間違いやすい部分
翡翠の商人は次の様に進行する。
- 一番少ない枚数を言った人が選んで取る
- 残りの人で再度競りを行う(取った人の次から競り開始)
- 全員が一回ずつ取ったらラウンド終了
最初に枚数で順位付けして取るのでなく1人取るごとにまた一から枚数を競ってね!
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間違いやすい部分
翡翠の商人は次の様に進行する。
最初に枚数で順位付けして取るのでなく1人取るごとにまた一から枚数を競ってね!
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作った経緯とかデザイン思想
ボードゲームの基本は競りである。ゲーム内資源に対して「値を付ける」、言い換えれば価値を判断して支払ってもいい犠牲を計算する行為は全ての根源である。陣取りは駒で土地を買う。ワーカープレースメントはワーカーでアクションを買う。RPGは金で装備品を買う。ほかにも株を買ったり属州を買ったりゲーマーはいつも買い物に大忙しだ。
こうした「競り」のルールを構造に分解し、いくつかの二項対立に落とし込む。ちょうど音声学で母音を前後・開閉・円唇非円唇に分類する様な具合だ。すなわち
以上7項目でルールを記述する。例えば「ハイソサイエティ」は次の様に記述される。
あるいは「アグリコラ」は次の様なゲームである。
これら全ての二項対立について一般的(無標)な値に0、変わり種(有標)の値に1を割り振る。するとハイソサイエティは0000000で、アグリコラは1110011で表される。これを2進数と見なせば前者は0番で後者は115番である。
(´・ヮ・)<0は自然数
これで0番から127番までのルール構造がデザイン空間上に生まれる。元素周期表みたいなものだ。元素と同様に既知のゲームをここに当てはめる。するとやはり同様に「理論上存在できるが未知の箇所」が多数発見される。これで未来にデザインされる競りゲームの性質をある程度予想できるわけだ。
この未来予想は常に正しい。何故なら自分で作るからだ。これら空き地のうちで最も面白そうだったのは次の組み合わせである。
ユニークなのは「機会を消費する」と「値段を釣り上げる」の組み合わせである。コロレットをはじめ「決まった回数だけ取れる」という機会費用型の競りは普通に存在するが、大抵は取る物の内容が徐々に良くなる=価格が下がる競りである。これを釣り上げ型に置き換えると取る物の内容を徐々に切り下げる競りになる。
この論理的演繹により「財宝カードを何枚取るか」を下向きに競るルールができる。「3枚取りたい」「じゃあ俺は2枚でいい」「だったら1枚で落札だ」と段々条件を切り下げていくのだ。これは同じ量の財物に対して「$1払う」「じゃあ俺は$2払う」「だったら$3で落札だ」と値を釣り上げる=条件を悪くするのと構造的に同じである。
続いて勝利点であるが、これまた既知の計算方式は概ね5つに分類できる。念能力かな?
これをそのまま財宝カードとして実装すると次の様になる。
複数の型を組み合わせたりひねりを入れたりすればもっと複雑なものも無限に作れるだろうが、基本形はこれだけである。
以上を踏まえて財宝カードを取り合うゲームができる。人間が一度に認識できる対象物はせいぜい8個なので8枚ずつ出てくる。このルールで飽きずに続けられるのは9ラウンドぐらいである。なので7ラウンドに減らして「あと少し遊びたかった」という地点で終わらせる。すると8×7=56枚のカードで成立する。これはちょうどトランプの1デッキの大きさであり、製造費用が膨らまず、また手で散らからずにシャッフルできるほぼ上限である。
物事が計算通りに行くと気持ちが良い…といったことを…「デザイン」というんだ…。
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