工程表の5原則

ゲーム開発を通じて得た工程の並べ方に関する知見。

 

1.重要な工程は先に、些末な工程は後に

何事も失敗しうる。予想外の事故は起きる。プロジェクト全体の成否を決する工程を最初の方に持ってくれば、大量の労力と資源を注ぎ込んだ後で全てが無に帰す危険を多少減らせる。まず中核部分を作って駄目そうなら計画を畳むべし。

 

2.歩留まりの悪い工程は先に、確実な工程は後に

例えばラインに工程AとBがあったとする。Aに不良品は発生しない。Bは半分が不良になる。この場合、可能ならB→Aの順番で並べる。Bを後にすると仕掛品が無駄になる。

 

3.他に影響を与える工程は先に、影響を受ける工程は後に

アートアセットの仕様はメカニクスの要請に応じる形で決まる。逆にメカニクスがアートの都合で変更される事は稀である。影響を与える側の工程が済んでから影響を受ける側の工程を始めるべし。仕様が凍結されているのでやり直しが少なく済む。

 

4.変更しやすい工程は先に、変更しにくい工程は後に

一度やり終えた部分に後から修正を加える事はしばしば起きる。しかも開発が進んで初めて修正の必要が発覚する。変更しにくい工程を最初にやってしまうと、後から修正点が見つかる度に大仕事だ。

 

5.必要期間の予測不能な工程は最初に

何事も思ったより時間がかかる。半日仕事の筈が1月を要する事もある。これに上限は無く、「いつまでも完了しない」、つまり制作が放棄される事もしばしば起きる。その場合前工程分の労力が無駄になる。長時間の後に完了したとしても、その間に仕掛品が陳腐化している。