こんなのゲームじゃないわ!ただの数字の付いたカードよ!

だったら調整すればいいだろ!

iMperiumも最初から今の形だったわけではない。プロトタイプはかなりルールが違っていたのである。

 

・優勢は軍事力の合計が相手の2倍以上になると得られた

例えば軍団兵は陸軍力3、重装歩兵は2といった具合。場に出した陸/海軍カードの戦闘力をそれぞれ合計し、相手の2倍以上ならば優勢、半分以下なら劣勢、その中間なら均衡というルールだった。カエサルなどユニット破壊カードはあったものの、基本的に場札を破壊しないルールのため優勢が固定されやすいという問題が発覚。さらに戦闘力を合算する作業が面倒であった。軍隊同士を対消滅させるルールを導入してみるも優勢な側が更に有利になるばかり。結局「最後にタップした側が優勢を持つ」というルールに落ち着いた。

 

・陸軍優勢はダイス増加分を奪うのでなく共有した

当初は防壁というカードが無く、陸軍優勢を取られると畑の効果を相手に共有されるというルールだった。陸軍カードが引けなかった場合の救済措置に近い形で防壁を導入した所、今度は陸軍優勢を取る意味があまり無くなり、上方修正としてダイス増加分を「奪う」形になった。

 

・海軍優勢はドローが2枚だった

本来1枚しか引けない所をもう1枚!あまりにサービスが良すぎたため引き直しの権利に下方修正した。

 

・陸/海軍カウンターは無かった

優勢を取っても継続的な効果が得られるだけ。それでは少しパンチが弱いという事で、陸軍優勢を維持し続けると軍事勝利、海軍追撃を2回行うと手札を全て破壊というルールを導入した。陸軍カウンターが貯まっていくジリジリした緊張感はゲームに彩りを与えてくれたようである。

 

・パルテノンは偉人コストを-2した

コストを下げるというのは単に使えるエネルギーが増えるだけの話ではなく、低い目でも出せる様になる=出す機会が大幅に増えるという事である。それに気付いたのはペリクレスでパルテノンを完成させた後であった。

 

・遺産のコストは8+8だった

8コストを支払ってしまうと他の行動はほぼできない。遺産の為だけに2ターン拘束されるのは割に合わないという事で5+8に修正。

 

その他勝利条件や個別のカード性能、分布などあらゆる部分において調整を繰り返した。人が大人の姿で生まれて来ないのと同様、ゲームも最初から遊べる形では出て来ない。テストプレイを繰り返して育てねばならんのである。