを待ってもよい。

 

何が期待できないか

利益。もし初めてゲームを作ってゲームマーケットに参加し100個を売り切ったら、ベルカーブのかなり右の方にいると考えてよい。中央値付近では印刷費を回収するのがやっとだ。豪華な箱やコンポーネントを入れたらだいぶ足が出るかも知れない。儲けが出るのはそれなりに固定客を掴み、規模のメリットを利用できる様になってからだ。

契約。ゲームを作ったらどこかの会社が見つけて契約してくれる/拾ってくれるというのは殆ど神話である。ライセンス契約をする場合、国外だろうと国内だろうと既に相当売れていなくてはならない。誰も馬の骨に資本を賭けたりしない。

評判。どんなに自信があろうと最初の反応は大した規模にならない。非常に奇抜だったり不謹慎な作品を出せば多くの人がそれについて言及するかも知れないが、それは不審者の写真を大勢で回覧しているのと大して変わらない。人気者とは違う。

要するに人生は1日で好転しない。

 

何を準備しておくか

釣り銭。コインケースに入れて多めに持って行く。半端な値段設定の場合は特に重要。

値段表。売っている物と価格の一覧を1枚の紙にまとめて印刷する。多く用意して配ってもよい。喧騒の中で何がいくらか口頭で伝えるのは悪夢だ。行列を解消するので周囲への配慮にもなる。

名刺。人が訪ねて来て名刺を置いていく事もある。交換できないと少し間が悪い。それに誰の印象に残り誰が連絡して来るか分からないものだ。

ガムテープ。売れ残りを梱包したり案内の紙を貼り付けたり壊れた備品を応急修理したりアポロ13号を地球に帰還させたりする*。

仲間。1人で出るとトイレに行けないぞ。

 

それではビッグサイトであいましょう( ・3・)ノシ

*厳密にはダクトテープ。