雑誌の今後

月刊スパ帝国が不定期刊行になるお知らせ


昨年末の総括でも少し触れたのだが、月刊スパ帝国は今後不定期刊行に移行する。工場での生産が軌道に乗って「手作りゲーム付き冊子」という形態を維持する必要が無くなったことと、本のみで十分な分量を確保しようとすると原稿を書くのが追いつかない為である。

今後も散発的な記事をブログに上げつつ、大きなテーマについては不定期に本にまとめて発表しようと考えている。例えば新米ボドゲデザイナーに渡す訓練マニュアルとか。生きているとどうしても書かずにいられない事が積み重なるものだ。本一冊分に積み上がるごとに何らかの製品が出荷されるぞ!

 

という訳で定期刊行は終わりです。これまでご愛顧ありがとうございました。これからも不定期の本を宜しくお願いします。

月刊スパ帝国Vol.24(ソルヴァーズ・アフターマス)

月刊スパ帝国Vol.24の製品情報


Vol.22「ソルヴァーズ」の追加シナリオ。最終ミッションでドゥームドーザーに勝った世界と負けた世界、それぞれの5年後を舞台に展開する。どちらも結局倒産して一からやり直しになっており初期状態から開始。データの引き継ぎ等は無い。ルールブックとデータが含まれており、この1冊だけでプレイ可能。

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内容:

  • ルールブックver.1.1
  • レファレンス
  • シナリオ2(勝った世界)
  • シナリオ3(負けた世界)
  • 上級基地シート

 

ルールブックver.1.1

細かなバランス上の修正をほどこした改訂版ルール。弱体化はせず今まで使い道の無かった部分を上方修正。無印ソルヴァーズで分かりにくかったり誤解を生んでいた部分を踏まえ全て1から書き直した。プレイに必要な情報が全て含まれている。

 

レファレンス

スキル・施設・装備品の一覧。細かい挙動は全てルールブック内の解説に記述し、こちらはプレイ中に見直す「一覧表」として分離。最後の2ぺージに掲載されている。

 

シナリオ2

全10ミッションのキャンペーンシナリオ。ドーザーを倒したがグッズ商売に失敗して倒産し5年後に再起した世界を描く。長さはシナリオ1と同じで新聞記事も各ミッションごとに掲載。船生三郎の辛辣なコメントも健在である。キルドーザーを倒した社長でもこのシナリオは苦戦するやも……?

 

シナリオ3

こちらも全10ミッションのキャンペーンシナリオ。ドーザーに負けて5年後に再起した世界を描く。ゲームそのものは同じ長さだが、紙幅の関係で新聞記事はカットされナラティブがほぼ存在しない。純粋に戦うだけのハック&スラッシュである。敵も相応に強く突破するにはかなりの戦闘力が必要だ!

 

上級基地シート

H型をしたナイトメア難易度の基地シートを表紙に掲載。コピーして使おう。

 

どこで買えるの?

  • 電子版を買う(Gumroad)(アメロード)
  • 11/29以降にAmazonまたは地域のゲームショップで買う

( ・3・)<購読者は11月23〜25日に届きます

月刊スパ帝国Vol.23(ゲームを極める100の知恵)

月刊スパ帝国Vol.23の製品情報・購入リンク


「ゲームが強くなる100の知恵」の実質的続編。そもそもゲームが強くなるって何だろう? という根源的な問いに切り込む。遊んで上達する方法から攻略記事の書き方、ゲームデザインなど幅広い内容を「プレイヤーの納得」を軸に解き明かす。64ページの読み物冊子。

  • 特集記事「ゲームを極める100の知恵」
  • コラム「ぐう凡文明興亡記」など5本

実物

電子版

同一内容のPDFファイル。

月刊スパ帝国Vol.23電子版(Gumroad)
月刊スパ帝国Vol.23電子版(アメロード)

月刊スパ帝国Vol.22(ソルヴァーズ)

ソルヴァーズ(月刊スパ帝国Vol.22)の紹介と基地シート印刷用データ


基本マップ:

基地シート印刷用データ(PDF)
基地シート表計算データ(EXcel・Open Office)

上級難度マップ:

ナイトメア基地シート(PDF)
インフェルノ基地シート(PDF)

変わり種マップ:

梅田スカイ基地シート(PDF)
ダイアモンド基地シート(PDF)
マッシュルーム基地シート(PDF)
地下基地シート(PDF)
鉱山基地シート(PDF)

ソルヴァーズwiki

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  • 64ページ冊子
    •  1人用TRPG「ソルヴァーズ」
    • コラム「片付けの話」
    • コラム「続・作文の話」
    • コラム「無意識を掘り起こす話」

 

冒頭記事:ソルヴァーズへようこそ

1人用TRPG「ソルヴァーズ」をお買い上げ頂きありがとう。本作は未来の東京でヒーロー会社を経営し、様々な街の事件を解決するゲームである。使う物は紙と鉛筆とダイス、そして創造的な問題解決能力だ!

 

ストーリー

ゲームの舞台は2059年、現在の東京都足立区にある自治体「ドゥームズデイ市」である。ここはちょうどアメリカのゲーテッドコミュニティの様な町で、自前の警察を持ち、市の全業務が民間委託されている。取り仕切るのは民間行政請負会社「ガヴァナーズ」。警察も消防も役所の人々も、みなこの会社の職員だ。

ただしガヴァナーズだけでは凶悪事件に対処できないので、民間ヒーロー会社と契約を結んで助けを借りている。ヒーロー会社は元傭兵や元警察官などで構成される実質的な民間軍事企業だ。彼らは届け出をすれば武器を携帯できるし、事件解決の為に少々周りを巻き込んでも罪に問われる事は無い。もちろんやり過ぎは禁物だが。

あなたは新興ヒーロー会社「ソルヴァーズ」の社長だ。ヒーローを雇い、本社基地を拡充し、武器を買い込み、そしてガヴァナーズからの依頼を受けて出動する。任務に成功すれば名声が高まり、失敗したり民間人を巻き込むと悪名が上がる。悪名が名声を上回るとゲームオーバーだ! そうならずに最後のミッションを突破すればゲームクリアである。

 

ヒーローとは何か

このゲームに登場する「ヒーロー」は神秘的な力やオーバーテクノロジーの産物ではなく、訓練を受けた生身の人間だ。彼らは元々警察官だったり、技術者だったり、あるいはビジネスの世界にいた人間だったりと様々なキャリアを持つ。そしてその経験を生かして問題解決のエキスパート「ヒーロー」に転業して来るのだ。

ヒーローは前職ごとに異なるスキルを覚える。前職は全部で6種類。彼らの得手不得手をいかに組み合わせるかが司令の腕の見せ所だ!

 

兵士

民間軍事企業などから転業して来た火器のエキスパート。全クラスの中で最も優れた身体能力を持ち、レベル1の時点で4回行動できる(通常は2回)。更にレベルが上がれば武器を無料で支給できるなど火力重視の戦い方が得意だ。

 

警察官

兵士とは対照的に「スマートな」解決を目指す捜査のエキスパート。近接格闘能力に優れ、素早さが上がるほど威力を発揮する。高レベルでは盗聴などの絡め手で込み入った任務を大成功に導ける。

 

ロボット

人型ではなく車両型のロボット。最初は台車に銃座を付けただけのポンコツに見えるかも知れないが、その真価は高レベルになって強化外骨格を纏った時に発揮される。能力値やダイス目に一切関係なく+16点が得られるのだ。

 

ビジネスパーソン

力でなく機転と口先で戦うヒーロー。武器や格闘の強化は無いが、交渉アプローチでは無類の強さを発揮する。能力値を高めると最終的にあらゆる交渉を100%成功させる様になる。

 

技術者

建設技術のエキスパート。法律を都合よく解釈して基地を無理矢理広げたり、非伝統的な工法で建設費を圧縮したりとやりたい放題。戦いの中でもその才能は遺憾なく発揮され、落とし穴を掘らせたら右に出る者はない。

 

科学者

実験のスペシャリスト。ソルヴァーズの研究を大幅に加速できる。他ヒーローを強化する裏方としての活躍の他、適切な武器を支給すればある程度の戦闘力を持つ。最終スキル「ミュータントヒーローズ」は恐ろしく強力だ。

 

本社ビル=基地

ソルヴァーズの本社は北千住にある自社ビルだ。これは競売物件を落札した物で、施工主が途中で破産したため1F部分しか完成していない。最初から使えるのは101号室から103号室のスペースのみでそれ以上は建て増しが必要である。

任務と任務の合間には、ヒーローの住む兵舎や武器庫などを本社内のスペースに建設できる。ヒーローはそれぞれ決まった兵舎に住んでいて、その隣や上下の部屋から色々な強化を受けられる。例えば武器庫の隣に住んでいるヒーローには「アサルトライフル」や「RPG」を支給できるのだ。

 

ゲームを始めるには

百戦錬磨のつわものどもを率いる覚悟はできたかな? 実際にゲームを始めるのに必要な物は以下の通りだ:

基地シートは1ゲームにつき1枚消費する。繰り返しプレイするには複数コピーしておこう。また基地シート上の数字はゲーム中に何度も書き換えるが、これは消しゴムで消しても二重線を引いても構わない。それでは次のページからゲームの流れを説明しよう!

 

同一内容の電子版(PDF)も販売中。Gumroadアメロード

ゲームが強くなる100の知恵++

月刊スパ帝国Vol.13の特集「ゲームが強くなる100の知恵」は非常に好評だった。そこで増補してKindleストアでも売ろうと試みたのだが、いざ登録する段になって彼らに独占配信権を与えないとまともな印税が支払われない事が明らかになり計画を放棄した。そのままお蔵入りにするのも忍びないので加筆分を掲載。なお記事内容は月刊スパ帝国Vol.21「ゲーム2.0」とリンクしている。


ゲームが強くなる100の知恵++

 

#101 自分自身を知る

ここから加筆分である。ゲーマーはそれぞれゲームにどんな体験を求め、そこから何を学ぼうとするかによって様々なタイプに分かれる。筆者はこれを民族と呼んでいる。例えば細かい数値管理を通じて複雑な手順の遂行をマスターする性向を持った人々は管理民族だ。民族には大きく分けて意思決定・研究・管理・軍人・操作・ロボット・消費者の7つがあり、ゲームに対するアプローチが根本的に違っている。

これは本来ゲームデザインの為の概念であるが、ゲーム攻略にも適用可能だ。自分がどんなタイプであるかを知れば、どんなアプローチを無意識に行っているか明らかになる。するとどんな要素を構造的に見落としているか発見しやすい。稽古事は「自分はどの様にして間違うか」を見つけるプロセスである。強くなる事を目指すなら自分自身を知ろう。

 

#102 意思決定民族

意思決定とは不完全な情報で決断を下す事である。ローグライクで強力な敵に出くわした時、逃げるのとアイテムを使うのとどちらが生き延びる確率が高いか? 射撃をすれば70%の確率で命中して敵を倒せるが、外れたら反撃で殺されるかも知れないという時に押すか退くか? こうした「正解が完全には分からない」判断が意思決定であり、それを好むのが意思決定民族である。戦略ゲーマーやボードゲーマーと大きくオーバーラップする。

意思決定民族はゲームが「公平」で「まとも」である事を当て込む癖がある。ゲームはどんな時も面白い意思決定の問題を呈示し、答えが分かり切った単純作業は存在しないと思いたがる。それゆえ退屈で卑怯な解法を構造的に見落とすのである。例えば2012年版XCOMは遮蔽に隠れて敵と撃ち合うゲームだが、実は最高難度でそれをするのは非常に危険だ。こちらが全身遮蔽に隠れていてさえ敵の攻撃は十分に致死的だからである。安全な解法は敵のレンジ外で塹壕に立て籠り、ひたすら時間をかけて1体ずつ狙撃するという物である。

言うまでもなく、この解法を適用すると戦場は反復作業に限りなく近くなる。前衛の兵士はひたすら伏せ、後衛の狙撃手は敵がひょっこり顔を出すまで無限に待ち続ける。それは意思決定民族が思い描くゲームとは少々異なっており、故にその解法を無意識の内に探索候補から外すのである。

*ちなみに2013年の拡張パックでAIが改善され、この種の塹壕戦は使えなくなった。

 

#103 研究民族

研究民族はゲーム世界のハッカーである。彼らはゲームの隠れた細部を調べ上げ、プレイヤーが見る事を想定していないデータに辿り着き、驚くべき解法を探し求める。開発者をアウトスマートする事こそゲームをする理由である。「お前は完璧なゲームを作ったと思っているのか? そうじゃない事をこれから証明してやるぜ」という具合なのだ。TASや凄まじい縛りプレイの挑戦者と概ねオーバーラップする。

この民族はゲーム世界をトゥルーマン・ショーの様な物だと当て込む。つまり一見もっともらしいシステムともっともらしい攻略定石が用意されているけれど、それらは全てハリボテであってよくよく検分すると継ぎ目が綻び、最後にはライトが落ちて来て世界の化けの皮が剥がれるのだ。この期待の故に目の前に差し出された明白な解法をしばしば拒絶してしまう。「相手が投げに来たら投げ抜けを入力して引き分けにしろ」といくら言われても、何か別の手段で裏をかけるとつい考える。

これはある意味で意思決定民族の裏返しである。意思決定民族がゲームを綻びの無い物と当て込むのとちょうど逆に、研究民族は何らかの綻びがある筈だと当て込む。「開発者が想定していなかった不思議な答え」を不釣り合いに好む性向が自分にあると知っておこう。裏技を見つけられないのは自分が無能だからではなくて、単にきちんと作られたゲームだからかも知れないのだ。

 

#104 管理民族

管理民族とは、多数のデータと複雑な手順をミス無く取り扱うゲーマーである。実際のところ、過去の「シミュレーション」ゲームの多くは管理民族向けに作られている。停電やら交通渋滞やら汚染やらを一々管理して適切な処理を与えるのも一種の才能だ。

管理民族はゲームが「法の支配」の下にあると当て込む。つまり「正しい手順」と「間違った手順」がどこか見えない就業規則書に網羅されており、それに従っている限り決して悪い結果が生じる事は無い。失業率が高ければ職場を増やす。渋滞が酷ければ公共交通機関を整備する。所与の状況に対して「正しい答え」は常に決まっており、何が正解か分からない状況を好む意思決定民族とはこの点で大きく違っている。

例えばXCOMで敵と撃ち合いになったら遮蔽に隠れるのは正解、道路の真ん中に突っ立っているのは不正解である。だから隠れた。なのに敵の弾が当たるなんてルール違反じゃないか! という具合だ。あるいは無防備な敵に上手く接近した。命中率は95%だ。なのに自分の弾が外れるとこれまた不公平だと感じるのである。

残念ながら歪んでいるのは乱数表でなくゲーマー自身の期待である。管理民族は「定石に則っている限り悪い結果は生じない」という世界を無意識に当て込む。ゆえに95%を100%と容易に混同するのである。

 

#105 軍人民族

軍人民族とは反射と操作精度を極限まで高め、人間戦闘マシンへと昇華して行くゲーマーである。強くなり続ける事は彼らの目標だ。ゆえに「強さで全てが決まるシンプルな世界」を無意識に当て込む。

ゲームデザイナーのデイヴィッド・サーリンはある時、格闘ゲームの対戦で相手に5回連続で投げを浴びせた。すると相手は抗議した。おいおいそれしか出来ないのか? 興味深いのは、その対戦相手がプレイ自体は上手かったという事である。彼は軍人民族の陥穽にはまっていたのだ。操作のテクニックとか、相手の技に反応する精度といった戦闘マシンとしての技能を磨くと「戦闘力」が上がる。試合前に両選手の戦闘力を計測すればどちらが勝つか分かる……という様な根拠の無い当て込みだ。

勝負を決めるのはそれだけではない。駆け引きや互いの考えの噛み合わせも関わって来る。格闘ゲーマーはしばしば、自分より少し弱い相手には安定して勝てるけれども、もう一回り弱い相手には思わぬ黒星を貰う事がある。実力が違い過ぎると考えを読む事ができなくなり、連続して裏をかかれる事がよくあるのだ。強さを追求する者の落とし穴とは、自分が「強さ」と定義する以外の要素を過小評価する事である。

 

#106 ロボット民族

ロボット民族は機械の指示に従って反復作業をこなすゲーマーである。実のところ、この民族は本書で扱う戦略ゲームとはいささか居住地が離れている。戦略ゲームは複雑な問題に対して自分で解法を考えるゲームである。ロボット民族は村や農場の経営といった、するべき事が分かっていて機械の指示に従えばよい作業を楽しむ。

ロボット民族の当て込みは「報酬」である。つまり一定の時間を投下したらそれに見合った成果が得られると考える。これはしばしば、ゲームの練習において障害になる。上級者の指導の下に自分のリプレイを見て改善点を探しながら練習するプレイヤーと、ひたすらコンソールの前で時間を潰すプレイヤーでは上達の速度に大きな差がある。上手くなるというのは時間を生贄に捧げて技量を神から下賜される過程ではない。自分がどう間違っているか、どの様に下手かをひとつひとつ発見して直してゆく創造的な作業である。

 

#107 消費者民族

消費者民族は広義の買い物を楽しむゲーマーである。MMORPGでレベル90まで到達したい。その為には時間なり金なりを投じなくてはならない。では何を買ってどの狩り場でレベルを上げるのが最も効率良く欲しい物を手に入れる道筋なのだろうか……とあれこれ思案する事に喜びを見出す人々である。

これも戦略ゲームとはだいぶ居住地が離れている。消費者民族はしばしばアイテム課金制ゲームに逗留しているが、これは戦略ゲームと非常に相性が悪い。恣意的に難易度を上下させられると戦略のバランスそのものが崩壊するからだ。

消費者民族の当て込み、というより世界観は「コストと欲しい物」の二分法である。例えば格闘ゲームのコンボを練習するのであれば、練習時間がコストでそれによって得られる勝率が欲しい物である。これはしばしば過程を楽しむ障害になる。練習を「本当のゲーム体験を始める前のコスト」と見なしてできるだけ圧縮しようと考えると、結局苦行の長さに飽き果てて放り出す事になる。上手いプレイヤーの多くは練習過程も含めて楽しんでいる。「すぐ勝てるキャラはいますか?」と聞くのは一番不毛だ。

 

#108 操作民族

操作民族は固定の集団というより、ゲーマーになりたての未分化細胞である。彼らの目標は機器の操作に習熟する事だ。子供や若年層と比較的オーバーラップしている。アクションゲームとかカジュアルゲームが主な居住地だ。

未分化ゆえ悪い習慣や構造的な当て込みを指摘するのは困難である。彼らに伝えるべき何かがあるとしたら、ゲームは非常に範囲の広い物で、ちょっと足を伸ばせば非常に様々な世界が広がっているという事だ。箱庭を眺めたり、1/60秒単位の駆け引きをしたり、味方のうち誰が一番死んでも構わないか決断するのもゲームの楽しみである。ボタンの押し方を覚えただけで「卒業」してしまうのは勿体ないぞ!

 

#109 交流しよう

これが本当の最後だ。他のゲーマー、とりわけ他民族のゲーマーと交流してみよう。自分がどんなゲーマーでどんなアプローチを採っているか、他の人々と比較するとよく分かる。筆者は研究の得意なゲーマーと出会うまで、自分が無意識に「ゲームを壊す」解法を避けている事に気付かなかった。自分自身を相対化し、どんな存在であるか知る事は、遠回りだが確実にゲームが強くなる道である。という所でゲームファンのみんな、また次の本までご機嫌よう。

 

「ゲームが強くなる100の知恵」「ゲーム2.0」の購入はストアから
Amazonでも取り扱っている。

月刊スパ帝国Vol.21

ゲーム付きミニ雑誌「月刊スパ帝国」Vol.21の紹介


Vol.21は特集「ゲーム2.0」と題し、ゲーマーを7つの民族に分類してデザイン上の論争を解きほぐす。変則トランプゲーム「ロンバルホールデム」ルール付き。

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内容:

  • 特集「ゲーム2.0」
    • 1章:ゲームは未来のキャリアだ
    • 2章:私は何者か
    • 3章:ゲーム2.0
    • 4章:2030年に向けたゲーム作り
    • 5章:未来の衝撃
  • 動画を分業する話
  • 強くなる為に戦う
  • 作文の話
  • なぜ有料コンテンツは失敗するか

Vol21

1部¥950+送料。注文は直販ストアから。

Amazonから買いたい場合はこちら(ちょっと高いけど送料無料)
秋葉原のお店で買いたい場合はこちら(Amazonと同じ価格)
電子版はこちら(Gumroad)(アメロード)(¥600)

月刊スパ帝国Vol.20

ゲーム付きミニ雑誌「月刊スパ帝国」Vol.20の紹介


Vol.20は戦時経済ゲーム「ウォータイムエコノミー」の拡張パック。12ヶ国を追加すると共に、4ヶ国で同盟を組んで共同の勝利を目指す「アライアンスゲーム」が登場! 1人でも、多人数協力でも、新たな戦略で伝説級勝利を目指せ!

Vol20

内容:

  • 「ウォータイムエコノミー」拡張版
    • 追加国ボード6枚(12ヶ国:オーストラリア・中華ソビエト・エチオピア・自由フランス・ギリシャ・ハンガリー・オランダ・ポーランド・ルーマニア・スウェーデン・スイス・ヴィシーフランス)
    • 追加スコアボード(アライアンスゲーム:1人または多人数協力ゲーム)
    • 各種ルール
  • デザインノート
  • ゲームレビューコーナー
  • 読み合いを読まない話
  • メカニクスのスイートスポット
  • 「運ゲー」の問題
  • キャラクタ調整の問題

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新たな戦場。共同の勝利を目指して各国の仕事を分担しよう。目前のノルマを突破する係、国力を蓄えて最後のスコアを稼ぐ係、金を稼いで他の国に流す係。多様性こそが生き延びる力だ!

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新たな勢力! 全く異なる12ヶ国に最適な戦略を見つけよう!

補足:

  • その職場の全ての行動を実行できない限り、職場にダイスを置く事はできない。例えば労働力を増やせない状況で、ダイス回収のために中華ソビエトの「動員」を使う事は不可。

 

1部¥950+送料。注文はストアから。

月刊スパ帝国 Vol.19

ゲーム付きミニ雑誌「月刊スパ帝国」Vol.19の紹介


Vol.19は戦時経済ゲーム「ウォータイムエコノミー」だ。労働者ダイスを6つの職場に配置し、産業基盤を整えて武器を作れ! 最後に最も多くの軍事力=勝利点を持っていたプレイヤーの勝ちだ!

Vol19

内容:

  • 20ページ+表紙のオフセット冊子
    • XCOM: Enemy Unknownプレイ日記「ぐう凡地球警備隊ファイナル」
    • ゲームレビューコーナー
  • 1〜4人用ボードゲーム「ウォータイムエコノミー」
    • ゲームボード
    • ダイス
    • チップ
    • ミープル
    • ゲーム用紙幣

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全て能力の異なる8ヶ国が登場。好きな国を選んでWWIIを戦い抜こう。インフラを整え、労働力を動員し、技術を高めて勝利へ邁進するのだ。

ウォータイムエコノミー盤面

要所要所には「真珠湾」「スターリングラード陥落」などのイベントが設定されており、最初に通過したプレイヤーにボーナスをもたらす。ポジション取りの駆け引きが重要だ。

「ショート」「ロング」「ソロ」の3つのゲームモードを実装。1人でも大勢でも時間が無くても遊べるぞ。インストも簡単だ。1プレイ10分〜30分。

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遊び方はこちら:完全版ルールPDF

*ルール補足

  • 「生産」に複数のダイスを置いた場合はダイス1個ごとにそれぞれ費用を支払う
  • 技術ボーナスはダイス1個ごとに発生する。例えば経済技術+1の時に2を2つ徴税に置くと(2+1)×2=6で$6手に入る。
  • ダイスを置く順番は自由。まず徴税に3を置き、次に研究に2を置いてから再び徴税に3を置くという事も可能。
  • コストの足りない行動は選べない。
  • 中国の徴兵で24点を1位通過し、経済技術を高めたとしても、金銭収入に適用されるボーナスはその職場を起動した時点のものである。(1つの職場に備わっている機能は全て1チャンクとして連続で処理され、間に他の処理を挟む事は無い)

 

1部¥950+送料。注文はストアから。

月刊スパ帝国 Vol.18

ゲーム付きミニ雑誌「月刊スパ帝国」Vol.18の紹介


Vol.18は特集「カードゲームをつくろう」と題し、ルール作りからデザイン・印刷までひとつの作品を完成させる手順を解説。チュートリアルとして2人用カードゲーム「マインドマスター」を掲載する。いつもの記事も継続中!

vol.18

内容:

  • 64ページ+表紙のオフセット誌
    • 特集「カードゲームをつくろう」
      • 1章:芸は模倣から
      • 2章:ゲーム作りの手順
      • 3章:ルール作り
      • 4章:デザイン作り
      • 5章:印刷と裁断
      • 6章:説明書の書き方
      • 7章:作例「スパイマスター」
    • XCOM: Enemy Unkownプレイ日記「ぐう凡地球警備隊」
    • 格闘ゲームへの誘い
    • 中国サーガ
    • 日本語を教える話
    • ゲームレビューコーナー(シティビルダー、Yomi: Shadows、ドッカーン、アンドールの伝説)
    • 2人用カードゲーム「スパイマスター」ルール

 

XCOM: Enemy Unknownプレイ日記 ぐう凡地球警備隊

今回の「ぐう凡」の題材はXCOM: Enemy Unknownである。街中に立て籠るエイリアンを掃討するため、銃で武装した兵士を4~6人送り込んで撃ち合うというSRPGだ! 身を隠す・回り込む・遮蔽物を爆破するなどのリアルな歩兵戦術が勝利の鍵である。なお難易度は最高の「インポッシブル」に設定し、リロードを禁じる「アイアンマン」をONにする。DLC・拡張・MODの類は一切無し。「拘束」等のバグ技は禁止とする。Wikiには「絶対に不可能」と書かれている条件だが何とか頑張ってみよう!

 

開始

2015年3月、外宇宙からの侵略を受け地球は危機に瀕している! 世界各国は特殊戦闘部隊XCOMを編成、これに対処する事になった。プレイヤーはその司令官としてエイリアンと戦いつつ、目に見える戦果を挙げて口うるさい評議会を納得させなくてはいけない。簡単に言うとネルフの司令みたいな立ち位置だ。

最初に決める事は、XCOMの本部基地をどこの国に置くかだ。XCOMは世界16ヶ国の共同プロジェクトながら、毎月資金を拠出してくれるのは本部のある1ヶ国だけである。残りの国は人工衛星を打ち上げて保護する事によって金を出してくれる様になる。当然豊かな国の方が拠出金は多いぞ!

またこれに加えて「大陸ボーナス」という物もある。1つの大陸全ての国に衛星を打ち上げた場合、またはそこに本拠地がある場合、それぞれ異なった特殊ボーナスが貰える。例えば南米大陸ならエイリアンの生態研究が一瞬でできる様になり、アジアなら新兵器の開発が安くなる。今回は拠出金が最も多いアメリカ合衆国を選択しよう。大陸ボーナスは戦闘機の購入・維持費50%減だ。では始めよう!

 

ミッション#1

最初のミッションはメキシコで発生した人間誘拐事件の調査だ。エイリアンが地球を侵略しているとは言い条、いきなり宇宙艦隊で押し寄せて来て爆弾を落としているわけではない。今はまだケチなUFOで散発的にやって来て人間を拉致したり種々な悪戯をしているだけだ。今回はメキシコの商店街に降下ポッドが現れ、人間が大勢連れ去られている。XCOMの精鋭部隊4人(全員新兵)を突入させ掃討だ!

降下地点の目の前には商店の入り口があるが、真っ直ぐ突っ込むとエイリアンの待ち伏せを受ける確率が高い。ここは横から迂回しよう。殆どのマップには正面ルートと迂回ルートがあり、どれも迂回した方が楽である。商店の横の壁に沿って歩き、角から顔を出して覗いてみると……エイリアン発見! 裏口のゴミ箱の傍に宇宙人3体がたむろしていた。この面に出て来るのは「セクトイド」というグレイめいた灰色のチビである。こちらに気付き戦闘隊形を取り始める!

さていよいよ交戦が始まる訳だが、どうやって戦うべきか? 突っ込んで撃ち合うという答案は零点だ。敵はゴミ箱や壁を「遮蔽物」として利用し身を隠している。こちらには一切身を隠せる場所が無い。遮蔽の後ろに隠れているユニットは敵の射撃が大幅に当たりにくくなるので、このまま戦っても不利である!

模範解答は「一旦引っ込む」だ。まず壁の後ろに隠れる。すると敵が「地球人どもはそっちか? 見て来いカルロ」とばかりに1体ずつひょっこりと顔を出す。そうしたら分隊全員の一斉射撃で蜂の巣にするのだ。これを繰り返して見事殲滅。最初の面に出て来る敵は8体なので、これで残り5体となった。

そのまま店の裏沿いに進んで隣の本屋へ行く。ドアを開けるとここにもエイリアンが2体潜んでいた! こちらに気付き店内の本棚の後ろに隠れる! こういう場合は突っ込むのが正解だ。本棚も遮蔽物であり防御ボーナスをもたらすが、それはあくまで「射撃手と対象の間」に遮蔽があった場合だ。踏み込んで横に回り込めば遮蔽効果は一切無くなり、無防備なエイリアンを撃ち殺せる! これで残りは3体だ。

すると店の表側から物音がし、エイリアン3体が出現! そこでこちらは店の2階へ素早く移動する。2階部分は地上から死角になっており撃たれる心配が無い。のこのこと近づいて来た所に上から手榴弾を落とし爆殺だ! 任務完了。死者0人。

 

続きは雑誌で読もう。1部¥950+送料。注文はストアから。

月刊スパ帝国 Vol.17

ゲーム付きミニ雑誌「月刊スパ帝国」Vol.17の紹介


Vol.17は帝国建設パズル「4X」全20面を掲載。内政・研究・征服を駆使して銀河に版図を広げよう! 今号は大真面目な考察記事も多数掲載。読み物目当ての人も存分に楽しめるぞ!

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内容:

  • 64ページ+表紙のオフセット誌
    • 1人用帝国建設パズル「4X」
    • デザインノート
    • Papers, Pleaseプレイ日記「ぐう凡入管報告書」
    • ゲームレビューコーナー(Papers, Please・アリスインナイトメア・カーマゲドンTDR2000・FEZ・Cookie Clicker・ロッカレイル・Wolfenstein 3D・禁断の島・Rock of Ages)
    • ライトゲーマー論批判
    • キングメーカー問題
    • フリーフォーオール問題
    • 揮発性リソースの考察
    • ゲームの金に関して

 

フリーフォーオール問題

恣意的な掩護=キングメーカーと並ぶ問題が、「恣意的な妨害」である。例えば古典ボードゲーム「RISK」がそうだ。これは世界征服ゲームで、各自が地球上に陣地を持ち、隣接していれば誰でも好きな相手を攻める事ができる。当然ながら対人戦は「こっち来んな」「あっちを攻めようぜ」という外交場になるわけだ。

「ディプロマシー」の様に外交プロセスそのものがゲームの中核であればそれは問題ではなくデザインである。しかし戦略の技量を競うゲームにおいてそれは瑕疵である。AとBが攻撃と報復を繰り返している間にCが力を蓄えて勝利をかっさらう。BがCを攻めたせいでAの勝利が決まる。これはいささか理不尽である。

「パズルストライク」はかなり攻撃的にこの問題を解決している。プレイヤーは他のどのプレイヤーでも自由に選んで攻撃できるし、誰から誰の攻撃でも自由に横から打ち消せる。攻撃を受けるとそのプレイヤーの場にジェムが積み重なり、一定量を超えると負けになる。その時点でゲーム終了だ。

面白いのは、この時最もジェムの少ないプレイヤーが単独勝利するというルールである。つまりABCが共謀してDを集中攻撃したとしても、Aのジェムが最も少なければBとCは負けてしまうのだ。従ってその状態でDに致死的攻撃が浴びせられたら、自分が勝つ可能性を残すためにそれを横から打ち消さなくてはならない。

つまり各自が勝利を目指した場合、必ずどこかで同盟が破綻して新たな陣営が組まれるのだ。そして新たな協力関係もまた一時的であり、「誰かを負けさせない」物であっても「誰かを負かす」あるいは「誰かを勝たせる」物にはならない。

「テラミスティカ」もこの問題の解決策をゲームの中核に持っている。これはボード上に家や交易所を建てる開拓ゲームである。「カタン」がそうだった様に、この種のゲームは空いている場所が有利だ。同じ地域に他のプレイヤーと共生していると開拓の余地が減る。自分のいる所に他のプレイヤーは来て欲しくない。これまた「こっち来んな」「あっち行け」の大合唱である。

ところがテラミスティカの場合、他のプレイヤーと隣接している事によるボーナスが存在する。誰かが隣接地域に建物を作ると「マナ」という特殊資源が手に入るし、他のプレイヤーに隣接している家は交易所へのアップグレードコストが安くなる。

更に、入植できる土地はプレイヤーごとに異なる。あるプレイヤーは沼地にしか入植できず、またあるプレイヤーは山岳にしか入植できない。この2つの仕組みによって「誰かの近くに入植して妨害する」という行為は非常にやりにくくなっている。

恣意的な妨害はゲームバランスの爆弾であり、人間関係にも悪影響を及ぼす。先進的なゲームはこれをできるだけ取り除く様に作られている。

 

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*訂正

10面の答えは正しくは4.内政 5.征服です。