ゲーム付きミニ雑誌「月刊スパ帝国」Vol.15の紹介
Vol.15はダイス乱闘ゲーム「ころころシアム」を収録。更にデザインノートやゲームレビュー、中国おもしろ話などを雑多に詰め込んだ一冊である。
内容:
- 2〜4人用ダイス乱闘ゲーム「ころころシアム」
- ダイス
- HPチップ
- 攻撃値カウンター
- レファレンスシート兼HPカウンター×4
- 20ページ+表紙のオフセット誌
- Minecraftプレイ日記「ぐう凡鉱山採掘記リターンズ」
- ゲームレビューコーナー
- デザインノート
- お便りコーナー
- ゲームが強くなる100の知恵番外編「チャンス(確率)をつかめ!」
- 中国サーガ
コラム:中国サーガ
2006年ごろ中国の上海にいた。当時はまだ規制がゆるく種々なインチキ商売が町にはびこっていた。例えば海賊版DVD屋である。アメリカや日本や韓国の映画DVDが全て1枚10元(150円)で売られていた。会員カードを作ると更に1割引である。露店もあるが多くは店舗を構えており、同じ通りに密集するので道1本がまるごと海賊通りと化す。これはある日当局の査察が入って一夜にして全て消滅した。
海賊版PCソフトもある。Officeやらゲームやらはもちろんの事、Windows 96とかWindows 99と称する謎の製品も売られている。これは95や98にサービスパックを適用した物らしい。また「アクティベーション免除版」Windows XPというのもあった。アウトローなのに気遣いが細やかである。
物理的な偽物もある。中国の工場で作る偽ブランド製品はしばしば西側世界で問題になるが、変わり種で「本物の偽物」というのもある。これは正規の委託生産工場がこっそり多めに作って闇市場に横流しするのである。何しろ本来の生産者であるから物自体は本物と全く同じだ。造幣局が贋金を作る様な話である。
偽領収書屋もいる。中国の領収書は国家の発行する印紙であり、10元とか100元とか固定の金額が書かれている。店はこれを買って来て、顧客の求めに応じて判子を押して渡す。不正会計を防止する当局の苦慮である。にもかかわらず使用済み領収書を回収して売る者が後を絶たぬ。駅の出口あたりに立ってダフ屋よろしく片手に領収書の束を持ち声を掛ける。しかもそれが大勢いる。中国語で領収書をファーピャオと言うのだが、「ファーピャオファーピャオファーピャオファーピャオ」と寸分違わぬリズムで全員が連呼するのである。
偽ファーピャオ屋の横には往々にしてメロン屋とパイナップル屋がいる。中玉を8つぐらいにカットした物を串に刺して売っている。これまた大勢いる。そしてカットの仕方も刺している串もそれを入れているバケツの色さえも同じである。上海は暑いので蝿がたかる。そこで片手に持ったタオルを左右に振って追い払うのである。このタオルをメトロノーム代わりにして「イークァィイークァィイークァィイークァィ」とこれまた寸分違わぬリズムで連呼する。イークァィというのは1元の事である。果物1切れが15円だからだいぶ安い。ただし衛生管理状況は不明である。
観光名所に行くと露店がたくさんあって本やアクセサリを売っている。そこで買った毛沢東語録は乱丁本であった。子供の拳ほどあるクロム鋼製の球が1元で売られていたので買ってみた。本当に何という事も無いただの球であった。よくよく検分すると小さな凹みがあったので恐らくベアリング工場の不良品だろう。翡翠の小物もよく見かける。翡翠はジュダイトとネフライトの両方を指すがこの場合は価値の低いネフライトである。定価は1個10元だが値切ると1元まで下がる。一事が万事この調子で随分混沌とした町であった。ただし2010年の上海万博以後は当局に「掃除」されてしまい、怪しい連中は鳴りを潜めたそうである。
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