ゲームマーケットに挑む人向けガイド

ゲーム作ったんでゲムマ出たい!という人向け案内


ゲームマーケットは近頃とみに盛況である。出展者と参加者の両方が増え続けており、新たにボードゲームを作ってみたいという人も多い様だ。そこで簡単な案内を提供する。人によって求める物が違うために「あれをしろ」「これをしろ」という指示は出しにくいので、「何が期待できるか」「何が期待できないか」「何を準備しておくか」という切り口で書いてゆく。

 

何が期待できるか

経験。制作は作って終わりではなく着弾確認まで行ってやっと完了である。完成させ、売って、遊んでもらい、感想を聞く。最後までやり遂げたプロジェクトは途中で放り出したプロジェクトよりも遥かに大きな経験になる。

情熱。制作の成果が誰かを喜ばせる事ができれば、それは次を作る原動力になる。必要とする誰かがいるから手を動かせるのだ。

交友。同業者とか隣接分野の人々と知り合う機会が非常に多い。自分から挨拶に行ってもいいし、誰かが来るのを待ってもよい。

 

何が期待できないか

利益。もし初めてゲームを作ってゲームマーケットに参加し100個を売り切ったら、ベルカーブのかなり右の方にいると考えてよい。中央値付近では印刷費を回収するのがやっとだ。豪華な箱やコンポーネントを入れたらだいぶ足が出るかも知れない。儲けが出るのはそれなりに固定客を掴み、規模のメリットを利用できる様になってからだ。

契約。ゲームを作ったらどこかの会社が見つけて契約してくれる/拾ってくれるというのは殆ど神話である。ライセンス契約をする場合、国外だろうと国内だろうと既に相当売れていなくてはならない。誰も馬の骨に資本を賭けたりしない。

評判。どんなに自信があろうと最初の反応は大した規模にならない。非常に奇抜だったり不謹慎な作品を出せば多くの人がそれについて言及するかも知れないが、それは不審者の写真を大勢で回覧しているのと大して変わらない。人気者とは違う。

要するに人生は1日で好転しない。

 

何を準備しておくか

釣り銭。コインケースに入れて多めに持って行く。半端な値段設定の場合は特に重要。

値段表。売っている物と価格の一覧を1枚の紙にまとめて印刷する。多く用意して配ってもよい。喧騒の中で何がいくらか口頭で伝えるのは悪夢だ。行列を解消するので周囲への配慮にもなる。

名刺。人が訪ねて来て名刺を置いていく事もある。交換できないと少し間が悪い。それに誰の印象に残り誰が連絡して来るか分からないものだ。

ガムテープ。売れ残りを梱包したり案内の紙を貼り付けたり壊れた備品を応急修理したりアポロ13号を地球に帰還させたりする*。

仲間。1人で出るとトイレに行けないぞ。

 

それではビッグサイトであいましょう( ・3・)ノシ

*厳密にはダクトテープ。