先の記事で読み合いゲームの骨子を論じたが、実はもう一つ重要な要素がある。「ストレス」である。
人間はストレスを感じると、可能な限り早く原因を取り除こうと試みる。例えば格闘ゲームで体力に差をつけられると、取り返そうとして攻撃を急ぐ光景がしばしば見られる。「リードされている」というストレスの原因を「勝負を急ぐ」事によって早く取り除こうとするわけである。大雑把にまとめると:
「負けている側は決着を急ぐ」
のである。そしてこれは相手に読みの材料を提供する。ストレスを感じている人間の思考は手に取る様に分かるのだ。
このため、競技ゲームは多くの場合ストレス耐久テストの性質を含んでいる。自らのストレスに屈すると、技量は低下し行動は読まれやすくなる。いかに精神的圧力に耐えるかが勝敗に影響するのである。
ストレス耐久ゲームの代表は麻雀である。勝負は長時間に渡り、短い時間で決断を求められ、しばしば金が賭かる。重圧に負けて正常な判断力を失った者から脱落するゲームなのだ。この観点からすればジンクスやまじないに勝利を求めるのは理にかなっている。少なくとも、それが本人の精神への負荷を軽減する限りにおいては。
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お金がかかってるゲームだと、損失を恐れるというのもありますね。FXとかポーカーだとなかなかハイリスクな行動に出にくいので、ある程度行動が制限(推測)されてしまう気がします。
あと私は競技における読み合いとは、推測可能な運ゲだと思っています。過去の相手プレイヤーの行動を統計的に分析することである程度確率的に推測可能な未来じゃないかなと。最近のオンラインポーカーだと、対局中に、相手プレイヤーの過去の行動パターンの統計が見れるようになっているみたいですね。なかなか面白いです。