Civilization: Beyond Earth テラフォーマー経済(後編)

Civ:BEの公式販促記事


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大急ぎで不健康問題に対処しよう。まず繁栄カテゴリの美徳「病は気から」を取る。これは健康状態がクソな時でも精神力を用いて何も問題は起きていないと言い続ける事によって事態を軽減する裏技だ。まあバスの中で気を紛らわせてゲロを我慢する様な話だな。さっさと状況をコントロール下に置かなくては。

 

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同時にジェナリ南東の瘴気を労働者で片付けカヴィサンへの交易路を開く。瘴気の壁がルートを完全に塞いでいたせいで今まで交易ユニットを送れなかったのだ。対外交易は最初こそ貧弱だが、ゲーム後半の発達した都市が相手なら凄まじい量の金と科学力をもたらしてくれる。協定や同盟を締結していれば利益は更に増えるぞ!

 

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また外国貿易は互恵的であって先方の都市にも利益があるため、両者の外交関係にプラスの影響を及ぼす。当分攻め込む予定の無い人々と貿易するのがお勧めだ。

 

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過去のシリーズは富は土地から生まれるという重農主義的世界観に基づいていたが、今作の富は交易から生まれる。科学力の過半を外国貿易で稼ぐのは割と普通の事だ。平時には対外交易を重視して研究を進め、有事には国内交易に切り替えて工業力を増やすといった使い方もできるぞ。

 

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アフリカ連合から「領内への侵入」について警告を受けた。翻訳がまずいせいで少々分かりにくいのだが、これは彼らから奪った傀儡都市が文化圏を広げて向こうの領土に肉薄している事について文句を言っているのだ。安心したまえ、我々の友好関係が壊れることはあり得ない。何故なら最初から存在しないからだ。

 

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諜報員を1つの都市に滞在させて任務をこなし続けると、潜入レベルが上がって徐々に高度な仕事ができる様になる。例えばレベル1になると科学力を取ってこれるぞ。金はその気になればいくらでも稼げるし大抵余るのだが、科学力はいくらあっても十分という事は無いのだ。

 

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戦術ロボット工学を完成させ、同時にクエストも達成してアフィニティが上がった。

 

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4と5はそれぞれ砲兵と軍艦のアップグレードだ。砲兵はCiv5のカタパルトと同様、セットアップに時間がかかるが都市への攻撃力が高い。軍艦は海上から遠隔攻撃ができる。どちらも固い都市を落とす時のワンポイントリリーフとして活躍するぞ。

 

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大陸の東端に住む勢力フランコ-イベリアから協定のお誘いだ。なるほど悪くないんじゃないか? 大陸の東半分で同盟を組んで、その間に西半分を制圧するのだ。共に手を携えて事に当たりましょう。殺すのは最後にしてあげます。

 

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繁栄カテゴリを押し進め、ついにエコスケーピングの美徳を獲得した。これで今回ぶちかますテラフォーマー経済の材料が揃ったぞ。必要な物は3つ。外国貿易、テラスケープ、バイオウェルだ。

 

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テラスケープはテラフォーミングで解禁される地形改善で、元の地形に関係なくタイルの産出を食料2・生産2・文化2に問答無用で変えてしまう。非常に強力だが1つにつき6ゴールドの維持費がかかる。

 

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一方バイオウェルはバイオニクスで解禁される地形改善で、タイルの食料産出を2増やした上に健康度を1上げてくれるという超強化版の畑である。ただこちらも1つにつき2ゴールドの維持費がかかる。

 

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そこでこれらの経費を賄うために傀儡都市の貿易で金を稼ぎ、直轄都市を国土改造しまくるのがテラフォーマー経済である。傀儡都市の生み出す不健康はバイオウェルによって相殺する。エコスケーピングで強化されたテラスケープは食料3・生産3・文化3と化け物じみた産出を誇り、畑と鉱山とモアイを1つのタイルに同時に建てた様なものである。

 

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そうする内に自立システムの研究が終わり至高アフィニティがレベル6に達した。主力の歩兵が戦闘力14から24へ一気に強化されるぞ! シヴィロペディアには複数のアフィニティをバランス良く上げるのも選択肢のひとつと書かれているが完全に嘘だ。1つだけに傾注した方が明らかにユニットが強い!

 

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それでは南西の隣人、ARCことネオアメリカ暗黒メガコーポに宣戦布告しよう。向こうはアフィニティレベル2にすら達していない原始的な奴らだ。

 

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その結果一瞬でこうなった。敵はガンナーすら配備しておらずまともな戦力が存在しない。地球の歴史においてテクノロジーで後塵を拝する民族が辿ったのと同じ運命を、この惑星では思想を十分に深めていない者たちが辿るのだ。まあ思想を深める方法自体も特定分野のテクノロジー研究なんだがな。

 

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先方のCEOがついに折れた様だ。10ターンの停戦と引き換えに第2都市を割譲させた。都市を武力で占領すると各施設が66%の確率で破壊されるので、無血開城できるならそれに越した事は無いのだ。

 

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かくてこんな形になった。これ以上西への進軍を続けるにはARCの首都セントラルを迂回する方法が必要だ。

 

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そこでこの位相トランスポーターという人工衛星を使う。こいつは早い話がどこでもドアの出口である。打ち上げた場所に自分の都市にいるユニットを一瞬でテレポートさせる事ができ、あらゆる兵站問題を過去にする究極の輸送手段だ。衛星を打ち上げられるのは本来自分の都市の周辺だけなのだが、至高アフィニティがレベル8に達するとフィラクサイト資源のある場所ならどこでも打ち上げられる様になり惑星の裏側へも一瞬で行ける。

 

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というわけでブラジリアに宣戦布告だ! 東側のカヴィサンとフランコ-イベリアは同盟相手、ARCは停戦中。後顧の憂い無く全軍を突入させるぞ!

 

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と思ったらインド婆さんがアフリカに攻め込んだせいで我々も巻き込まれてしまった。このゲームの同盟は双務的かつ攻撃にも適用されるのでたまにとんでもない形で戦争が始まったりする。

 

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みんな遠征に出払っていてパンアジア本国には軍隊がいない!このままでは領土と交易路を好き放題に荒らされてしまう。

 

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そんな時に役立つのがこの軌道レーザーだ。いわゆる衛星砲という奴で、軌道上から敵のユニットを狙い撃ちできる。そして同世代のオバーシーヤーが攻撃力26しか無いのにこっちは破格の70である。攻め込んで来たローバーが1ターンに1個ずつ蒸発するのだ。まるで生けるもの全てに終わりの時を告げる死の天使みたいだぁ…(中学二年生並の感想)

 

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通行の邪魔なので停戦が切れ次第ARCも滅ぼしておく。このおばさんはモーガン社長の系譜で銭ゲバキャラらしいのだが、あまりそれを発揮する事なく退場となってしまった。

 

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衛星砲は視界さえ通っていれば都市を撃つ事もできる。ボンガニは63という破格の戦闘力を持ち近づいただけで消し炭にされてしまう。衛星を使ってじわじわ削る方が安全だろう。

 

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ARCから奪った貧しい都市を国内交易に活用する。テラスケープで直轄都市の生産力を高めつつ傀儡都市をバイオウェルだけに留めておく事で交易の利益を最大にできるのだ。

 

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フランコ-イベリアとの同盟を締結。東側3国で固まっておけば当面の安全保障は鉄壁だ。大丈夫、きっと何も悪いことは起きませんよ。

 

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と言った次のターンにカヴィサンがフランコに攻め込んでしまった。我々はその両方と同盟していたが防衛の方が優先されフランコ側で参戦する羽目になった。なんやかんやでカヴィサンとアフリカとブラジリアを同時に倒さなくてはいかん。戦い続ける呪いでもかかってるのかこの星は。

 

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主力が留守なのでカヴィサン方面は衛星砲で対処しよう。この際微妙に不便なのが、人工衛星は他国のものとも効果範囲が重なってはいけないというルールと、衛星砲の有効範囲がやたら広いという事だ。向こうの首都にはソーラーコレクターが打ち上がっていて衛星砲を置ける場所がここしか無かった。

 

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どうにかこうにかアフリカを叩きのめして停戦。どうかこの平和が世界最後の日まで続きますように!

 

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そして遂に、協調的思考の研究が完了しアフィニティレベル11のユニットが解禁された! 歩兵の戦闘力が24から48へ大幅に向上。このゲームの戦力カーブはかなり気前が良く、後半の方がユニット性能の伸び率が高いという構造になっている。序盤は接戦で終盤になると一気に盤面が傾いて行くのだ。

 

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ひたすら押しまくってブラジリアの首都を陥落させ停戦合意。健康度が酷いことになってしまった上に外国交易ができなくなった影響で財政が火の車だ。国が傾く前にゲーム自体を終わらせよう。

 

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カヴィサン首都のすぐ側にちょうど良くフィラクサイトが湧いていたので位相トランスポーターを打ち上げた。パンアジアの全ての軍団をマンディラにお住いのみなさんに直接お届けします。

 

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かくて首都を黒焦げにし講和に至った。これで惑星に存在した6つの国のうちアフリカ・ARC・ブラジリア・カヴィサンの4つが元々の首都を失ったわけだ。つまりあと1カ国が首都を失えば制圧勝利の条件を満たせる。

 

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というわけでフランコの領土にも位相トランスポーターを置こう。いきなり庭先に転送ゲートが開いてトンがった鎧の軍団が攻めて来るとか宇宙戦争感があるな。ちなみに海ヘックスには海軍ユニットも送れるぞ。

 

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これより全ての戦争を終わらせる戦争を始める。もう後戻りはできん。

 

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本命の戦略目標は首都のル・クールだが、生憎そちらには衛星を打ち上げられる場所が無い。まずプロスペリテを落として橋頭堡を築く。

 

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プロスペリテの衛星打ち上げ範囲を活用して衛星砲とトランスポーターを展開。地形が険しいせいでまともに攻めたらとんでもなく面倒臭い拠点だが、宇宙戦力を活用すれば割と何とかなってしまうのだ。

 

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海と陸から完全に包囲された姿はコンスタンティノープルの最期を思わせる。さらばだ偉大なる文明よ。

 

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かくて首都を制圧! 勝利! 細かい変更点だがCiv5と違い1ターン維持する必要は無くなった。最後の首都を落とした瞬間に勝ちだ。サクサク展開だな!

 

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では最後に、この記事を読んでいる人が一番知りたいと思われる質問に答えておく。このゲームは面白いのか? 少なくとも言えるのはCiv5より遥かに良くなったという事だ。5は古いCivのデザインと新しいデザインとが混在していてプレイヤーを振り回した。敵の都市を占領すると国力が増えるぞ! でも不幸も増えるから手加減して征服しろ! こういったコンフリクトがBeyond Earthではほぼ全て解消されている。伝統的なCivの文法と違う所もあるがデザインに一貫性と必然性がある。

 

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インターフェースの挙動の軽さとゲーム展開の速さは非常に大きな魅力だと思う。気前のいいボーナスといい畳み掛ける終盤といいCivilization Revolutionに近い部分がかなりある。本気でやり込むとAIが人間に敵わなくなるのだが、これは戦術システムを採用した全てのゲームに言える事だ。ゲームバランスという点だけで言えばアルファケンタウリよりも整っている。

 

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というわけで結論としては、ユニットを動かして探検したり戦ったりするのが好きなゲーマーならきっと気に入るだろう。何千時間もやり込む代物ではないかも知れないが、ストラテジー分野の良作の1つだ。この作品を紹介できた事は個人的経験として素晴らしいと思う。という所で終わりだ。ではまた会う日まで御機嫌よう。

 

Civilization: Beyond Earth
https://www.civilization.com/jp/games/civilization-beyond-earth/
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デモ版あり