同性交配の人口学的帰結

男同士で子供が作れたらどうなるかという思考実験


 

知り合いにサンドウィッチマンの両方に半分ずつ似ている男がいる。冗談で「2人の子供なのではないか」などと言っているが、もし本当に男同士で子供が作れたら何が起きるのだろうか? 暇に任せて計算してみた。

まず父親2人の生殖細胞を掛け合わせて受精卵を作ることが可能だと仮定しよう。本来ミトコンドリア遺伝子は母方からしか受け継がれないがそれもどうにか解決したとしよう。その他の生物的社会的諸問題も全て片付けて普通に男同士で子供を作る時代になったらどうなるか? 興味深いことに男性人口が段々減っていくのだ。

生殖細胞が作られる際は減数分裂によってX染色体とY染色体のどちらかが引き渡される。異性交配であれば母親はXX、父親はXYなので受精卵の組み合わせはXX(娘)かXY(息子)のどちらかである。

ところが父親が2人いる場合、どちらもXYを持っているためXX・XY・YYの3通りの組み合わせが生ずる。X染色体には生存に必須の情報が含まれているのでYY個体はまず死産になるか着床しない。よって生まれて来る子供はXX(娘)が1/3、XY(息子)が2/3である。すると遺伝子プールに占めるY染色体の割合が父親世代では1/2だったのに子供世代では1/3になる。男同士で交配すると1世代ごとにY染色体の割合が2/3に減るわけだ。

母親2人の交配であればこうした問題は起きない。親の染色体がXXとXXなので生まれて来るのは全てXX(娘)である。

もし世界が異性交配をすっかりやめて同性交配のみを行う様になったとすると、およそ55世代後に地球から最後の男がいなくなる。

 

並立ならば?

では異性交配と同性交配が並存する世界ならどうだろうか? 人類が交配相手の選択に際して性を一切考慮しなくなり、人口比率に応じてランダムに組み合わさると仮定しよう。これを次の様な単純な計算式に落とし込む:

第n世代の男性比率 = n-1世代の男性比率 x ((1-男性比率) + (男性比率*2/3))

するとこの場合でも男性人口は減り続けるが、そのペースはかなり緩やかだ。人口に占める男性の比率が減るに従って男同士の交配機会が少なくなるため、減少スピードが次第に0に近くなり、7000世代が経過してもなお数百万人を残す。

このお話の教訓は? 多分何もない。せいぜい稀な潜性遺伝子が淘汰圧を受けるには非常に長い時間が必要だという一般論を言い換えた程度だろう。

 

(´・ヮ・)<ほんと時間の無駄だな

采配の問題

単騎で強いタイプの指揮官は部下に無闇な期待をするという話


 

「未熟の不知」という有名な論文がある。被験者を集めてテストを受けさせると、成績の悪い被験者はだいたい自己評価が過大であり、下から2割ぐらいの連中でも自分は平均より上だと思っている。一方成績の良い被験者は自己評価は正確だが、他の被験者の成績を高く見積もりすぎる傾向があり、自分の相対順位を実際より低く予想する。これは今日ダニング・クルーガー効果と呼ばれあちこちで引用される。

日常の言葉で言い換えるとこうだ。できない者は鈍すぎて自分ができない事にすら気づかない。できる者は自分にできる事は誰にでもできると勝手に思い込んでいる。

こうした現象は人員を登用して仕事に割り当てる際にしばしば問題になる。本人が思っているよりも仕事ができないことはよくある。特にその登用を決める上役が個人戦闘力の高いタイプだと、そいつ自身ダニング・クルーガー効果に罹患しているため二重に判断が歪められる。そして上役というものは大方指揮能力の高さではなくその前段階での個人的能力のゆえにその地位に登って来ている。終末を告げるラッパは鳴りやまん。

こうした現象に対抗し、パフォーマンスに対する認知の歪みを矯正する方策を考えた。要約すると次の2つだ。

  • 自己申告はノイズである
  • 速度は優れた指標である

 

自己申告はノイズである

Perceived Ability

先の論文に示されている様に、自分自身の能力に対する認知は実際の成績と極めて緩い相関しかない。個人ごとのばらつきや、観測者期待効果による誘導や、上役との性格的合致が有能さとして誤認される傾向を考慮すると能力の自己申告は情報として無価値である。

日常の言葉で表現するならば、「絶対やってみせます!」と豪語する候補者と「できるか分かりませんが頑張ってみます」とはにかむ候補者の期待値は同じである。よって最初から自信の有無を聞かない方が息を無駄に吐かなくて済む。

誓言とか契約とか供託金とかを用いて嘘の申告にリスクを負わせたとしても正確な情報を引き出すのは不可能である。なぜなら能力の低い候補者は本当に自分はできると信じているからだ。

 

速度は優れた指標である

もう少しマシな能力計測手段を探す場合、一番良いのが速度である。つまり成果物を期日通りに、あるいは前倒しで持って来る傾向である。ギリギリ通用する水準を満たしていれば出来具合にはそこまで注意を払わなくてよい。大幅遅れで素晴らしいものを持って来る者より期日通りにほどほどのものを持って来る者の方が期待できる。

なぜか。第一に、速度の方がばらつきが少なく客観的に計測できるからだ。制作分野では特にそうだが、出来の良し悪しはどうしても主観に左右される。好みもあるし、要求仕様が上手く伝わったかどうかにも影響を受ける。単純に発注者が2つの色から1つを選択しただけでも認知が歪められてその色を好ましく感じるものだ。

速度の方は均質で無機質な時間によって容赦無く表される。調子の良し悪しはあるにせよ、リテイクを除けば品質ほどには偏差が大きくない。不可抗力による遅れも時にはあるが、5回連続で運悪く家に隕石が落ちる確率は低いのである程度の標本規模があれば信頼性の高い計測ができる。

次に、速度は他の全ての基盤になる。素早く手を動かせればリテイクも早い。多くのものを完成させれば成長も早い。次々に試みていれば偶々素晴らしい出来のものが生まれる可能性も高い。プロジェクト管理の観点からもリスクが低い。手が早いという事はとにかく素晴らしいのだ。この要素はしばしば過小評価されている。

 

まとめ

人員の能力を測るにあたって「できるか?」と聞くのは酸素の無駄である。「何月何日までにXを持ってこい」とクエストを提示した方がよい。

 

( ・3・)<明日までにぷにぅ饅頭の型作ってこい えぇ…(困惑)>(・q・ )

不完全情報ゲームデザインの基本定理

嘘つきゲームを作る時の問題


 

この頃ポーカーに凝っていてテキサスホールデムを随分遊んでいる。電車の中で暇があると古典と呼ばれる理論書を読んだり確率表を眺めたりして時間を潰す。アメリカの国民的ゲームと呼ばれるだけあって相当な量の研究がなされている。

しばらく遊んでいる内に気が付いたのだが、ポーカーはどうやら役を作るゲームではなくて誰が強い役を持っているかを当てるゲームらしい。自分が一番強いハンドを持っていると思ったら賭け金を膨らます。弱いと思ったら大人しくしている。ブラフをかけたり煙幕を張ったりも偶にはするが、そうした搦め手の頻度は最初思っていたよりずっと少ない。

卓の上でやり取りしているのは本当はカードでもチップでもなく情報である。見えているカードや他の人間の行動によって推察を行い、それに基づいて行動し、その行動がまた他の人間にとっての手がかりになる。

そこで興味深いのが”Harrington on Hold ‘em”で紹介されていた2つのプレイスタイルだ。「保守的」なスタイルはあまりブラフをかけず、弱いハンドはさっさと投げ捨てる。「攻撃的」なスタイルは相手が弱いと見たらどんどんブラフをかけるし幅広いハンドで参加する。保守的な方は確率論的により妥当だが相手に読まれやすい。攻撃的な方はリスクが大きいが相手から見ると非常に読みにくい。賭け金を釣り上げているのが真正な高いカードなのか、ブラフなのか、低いカードでポットに入ったら偶々モンスターハンドに化けたのか分からんのだ。

だから逆説的なことに、「攻撃的」なスタイルは相手に情報を与えないという観点から見れば防御的である。逆に「保守的」なスタイルは自分の行動の最適化という点で攻撃的である。

 

ゲームデザインへの応用

私の本業はゲームデザイナーなので(そうだったのか!)そちらに応用してみよう。不完全情報ゲームを遊ぶ時ではなく作る時の定理は次の様に導かれる。

  1. プレイヤーは非対称な情報を持つ
  2. 知り得ない情報についての正確な推察はプレイヤーを有利にする
  3. 正直な行動はプレイヤーを有利にする

1は基本的な前提である。明らかにされない情報があってもそれが全員に共通だと単に乱数を用いたゲームである。2はこれまた自明である。情報はゲーム内での戦略的優位性を生み出すが故に意味があるのであって、何にも影響しないなら最初から隠れた情報が存在しないのと同じだ。

3はしばしば軽視される極めて重要な点だ。プレイヤーは自分だけが知っている情報を正直に申告した方が嘘をつくより有利にならなくてはならない。そうでなければ卓に情報が流通しない。全員が常に嘘をついていたらそれは嘘ではなくランダムなノイズである。

不完全情報ゲームの奥行きを担保しているのは2と3の間のジレンマである。正直に行動すればするほど最適化され有利になるが、同時に他のプレイヤーに沢山の情報を投げ与えてしまう。”Harrington on Hold ‘em”で紹介されていた例は、AA(最上のハンド)で常に賭け金を釣り上げていたら、釣り上げなかった時はAAが入っていないことがばれてしまうという論考である。だから偶には逆の行動もして目をくらます。

所謂「正体隠匿」ジャンルの失敗作によく見られるのは3が十分に考慮されておらず、ランダムな振る舞いに基づいて裏切り者を探さねばならない代物である。これは大抵言いがかりと印象論に終始する。一緒に遊んで楽しい友達同士で言いがかりを付けるのは楽しいのだが、それはゲームが楽しいのでなく人間が楽しいだけである。

 

(´・ヮ・)<お前友達いたの? (・ε・ )

進行の問題

なぜ友達で集まって行う開発は炎上するか


 

「遅れているプロジェクトへの人員追加は開発を更に遅らせる」という経験則がある。これは主に頭数が増えることによる連絡業務とかそれまでの仕様の確認が発生するからである。AとBの2人だけで仕事をしている場合、連絡経路はA-Bの1本だけで済むが、ABCの3人に増えるとA-B, A-C, B-Cの3本の経路が必要になる。4人なら6本、5人なら10本、6人なら15本。人が増えれば増えるほど仕様のすり合わせとか情報共有がネックになりその分の業務が増える。

アウトプットは頭数に比例しては増えない。チームに誰かを加える場合、その者の貢献は最低でも人数の増加による連絡業務の発生を上回っていなくてはならない。そうでなければ貢献どころか正味足を引っ張っていることになる。

この理屈を敷衍していくとパラドクスに行き当たる。即ち、少人数(例えば1人)で開発をする場合は少々腕が悪くてもまとまるが、大勢で共同作業をする場合は1人1人の技量が相当に高くないと容易に爆散炎上する。多人数でいることにより連絡や政治の問題が始終発生する。構成員がそれを上回る速度で正味の仕事を片付けなければ進捗はマイナスになる。誰の意見を通すか、誰を外すか、どうやってビジョンを共有するかといった外縁業務に終始して永遠に何も完成しない。

ゆえに「経験が浅いから」「あまり自信がないから」という理由で人数を集めると期待と正反対の結果になる。技量が足りない場合は尚更1人で片付けねばならん。10人の痩せっぽちは1人の痩せっぽちに比べて10倍の土嚢を運べるだろうが、10人の鈍才は1人の鈍才よりもはるかに生産性が低い。そいつらが生み出すのは喧嘩と曖昧な企画書だけだ。

1人でできない事は2人ではもっとできない場合がある。

Scythe/大鎌戦役 オープニング研究(その3)

Scythe(大鎌戦役)の最初の数ターンをどう動かすかについて。


 

Saxony/ザクソン

陣営能力:任務達成と戦闘勝利による星をいくつでも置ける

ゲームを素早く終わりにできる速攻野郎。戦闘3回任務2回メック4体で星を6つ置くのが綺麗な形と言われる。内政を無視して序盤から殴りに行く事も考えよう。初期位置に鉄があるのもメックを出しやすく噛み合っている。

 

Mechanical/機械

生産→交易(油油)+配備改良→生産→交易(油油)+配備改良→軍備+メック配備(速度)→移動で君主と油田のワーカーを遭遇地点へ

軍備と移動を改良してひたすら打つ。序盤の軍事力は他の追随を許さぬ筈だ。メック能力はトンネル移動とトンネル戦闘を優先し、隙あらば他勢力に殴りかかる。

生産→交易(鉄鉄)→軍備+メック配備(速度)→移動で遭遇地点に全員集合

速やかにワーカーを4体に増やして畑に送り込む。木材が引けた場合は坑道を作って生産→移動→生産+徴兵。改良と徴兵の補充兵をできるだけ早く解放して軍事力を蓄える。

 

Industrial/工業

交易(鉄鉄)→生産+メック配備(速度)→交易(鉄鉄)→生産+メック配備(トンネル移動)→移動で君主と油田のワーカーを遭遇地点へ

遭遇で木材か建造物が引けたら村に坑道を作ろう。次の移動で工場が狙える。まずメックを鉱山からトンネル伝いに工場隣の鉱山へ移動させ、次に君主を坑道→鉱山→工場と移動させる。

(´・ヮ・)<このルール解釈が合ってればの話ですけど

交易(鉄鉄)→生産+メック配備(速度)→移動で君主と油田のワーカーを遭遇地点へ

遭遇で木材か建物を引いたら坑道を作る。鉄を引いたら生産してトンネル移動メックを配備。腐ったら交易(鉄鉄)→生産でメック。

 

Agricultural/農業

交易(鉄鉄)→生産→交易(鉄油)+メック配備(速度)→移動で君主と油田のワーカーを遭遇地点へ+配備改良

ワーカーの初期位置が鉱山と油田なのを利用した高速展開。生産は腐りやすいので遭遇と工場で手を進めよう。

 

Engineering/技術

交易(油油)→生産+配備改良→交易(鉄鉄)+メック配備(速度)→移動で君主と油田のワーカーを遭遇地点へ

農業とだいたい同じ。遭遇が腐っても生産→交易+配備で6Tまでに2体目のメックが揃う。

 

Patriotic/愛国

交易(油油)→移動で全員油田へ+配備改良→生産→移動で全員村へ+配備改良

交易と生産の下段アクションが腐り気味で動きにくい組み合わせだが、軍備+配備を改良すると一気に暴れる。序盤よりは中盤に勝負をかけよう。ワーカー8人で星を置くのも視野に。

 

 

おわり

( ・3・)<拡張なんか知ったこっちゃないよ

Scythe/大鎌戦役 オープニング研究(その2)

Scythe(大鎌戦役)の最初の数ターンをどう動かすかについて。


 

Crimea/クリミア

陣営能力:1ターンに1枚戦闘カードを捨てて任意の資源1個の代わりにできる

極めて強力な内政能力を持つ。早々に徴兵で戦闘カードを確保してしまえば本拠地から殆ど出ずにゲームを進められる。

 

Patriotic/愛国

交易(飯飯)→生産+徴兵徴兵→交易(油油)→移動で君主を畑、村のワーカーを鉱山へ+徴兵改良→生産+改良徴兵→移動で君主と村のワーカー2人を鉱山へ+建設改良

左右のプレイヤーが徴兵をどれだけ使うかに資源が左右されるのでルートを固定しにくいが、徴兵早め・メック配備遅めでほぼ安定。モニュメントや徴兵を整えてから内政手段として配備を行なうので十分。

 

Mechanical/機械

生産→移動でワーカーを全員畑へ→生産+徴兵徴兵→交易(油油)+改良改良

最初の遭遇すら無視して生産と交易を交互に連打。改良を重ねれば鉄が無いのにメックが出たり油を節約した分だけ木を買って建物を作ったりとやりたい放題。通常アクションだけで内政が充実するので工場アクションはあまり必要でない。

 

Industrial/工業

交易(飯飯)→生産→交易(飯飯)+徴兵徴兵→移動で村のワーカーを鉱山へ→交易(飯飯)+配備徴兵→生産+メック配備

生産と交易で内政。徴兵を打ち切った後は本拠地ワープ能力で畑のワーカーを他へ移す。

 

Agricultural/農業

生産→交易(飯鉄)→軍備(カード)+徴兵徴兵→交易(鉄鉄)+メック配備(速度)→移動で君主を遭遇地点へ、ワーカーを畑に2人鉱山に1人配置

素早くメックを出して展開する普通のオープニング。本拠地とマットだけで内政が完結しないので遭遇で引いた物を使って何とか凌げ(投げやり)。

 

Engineering/技術

交易(鉄鉄)→生産→交易(鉄鉄)+メック配備(速度)→移動で君主を遭遇地点、ワーカーを畑に2人鉱山に1人配置(メックは畑に)

本拠とマットで内政が完結しない組み合わせその2。幸い遭遇でどの資源を引いても手が進むので事故は起きにくい。油田にワーカーを移せれば生産アクションがかなり優秀になる。

 

 

Nordic/ノルディック

陣営能力:最初からワーカーが河を渡れる

際立った強みはないが生産も良し工場も良し、最も適応力の高い陣営である。初期のワーカー移動範囲内に全ての資源があったり、最初の遭遇地点から湖渡り+速度で工場に直接行けたりと細かい部分で気が利いている。

 

Agricultural/農業

交易(油油)→移動+配備改良→交易(油油)→移動+配備改良

君主は遭遇地点へ、ワーカーは村へ。隣の状況にも左右されるが、アルビオン側の村に2人とも寄せると後で全ての資源にアクセスできる。後は交易生産交易でメックの湖渡りと速度を揃えて工場を目指しつつワーカーを配置する。

 

Engineering/技術

交易(鉄鉄)→生産→交易(鉄鉄)+メック配備(速度)→移動

君主は遭遇地点へ、ワーカーは油田へ。2Tに油を1つ確保しているので生産で改良が可能。ワーカーを増やさなくとも改良さえすれば生産と交易を交互に打つだけで内政が進む。移動アクションは下段に繋げにくいので工場アクションの優先順位は高い。

 

Industrial/工業

アルビオンが空いている場合

交易(鉄鉄)→移動でワーカーを鉱山とアルビオン側の村へ→生産+メック配備(速度)→移動で君主を遭遇地点、村のワーカーを鉱山へ

以後は生産を選択する度にメックが出て来る。湖渡りを選択すれば6Tに工場に突撃できる。

アルビオンが塞がっている場合

交易(鉄鉄)→移動でワーカーを鉱山とラスヴィエト側の村へ→生産+メック配備(速度)→移動で君主を遭遇地点へ

村の増員を素早く鉱山へ送り込むのが難しいので、ワーカーを食料に配置しつつ交易+徴兵と生産+配備を連発し内政を拡充する。

 

Mechanical/機械

移動で君主を油田、森のワーカーを村へ→生産→交易(油油)+改良改良→移動で君主を遭遇地点、村のワーカー2人を畑へ

交易を打つ度に改良ができる体制を作ってから内政寄りで進める。メックは後回し。遭遇で木材が引けると即座に畑に風車を作って生産交易の連打が可能になる。

移動でワーカーを村と鉱山へ→生産→交易(鉄油)→生産→軍備+メック配備(速度)→移動で君主を遭遇地点、村のワーカーを畑へ

 

Patriotic/愛国

交易(油油)→移動+配備改良→交易(油油)→移動+配備改良

君主は遭遇地点へ、ワーカーは村に寄せる。遭遇で出たものと相談しつつメックを配備したりワーカーを展開したり工場を狙ったりしよう(適当)。

(´・ヮ・)<こいついつもぶん投げてんな

Scythe/大鎌戦役 オープニング研究(その1)

Scythe(大鎌戦役)の最初の数ターンをどう動かすかについて。


 

Polania/ポラニア

陣営能力:遭遇マスに入ったとき1つでなく2つのボーナスを選択できる。

ポラニアはとにかく遭遇を取らなくては話にならん。「出会い厨」という通称が定着するほどである。スタート地点から外に出るためには湖渡りか川渡りかトンネルが必要であり、さらに移動速度+1も無いと効率的に走り回れない。よって「メック2体」または「メック1体+トンネル」の組み合わせが早急に必要である。

残念なことにポラニアの地元ではメックの材料である鉄を産出しない。また最初の遭遇で鉄/木/メック/建造物のどれかを引ける確率は82%しかない。よって交易で鉄を買い入れつつ当たりの遭遇カードを引ける様に祈るのが基本方針である。

(´・ヮ・)<こいついつも祈ってんな

以下、プレイヤーマットごとの具体的な手順を示す。

 

Agricultural/農業

速攻型

交易(鉄鉄)→生産→交易(鉄鉄)+メック配備(速度)→移動で全員村へ

この遭遇で鉄を引いた場合はもう一度交易をして2体目を配備し湖渡りを取る。木を引いたら生産でトンネルを建造する。メックか建造物が引ければ生産。その次のターンには移動で中央へ渡れる。油を引いたらその場で建設を改良し、交易(木木)→生産+トンネル建造でその次に移動。どれも引けなければ交易→生産→交易。

内政型

交易(油油)→移動+配備改良→交易(油油)→移動で全員村へ+配備改良

こちらは最初の4Tで2回改良を行い、交易のたびにメックが出る様にする。盤面に左右されずに内政を拡充できるが、遭遇で鉄を引いても手番を圧縮できない。最初の交易1回を省いて1T早く遭遇することも可能だが、完全な外れだった場合はやや事故になる。

 

Engineering/技術

交易(鉄鉄)→生産→交易(鉄鉄)+メック配備(速度)→移動で全員村へ

鉄が引ければ交易、木が引ければ軍備、メックか建造物が引ければ生産、どうにもならなければ交易→生産→交易で移動手段を揃える。

 

Industrial/工業

交易(鉄鉄)→生産→交易(鉄木)→生産+メック配備(速度)→移動で全員村へ+トンネル建造

遭遇の中身に関係なく5Tにメックとトンネルが揃う。建造物を引いた場合に腐るのが嫌ならワーカーを1人森に残しておくのも可。

移動→交易→移動とする方が2T早く遭遇できるのだが、金属だけを引いた場合に村で2回生産してワーカーがいきなり8人になったり、民心2と$3しか無い状態で遭遇カードを引くため2番や3番の選択肢が腐ったりと事故要素の塊になるのでお勧めしない。

 

Mechanical/機械

移動→交易(鉄鉄)→移動で全員村へ

遭遇の出たとこ勝負である。マットだけで内政を安定させる手段が無いのでさっさと運試しに行こう。幸い初期民心が3あるので遭遇事故はない。交易+改良の使い勝手がよいので原油を引いたらそちらに回り道をしてもよい。

 

Patriotic/愛国

交易(油油)→移動+配備改良→交易(油油)→移動で全員村へ+配備改良

遭遇が最悪のケースでも交易→軍備→交易→軍備で何とかメックが整う。とにかくメックの出しにくいマットなので最初にUGでコストを下げておかないと大事故の危険がある。

 

 

Rusviet/ラスヴィエト

陣営能力:同じアクションを連続で選べる

「村から工場にワープする」能力のおかげでどのマットを引いても最速で工場に到達できる。内政とのバランスを取りつつ中央に突っ込むのが常套手段である。

 

Industrial/工業

生産→移動で君主を村、ワーカーを鉱山へ→生産+メック配備(村ワープ)→移動で工場到達

4Tでメックとワーカーを出しつつ工場に入れる。多分このオープニングが強力すぎるので「ラスヴィエトは工業マット禁止」の追加ルールが発表されたのだろう。

( ・p・)<あたまおかしい

 

Agricultural/農業

生産→生産→交易(鉄鉄)+メック配備(村ワープ)→移動→移動で工場到達

5Tでメックを出し、ワーカーを出し、ワーカーの配置も終えつつ工場に到達できる。村の4人のワーカーをまとめて中央の森に持っていくと生産の度に建設ができる。

移動で君主を村、ワーカーを鉱山へ→生産→交易(鉄鉄)+メック配備(村ワープ)→移動で工場到達、ワーカーは村へ

生産の下段アクションが実質的に腐っているためワーカー最大の星を取るためと割り切る。工場アクションと遭遇で内政を回す。

 

Engineering/技術

工場型

生産→生産→交易(鉄鉄)+メック配備(村ワープ)→移動→移動で工場到達

手順は農業と同じ。油田にワーカーを3人置くと改良を連発できる。

遭遇型

生産→生産→交易(鉄鉄)+メック配備(速度)→移動で遭遇とワーカー配置

移動手順を1回節約しつつ遭遇も取る。運良くメックが出ればそのまま5Tで工場に突入でき、遭遇が完全に外れでも生産+改良→交易+配備と下段アクションを連発できる。何がどう転んでも強い。

 

Mechanical/機械

生産→移動で君主を村、ワーカーを鉱山へ→生産→軍備+メック配備(村ワープ)→移動で工場到達

工業マットの下位互換めいた動きになるがそれでも早い。工場アクションさえ取ってしまえばメックは少々後回しでも何とかなる。

 

Patriotic/愛国

生産→交易(油油)→移動で君主を村、ワーカーを鉱山へ+配備改良→生産→軍備+メック配備(村ワープ)→移動で工場到達

根本的に国とマットの相性が悪い。初期民心が2なので遭遇ギャンブルも分が悪い。その後の展開は工場アクション次第である。

 

内政ルート

生産→生産→交易(鉄鉄)→軍備+メック配備(河渡り)→移動で村のワーカーを畑へ、君主を遭遇地点へ→生産+徴兵

工場を完全に無視して畑をガン掘りする。両隣が下段アクションを発動してくれれば後半に向けて戦力が増える(希望的観測)。

 

( ・3・)<続きはあした!

翻訳記事:「ナショナルエコノミー・メセナ」–菜園の孫悟空

これは翻訳記事です

2017/11/22 Cheng Lap

 

以前紹介したマクロ経済ゲーム「ナショナルエコノミー」の拡張版が出た。ただし厳密に言えば拡張というより続編であり、元のゲームが無くても単独で遊べる。基本的なシステムはナショナルエコノミーと同じだが使うカードが全て入れ替わっており、遊び方に色々変化が加わっている。混ぜたければ無印のカードと混ぜてもよい。

無論それだけではなくシステムにも色々追加要素が乗っている。

まず、「勝利点」の概念が加わった。何か公益に関する行動をする度に光の環みたいなトークンが1個貰える。これには2つの効果がある。まず行動による追加得点であり、次に特定の建物のコストを下げる。実のところ勝利点を手に入れる方法の1つは菜園に行って苗を植える事であり、1回植えるごとに1個光の環が貰える。これで大体どんな代物か察して貰えたと思う。

次に「割引」の概念である。無印版ではあらゆる建物のコストは鉄の定価であり下げる方法は全く無かった。一方拡張版では特定の条件を満たすことで安く建物を作れる。例えば食品工場は農地を持っていればコストが下がる。工業団地は工業系を持っていればいるほど安くなる。

そして第三に「ミッション」の概念だが、これは実のところ建物の機能である。無印ナショナルエコノミーには持っている物に応じて得点を増やす建物が色々あり、例えば鉄道は工業系1つにつき8点追加だった。一方拡張の得点系建物は「これこれの条件を満たせば追加何点」という具合である。例えば鉄道駅は建物6つ以上所有、輸出港は工業2つが条件だ。

非常に変わっているのが墓地である。ゲーム終了時に手札が1枚も無ければ追加で8点貰える。果たしてこれは人は何も持たずに生まれ、死ぬときも何も持って行けない事を表現しているのだろうか?

これ以外にもゲーム全体の資産価格水準が上がっており、建物を売った時に得られる金が増えている。おかげでゲーム中の貨幣流通量が増え、金を稼ぎやすくなり、人を養うのも容易になり、自分を売って糊口を凌ぐという事態にもなりにくい。以前は人が多いとすぐ物乞いに追い込まれたが、今回は気楽に人を増やせる様になった。これも大きな変化だ。

こういった改変の中で最も象徴的なのが「大聖堂」だ。バックストーリーは特に書かれていないが「大聖」という名称から察するに斉天大聖孫悟空の廟か何かだろう。大聖様はゲーム中で最も高価な建物であり、何とコストがカード10枚である。その分得点も最高だ。そして光の環を5つ集めるとコストが6枚に下がる。明らかに光の環を集めさせるために存在している代物である。

先に挙げた菜園の村は無印版の農場とほぼ同じでどちらもバナナを2枚引く。ただし菜園の方は光の環も付いてくる。他に「研究所」は建物カードを2枚引いて光の環が1つおまけ。「宮大工」は建物を作った時に光の環が貰える。環は大体こんな感じだ。

これ以外にもなかなか変わった挙動をするものが2つある。1つは「醸造所」で、機能はバナナを4枚引く。ただしすぐ貰えるのでなく次のラウンドの開始時に入って来る。ラウンド終了時に手札上限がある事を考えれば使い道は自ずと知れるだろう。これとシナジーを生ずるのが「観光牧場」で、果たして筆者が読み間違っているのかどうか、ともかく説明の日本語を読む限りでは手札のバナナ1枚につき4ドルが貰え、しかもそのバナナは無くならずそのまま持っていられる。つまり「バナナを見せるだけで金が貰える」のだ。この理解が正しければとんでもない強カードである。醸造所と組み合わせればもはや独走だろう。

(訳注:元記事の著者は説明文を正しく理解している)

大体こんな具合だ。拡張版と元の版とを混ぜて遊べばさらに楽しいが、一部のカードは下位互換になってしまう。例えば「食品工場」は「工場」より明らかに強い。なので何を混ぜるか選んだ方がいいだろう。ほんの少しのカードだけを加えて隠し味にするのもよい。当然それには両方のセットを持っていないといけないのだが、どの道拡張版だけを買って無印を持っていない人はそうそう居るまい。

これを読み終わったら興味のある人は早速買いに行こう。……いやその前に日本行きの飛行機チケットを買った方がいいのか?

 

原文はこちら:http://www.cup.com.hk/2017/11/22/chenglap-national-economy-mecenat-boardgame/

ナショナルエコノミー・メセナ カードデザインノート(5)

新カードが作られた経緯など(その5)


消費財

消費財神経衰弱の遊び方:同じ品目をめくったら取れる

 

消費財おみくじの遊び方:同じ品目が出るまで1枚ずつめくる

2枚:凶

3〜4枚:末吉

5〜6枚:小吉

7〜9枚:中吉

10〜枚:大吉

 

消費財ババ抜きの遊び方:1枚抜いてその品目をババにする

ナショナルエコノミー・メセナ カードデザインノート(4)

新カードが作られた経緯など(その4)


鉄工所

コスト1 評価額8 あなたの労働者が鉱山にいればカードを2枚引く

バランス調整は続編の重要な側面である。バニラにはかなり意図的に強いカードと弱いカードを入れていたのだが、メセナでは強い方の極を多少マイルドにしつつ弱い方の極を底上げしてパワーの分布を狭める事にした。

この「鉄工所」はカードを2枚引けるが先に鉱山に入っていなくては起動できない。つまり正味2人で3枚のドローである。序盤に生産力が不足して手詰まりになった場合の打開策として機能する。

 

養殖場

コスト2 評価額12 消費財を2枚引く 手札に消費財があれば3枚引く

農場と大農園の中間である。条件付き3枚ドローでそれ自身とシナジーを形成する。これが存在する事で建物カードより消費財を1枚残しておきたい局面が生ずる。

今作で非常に気に入っているカードの一つ。カードパワーがちょうどいいのである。終盤になってもそれなりに使われる割に序盤に出てもゲームを壊さない。