翻訳記事:勝つ為に戦う(29)

これは翻訳記事です

 

最上級プレイヤー向けガイド

最強になったら

選んだゲームで文字通り最強になったら、あるいは最強の中の一人になったら、もうこれ以上の助言は無用だろう。というより私が助言を乞いたい。ただ、この後に直面するだろう問題について少しばかり忠告をしておきたい。

  1. 自分が権力を持っていると自覚すること。同じゲームを遊んでいる人々という世界の中の小さな部分に過ぎないとしても。
  2. それが束の間の栄光に過ぎないと理解すること。後から後から取って代わろうとする挑戦者が現れる。戦って守り切るか大人しく明け渡すかだ。
  3. 権力を持っている内に何をするか決めること。どんな良い事や悪い事ができるだろうか? いやそもそも何が良くて何が悪いか誰が決めるのか? コミュニティに対して責任があるとしたらどんな責任だろうか?

 

今や権力と共に

You got the touch,
you got the power!
スタン・ブッシュ “The Touch”
トランスフォーマー・ザ・ムービー サウンドトラックより

「理論上」最強のプレイヤーには悪いが誰も興味がない。ここで扱うのは正式な試合で腕前を証明した本物の最強プレイヤーだ。すべての挑戦を受けて立ち、公衆の前でそのゲームの強さを見せつけた者達だ。彼らは権力を持っている。

対戦ゲームのコミュニティは自然に階級が構成される。最強のプレイヤー達が頂点のエリートクラブを作る。また他のリーダー達も一緒にいる場合がある。大会運営者、ウェブサイト管理者、プレイヤー団体の代表などだ。だが常に確かなのは、最上級のプレイヤー達がこうした非公式のクラブに集まり、その下の大衆に大きな影響を及ぼすという事である。

このプレイヤー達がどう遊ぶのが良い、どう遊ぶのが正しいと言えば大衆は耳を傾ける。彼らがゲームなり大会なりにルール変更や禁則が必要だと言えば、支持者を動員して実際に影響を及ぼせる(ゲーム以外の問題についての意見は的外れかも知れないが、どちらにせよそのメッセージを聞かせるだけの影響力を持っている)。彼らは悪の親玉かも知れないしヒーロー扱いかも知れないが、どちらにせよゲーム内の技量については誰にも文句を言わせない。最上級のエキスパートは雑魚の喚きに耳を貸す必要などない。彼らは力を、勝つための力を持っているのだから。それこそまともな対戦ゲームコミュニティにおける最終判決なのだ。

勘違いした雑魚が挑戦状を叩きつけて来たり、あるいは純粋に熱心な初心者が対戦を申し込んで来たら、彼らの運命はあなたの手の内にある。情け容赦なく叩き潰してもいい。指導して育ててもいい。バレない様に、あるいはあからさまにわざと負ける事もできる。自由にできるのはゲームの結果だけではない。ある程度まで、相手がそのゲームについて、自分について、そして対戦ゲーム一般についてどんな印象を抱くか操作できるのだ。

 

原文:http://www.sirlin.net/ptw