Tournay ルール和訳

原文:http://boardgamegeek.com/filepage/70256/rules-eng

 

ゲームコンセプト

Tournayはカードゲームです。プレイヤーは町の富裕な家族となり、地区と市民を管理します。市民は3つの種類に分かれています:軍人(赤)、聖職者(白)、民間人(黄)です。

ゲームの活動カードはIからIIIのレベルと赤・白・黄の色によって9つのデッキに分かれています。プレイヤーは最初、それぞれの色の市民を2人ずつ持っています。市民を使って様々なアクションを実行できます:カードを引く、地区の建物を使う、イベントと戦う、お金を稼ぐ。また市民を広場に集めるというアクションもあり、これで再び市民を使用可能にします。

引いたカードはターンの最初に自分の地区(9マスの格子空間)に配置できます。レベルIとIIのカードは自分に色々な利益をもたらします。レベルIII(得点建物)はゲーム終了時に全てのプレイヤーに得点を与えます。建てた本人だけでなく、他のプレイヤーも含みます。

最終スコア計算で最も多くの得点を持っていたプレイヤーの勝利です!

 

内容物

  • 基本ルール用活動カード90枚
  • 拡張ルール用活動カード18枚(拡張ルールは最後に解説)
  • 広場カード4枚
  • プレイヤー得点マーカー4個(4色)
  • 開始プレイヤーマーカー1個
  • ゲームボード1枚(裏と表がそれぞれサプライと得点)
  • 市民コマ33個(黄11個、白11個、赤11個)
  • 1金コイン30枚
  • 5金コイン9個
  • 10金コイン10個
  • イベントカード15枚
  • ダメージチップ20枚
  • 灰色市民コマ20個
  • 早見表6枚

 

準備

  • A.ゲームボードを「サプライ」面を表にして置きます。ボード上の各色スペースにその色の市民コマを3個ずつ置きます。
  • B.活動カードをレベルと色によって分け、各10枚の9つの山を作ります。最初は基本ルール用のカードだけで遊びましょう。9つの山それぞれをよく切って、ゲームボードに近い方からIII→II→Iの順番で色ごとに並べます。
  • C.15枚のイベントカードをよく切って山を作り、ボードの反対側に置きます。この山の上から3枚をめくり、表向きで横に置きます。
  • D.各プレイヤーに6金分のコイン、広場カード1枚、広場カードと同じ色の得点マーカー1個を配り、それぞれ自分の前に置きます。黄・赤・白の市民コマを2つずつ配って広場カードの上に立たせます。ゲーム全体を通して、広場の上に立っているコマは使用可能な市民です。
  • E.残りのコイン、ダメージチップ、灰色市民コマはサプライ置き場にまとめます。
  • F.開始プレイヤーを決め、開始プレイヤーマーカーを置きます。これはゲーム終了時のみ参照します。

 

活動カード

  • 建物:プレイヤーは自分の地区にこれを置きます。同じ色の市民を置いて建物を使う事ができます。使う事で建物から利益を得られます。
  • 人物:プレイヤーは自分の地区にこれを置きます。同じ列や段のカードと相互作用します。人物カードに市民を置いて使う事はできません。
  • 得点建物:レベルIIIのカードです。ゲーム終了時に得点をもたらします。全ての得点建物はプレイヤー全員に得点を与えます。
  • タウンクライヤー:9つの山それぞれに1枚ずつ入っています。このカードを引くとイベントが発生します。

 

ゲームプレイ

時計回りに手番を行います。手番は2つのフェイズから構成され、次の順番で処理します。1.手札からカードを1枚出す(任意)、2.市民を置いてアクションを行う(強制)。

手札からカードを1枚出す(任意)

手札からカードを1枚出して自分の地区に置く事ができます。その際、カード左上に書かれているコストを支払います。新たに置くカードは既にあるカードの縦か横に隣接していなくてはなりません。最初に置くカードにこの制限はありません。地区は縦3マス・横3マスまでしか広がる事ができません。

  • 既に置いてあるカードに重ねて同じ色のカードを出す事もできます。
  • 違う色のカードの上に出す場合、元々あったカードは裏向きにして対応する山の一番下に置きます。
  • コマやチップの置かれたカードに新たなカードを重ねる事もできます。ダメージチップや灰色市民コマであればサプライ置き場に戻します。自分の市民であれば広場に戻します。
  • 同じ名前の得点建物(レベルIII)を複数建てる事はできません。レベルIやレベルIIであれば同じ名前が複数あっても構いません。

市民を置いてアクションを行う(強制)

アクションを実行するには同じ色の使用可能な市民コマが必要です。使えるのは:

  • 自分の広場にある使用可能な市民(広場の上に立っているコマ)。これは無料で使えます。
  • 対戦相手の広場にある使用可能な市民。使うにはその市民コマの持主に2金支払います。使ったらその市民は広場の横に倒して置きます。コマはそのまま持主の所に留まりますが、一時的に使用不能になります。1つのアクションで複数の対戦相手の市民を借りる事もできます。

次のアクションから1つ選びます:

  • 1.カードを1枚引く
  • 2.地区の建物を1つ使う
  • 3.イベントカードと戦う
  • 4.お金を稼ぐ
  • 5.市民を広場に集める

 

1.カードを1枚引く

市民コマ1つを使うと同じ色のレベル1カードを引けます。2つでレベルII、3つでレベルIIIのカードを引けます。使った市民は元々いた広場の横に倒して置きます。カードを引く際、次の2つから選べます。

  • 山の一番上に表向きのカードがあれば、それを引いてもよい。
  • 山の上から裏向きのカード2枚をめくり、1枚を選んで引きもう1枚を表向きで山の一番上に置く。

山の上に表向きのカードがある時に2番目を選ぶ事もできます。その場合、まず表向きのカードを裏向きにして山の一番下に置きます。山にカードが2枚しか無い場合、片方が表向きになっていてもなっていなくても、その両方をめくって片方を引き、もう片方を表向きで戻します。山にカードが1枚しか無ければそれを引きます。

イベントカードと城壁:

イベントカードは2つの機能があります。詳しくは後ほど説明します。2つの機能は:

  • イベントキューに置かれている時、誰かがタウンクライヤーを引いたらイベントを発生させます。これは利益になるものも害になるものもあります。
  • キューにあるイベントと戦う事もできます。この場合、イベントカードは手札に入り城壁となります。タウンクライヤーが出た時、城壁を建ててイベントの1つから影響を受けない様にできます。

タウンクライヤーを引いてイベントが発生する場合:

2枚の裏向きのカードをめくった時、どちらかがタウンクライヤーであれば、まずもう1枚カードを引いてどちらを手札に入れるか決めます。その後、

  • 1.タウンクライヤーカードを90°傾けて元々あった山の一番下に置きます。傾けて置く事で、その山からはもうタウンクライヤーが出ない事を示します。
  • 2.サプライ置き場から1金コインを取り、イベントキュー上のイベントカードそれぞれの上に1枚ずつ置きます。コインはカードの空いている丸の上に置きます。丸が全て埋まっている場合、それ以上コインは置きません。
  • 3.全てのプレイヤーはイベントキュー上にある全てのイベントカードから影響を受けます。各効果はカードの上に乗っているコイン1つにつき1回発動します。2.でコインを追加できたかどうかは無関係です。

各プレイヤーは手札から城壁カードを出す事で城壁を建設できます。その場合イベントを1つ選び、それから影響を受けなくなります(コインが何枚乗っていようとも)。城壁を建設するには、城壁カードを裏向きで自分の地区の横に置きます。これはゲーム終了時に得点+1になります。同時に発生したイベントに対して複数の城壁を建設し、複数のイベントを防ぐ事もできます。分かりやすくするため、出した城壁カードはプレイヤーごとに重ねておきましょう。

 

2.地区の建物を1つ使う

自分の地区にある空いている建物1つを選び、それに市民コマを乗せる事で建物を使えます。建物と市民は同じ色でなくてはなりません。他のプレイヤーの広場から市民を借りる場合、その市民は元々いた広場の横に倒して置き、灰色の市民コマをサプライ置き場から取って建物に置きます。建物の効果を表すアイコンは早見表で説明されています。

重要:

  • 使えるのは空いている建物だけです。市民/灰色市民/ダメージチップが乗っていない建物が空いていると見なされます。
  • 人物カードに市民コマを置く事はできません。人物カードは他のカードの行動を強化するだけです。

 

3.イベントと戦う

イベントキュー上にあり、コインが1枚以上乗っているカードと戦う事ができます。戦うコストは左上に書かれています。2人の対応する色の市民を使うものと、1人の市民に加えて身代金を支払うものとがあります。どちらの場合でも、使った市民は元々いた広場の横に倒して置きます(自分の市民を使ったら自分の広場、他のプレイヤーの市民を使ったらそのプレイヤーの広場)。身代金を払う場合はコインをサプライ置き場に移します。戦ったイベントカードは自分の手札になり、後で城壁として使う事ができます。イベントカード山から新たに1枚めくり、空いたキューに補充します。

重要: 

コインが乗っていないイベントカードと戦う事はできません。

 

4.お金を稼ぐ

どれか1色の市民を好きなだけ使い、1人につき2金得る事ができます。使えるのは自分の広場の市民だけです。使った市民は広場の横に倒して置きます。

 

5.市民を広場に集める

建物の上に置いたものも含め、自分の市民を全て広場の上に戻します。戻したコマは立てて置きます。ダメージチップと灰色市民コマはサプライ置き場に戻します。広場に使用可能な市民が残っていてもこのアクションを実行できます。

重要: 

手札上限は4枚です。手番終了時にそれより多くのカードがあった場合、超過分を裏向きにして捨て、対応する山の一番下に置きます。城壁カードも手札として数えます。手番の終わりに手札を減らす為に城壁を建設できます。この様にして建設された城壁はイベントの影響を防ぐ事がありません。

 

ゲーム終了

ゲーム終了には2つの条件があります:

  • 1.誰かが9マスの地区を完成させ、2つ以上の得点建物が見える状態で置かれている。
  • 2.プレイヤー数+1枚のタウンクライヤーがめくられた(4人なら5枚、3人なら4枚、2人なら3枚のタウンクライヤー)。

開始プレイヤーの手番開始時にどちらかが満たされているとゲームが終了処理が始まります:

  • 条件1.を2人以上のプレイヤーが満たしている
  • 条件1.と2.が同時に満たされている

各プレイヤーは最終手番を1回ずつ行います。その後全てのプレイヤーは手札から1枚カードを出す事ができます。全員が同時に、他のプレイヤーには見せない様にカードを選んで裏向きで地区に置き、同時に表に返します。そしてコストを支払い、それによって発動する人物カードの利益を得ます。更に手札に城壁カードがあれば全て建設できます。

そして得点計算を始めます。ゲームボードを裏返して得点面を表にし、それぞれプレイヤーマーカーをボードの横に置きます。

見える状態で置かれている得点建物はそれぞれ、全てのプレイヤーに得点を与えます。参照されている要素をいくつ持っているかに応じて、それを建てたプレイヤーは左側に書かれた得点を、それ以外のプレイヤーは右側に書かれた得点を獲得します。1枚ずつ順番にスコアを計算し、計算が済んだカードはダメージチップを置いてその旨表示します。

次に、各プレイヤーは自分の地区にあるカードの得点を集計します。得点はカード左上、コストのすぐ下に記載されています。上に他のカードが重なっているカードも得点集計します。最後に城壁1枚につき1点を獲得します。

重要:

  • 得点建物1つから得られる得点は12が上限です。
  • 同じ名前の得点建物は1回しか得点を集計しません。それを建てたプレイヤーは左側の得点を獲得し、それ以外のプレイヤーは右側の得点を獲得します。

 

上級ルール

長く戦略的なゲームを楽しみたい場合、以下のルールを適用します:

準備:

  • 各プレイヤーは各色の市民コマ1個ずつと9金を持って始めます。
  • 各色プレイヤー数+3個の市民コマをゲームボードに置きます(4人なら7個、3人なら6個、2人なら5個)。

ゲームプレイ:

6番目のアクションを追加します。

6.新たな市民の勧誘

市民1人を使い、5金を支払ってサプライ置き場から市民を獲得できます。使う市民と獲得する市民は同じ色でなくてはなりません。使った市民は広場の横に倒して置きます。獲得した市民は広場に立てて置きます。これはすぐに使用可能です。

 

拡張カード

カードの効果を十分理解したら、今度は拡張カードを入れて遊んでみましょう。入れ方は2通りあります:

  • このマークが1つ付いたカードを外し、それと同じ色・同じレベルでマークが2つ付いたカードを代わりに入れる
  • マークが1つ付いたカードと2つ付いたカードを共に山に入れて切り、ランダムに3枚取り除く

他にルールの変更はありません。拡張カードは早見表に記載がありません。詳細は以下の通りです。また拡張カードには矢印の無い人物カードが含まれますが、これは同じ段や列のカードと相互作用せず、プレイヤーに恒常的な利益をもたらすものです。

  • Bakery (II):自分の広場にある軍人コマ1個につき2金、または聖職者コマ1個につき2金。
  • Brewery (I):自分の広場にある市民コマ1個につき1金。
  • Inn (I):自分の広場にある民間人+軍人のペア1つにつき4金。
  • Senator (I/II):「市民を広場に集める」アクションごとに2/3金

  • Abbey (I/II):レベルI/IIの山3つからそれぞれ一番上のカードをめくり、その内2枚を自分の手札に加える。タウンクライヤーをめくった場合、先にイベントを処理してから新しいカードをめくる。
  • Monk (I/II):同じ段・列にある白カードを使った場合、聖職者コマをもう1個使って同じ段・列にある黄色のカードを使える。
  • Templar (I/II):Monkと同じだが、代わりに赤カードを使う。

  • Catapult (I):各対戦相手ごとに、空いている建物1つを選びダメージチップを置く。このカードに市民コマ(灰色でも可)が置かれている時にタウンクライヤーがめくれられた場合、城壁と同じ様にイベント1つを選んで防ぐ事ができる。
  • Courthouse (II):最も富裕なプレイヤーから4金を貰う。同率一位が複数いる場合、それぞれから3金を貰う。
  • Knight (I/II):同じ段・列に赤か灰色の市民コマを2つ置くごとに、イベントカード1枚と戦う事ができる。2つのコマ同士は同じ段・列に無くてもよい。戦うイベントカードは1個以上コインが置かれていなくてはならない。レベルIIのKnightは戦ったイベントカード上のコインを獲得できる。
  • Lordship (I):色を1つ選ぶ。各プレイヤーは自分の地区にあるその色の建物1つごとに1金を徴収される。
  • Mercenary (II):赤い市民コマで「お金を稼ぐ」アクションを実行した場合、コマ1つにつき2金でなく3金が得られる。
クレジット
  • Designers: Sébastien Dujardin, Xavier Georges, Alain Orban
  • Illustrations and Graphics: alexandre-roche.com
  • Editing of the rules: Sébastien Dujardin
  • English Translation: Nothan Morse

 

 

追記・ルールの細かい挙動に関する情報

  • 最初に置くカードは9マスのどの場所か宣言しなくてよい。好きな方向に地区を拡張できる。
  • 場にあるカードを生贄にするカードを使って地区の列・段が減った場合、それと逆方向に再度拡張してもよい(全体が移動する)。3×3を超過しなければ何をしても構わない。
  • 効果の適用先が無い建物を使う事はできない。例えば空いている建物がどこにも無い状態で橋を使う事はできない。
  • 建物の効果が先、人物の効果が後。
  • 建物(例えば図書館)の効果でタウンクライヤーを引いた場合、まず建物の効果を解決し、次にイベントを解決し、最後に人物カードの効果を解決する。
  • 橋で他人の橋を使ってもよい。
  • 弩砲でイベントカードに乗せるコインはサプライから来る。
  • 他のカードの下にあるカードは「見えない(Invisible)」扱いになる。
  • 得点建物の集計に際しては自分の地区の見える建物だけを数える。
  • カードの得点に関しては自分の地区の見える建物と見えない建物の両方を数える。
  • レベルIIの砦はコインの乗っていないイベント「のみ」を対象にする。
  • 手札や場札を捨てる時は対応する山の一番下に入れる。
  • 対戦相手の建物を使っても人物カードの効果は発生しない。
  • 開始プレイヤーの手番が来た時にゲーム終了条件が満たされていたら、そのプレイヤーだけが「最終手番」を行う。その後全てのプレイヤーがそれぞれ1枚ずつカードを出せる(コストは通常通り支払う。色違いは通常通り下のカードを捨てる)
  • 他のカードの下にあるカードは何ら効果を持たず、終了時に特点をもたらすのみ。
  • 一度捨てたカードが再び山の上に来たらそれを取ってもよい。
  • イベントと戦う効果のあるカードを使ったらイベント自体のコストは支払わなくてよい。
  • 建物はダメージを受けても特点集計上は通常と変わらない。
  • ダメージを受けていても「見えている」まま。
  • イベントはコインの数と同じ回数だけ発動する。色を選ぶタイプのイベントはその都度選ぶ。
  • 人口を増やすカードはサプライにミープルがある限り使える。