マゴスの背景設定。説明書のページが足りずに割愛されたもの。
a-1:練習用ダミー
HP 10 1ダメージ/2ダメージ/3ダメージ/ミス/ミス/ミス
規則的にスイングする人形にどつかれて怪我をした人を慰める専門の仕事が成立する程度にこの街の分業は進んでいる。
a-2:怪魚
HP 10 2ダメージ/2ダメージ/ミス/ミス/3ダメージ/4ダメージ・重複不可*
*6の目が複数出ても1回分しか適用されない
水浸しの牢獄跡にはいくつかの亀裂から太陽光が注いでおり、人食い魚を頂点とする生態系が成立している。
a-3:ウィッチドクター
HP 10 ミス/マナに2ダメージ/3ダメージ/ミス/5ダメージ/ミス
彼は元々山菜や小動物を採集して暮らしていたが、ある時異界から金を持った間抜けが現れて谷底に落ちて死んだ。それ以来谷の番をして獲物を待ち続けている。
a-4:フロストトロル
HP 15 ミス/2ダメージ/ミス/4ダメージ/ミス/6ダメージ・重複不可
脇から固有の臭い物質を分泌しており縄張りの主張と他生物への警告に用いられる。不用意に生活圏に侵入すると出会い頭に襲われる危険がある。
a-5: ネクロマンサー
HP 15 HP4回復/2ダメージ/3ダメージ/4ダメージ/ミス/ミス
彼らの宗教において屍体は自然からの贈り物とされ、髪の毛一本まで利用し尽くす事が返礼であると考えられている。彼ら自身の遺体にこの法則は適用されない。
a-6:ヴァンパイア
HP 10 HP2回復・2ダメージ/ミス/HP2回復・2ダメージ/ミス/HP2回復・2ダメージ/ミス
成体のヴァンパイアは1日に3~4リットルの血液を摂取するほか、必要に応じて果物や昆虫などの副食で栄養を補う。
a-7:ウォートマトン
HP 20
HPが20~11の時:ミス/ミス/3ダメージ/4ダメージ/ミス/ミス
HPが10~1の時:5ダメージ/ミス/5ダメージ/ミス/5ダメージ/ミス
魔術的に組まれた全自動殺戮機。「動く物を探す」「動かなくなるまで殴る」の2種類の命令だけが与えられている。
a-8:暗殺者
HP 15 HP3回復/2ダメージ/ミス/ミス/ミス/10ダメージ・重複不可
彼らは主観的には自警団である。怪しいと感じたよそ者に尋問する裁量と最高で死刑までの量刑を判断する裁量が同時に与えられているに過ぎない。
a-9:石像ガーゴイル
HP 25 ミス/2ダメージ/ミス/ミス/5ダメージ/ミス
石に擬態して獲物を待ち伏せる森の狩猟者。実は鳥目なので新月の夜になると地元民に網で収穫される。
a-10:死神
HP 15 マナに4ダメージ/マナに4ダメージ/ミス/ミス/4ダメージ/5ダメージ・重複不可
魂を半分だけ刈り取っても人間は問題なく生きていられる。こうした機能的冗長性をマナとして活用する呪文も存在する。
a-11:骸骨騎士
HP 15
HPが15~11の時:ミス/2ダメージ/ミス/4ダメージ/ミス/ミス
HPが10~1の時:HP全回復*/2ダメージ/ミス/4ダメージ/ミス/6ダメージ・重複不可
*HPが回復しても行動パターンが変わるのは次の手番から
工学と芸術に多様な才能を発揮し初めて詳細な骨格標本をスケッチした経歴は第二の人生に全く活かされなかった。
a-12:眠りライオン
HP 25
HPが25~16の時:HP2減少*/HP2減少/ミス/ミス/3ダメージ/4ダメージ・重複不可
HPが15~1の時:2ダメージ/2ダメージ/ミス/ミス/5ダメージ/7ダメージ・重複不可
*HPが減っても行動パターンが変わるのは次の手番から
極めて不活発で1日16時間寝ているが、ちょっかいを出して来る生物に反射で噛み付くだけの活動レベルは睡眠中も維持している。
a-13:デーモン
HP 20 HP4回復/マナに2ダメージ/3ダメージ/4ダメージ/5ダメージ/ミス
世界の亀裂を押し広げて虚無との直結街道を建設すべく送り込まれた尖兵。優れた規律と忠誠心を持ち1日に40キロ行軍する。
a-14:地竜
HP 20
HPが20~11の時: HP4回復/HP4回復/ミス/ミス/5ダメージ/6ダメージ・重複不可
HPが10~1の時: マナに2ダメージ/マナに2ダメージ/ミス/ミス/3ダメージ/4ダメージ・重複不可
体の3割が硅素で構成されており、傷ついても土を摂取して再構成できる。色と模様がしばしば変わる。
a-15:水竜
HP 10 HP全回復/HP全回復/HP全回復/ミス/5ダメージ/6ダメージ・重複不可
実質的には巨大なクラゲであるが、鋭い爪と猛毒の牙と炎の息を持つ点だけが異なる。
a-16:炎竜
HP 10 3ダメージ/3ダメージ/マナに4ダメージ/ミス/5ダメージ/6ダメージ・重複不可
易燃性のガスを排泄する羽虫の群体。獲物に取り付いて自爆攻撃で殺し卵を産み付ける。
a-17:虚無よりの闖入者
HP 25
HPが25~16の時:HP全回復/HP全回復/ミス/ミス/5ダメージ/6ダメージ・重複不可
HPが15~11の時: マナに3ダメージ/マナに3ダメージ/ミス/ミス/3ダメージ/4ダメージ・重複不可
HPが10~1の時:4ダメージ/4ダメージ/ミス/ミス/5ダメージ/6ダメージ・重複不可
熱力学的死を迎えた世界の集合的住民。脆弱な生物の暮らす異界を約束の地と見なしている。
1/2:調和
ダイスを1個置く。目の数だけマナ回復。
過呼吸処置の要領で血液中の酸素を減らしマナ濃度を高める。窒息の危険があるので初学者は適切な指導の下で行う事が望ましい。
3/4:苦痛
ダイスを1個置く。2ダメージを与える。
対象の筋肉を異常緊張させる。元は剛力術として研究されたが、骨折に繋がる場合が多かったため攻撃手段に転用された。
5/6:火球
ダイスを2個置く。うち1個の目の数だけマナを消費し、もう1個の目だけダメージを与える。
火のついた松明を投げて爆発させる。魔力のみで燃焼材まで作り出す場合よりはるかに省力である。
7/8:治癒
ダイスを1個置く。目の数だけマナ消費。HP4回復。最大マナ1減少。
千切れた腕を再接合するには30~40秒以内が限度。それ以上経過するとマナが流出して傷口が引き合わなくなってしまう。
9/10:共鳴
同じ目のダイスを2個置く。好きなだけマナを消費し、同じ数だけダメージを与える。
空気中のマナと固有振動数を合わせる事で無制限にエネルギーを放出する呪文。学習者は様々なポーズを取って同期を図る。
11:炎の環
ダイスを1個置く。目の数だけマナ消費。3ダメージを与える。
外縁ほど温度が高いため伏せたり飛び退いて避けるのは逆効果。実は環をくぐる形で飛び込むのが最も安全である。
12:瞑想
ダイスを1個置く。5マナ回復。直ちに手番を終える*。
*この呪文を使った後に他の行動はできない
慈悲の瞑想をしている最中の魔法使いは最も強大な殺傷力を持つ。
13:地震
ダイスを3個置く。3マナ消費。7ダメージを与える。
魔法使いの土地は常に打ち消しあう方向に揺れており、わずかに同期をずらすだけで地表に大きな震動を作り出せる。
14:霊なる炎
ダイスを2個置く。3マナ消費。ダイスのうち1個の目の数だけダメージを与える。
犯した罪と同じ熱さの炎を浴びて火傷をしなければ潔白という神明裁判に用いられる。あらかじめ氷水をかぶっておくのがコツ。
15:魂削り
ダイスを1個置く。1ダメージを与える。2マナ回復。
霊魂は機能上の中核部分とそれに栄養を供給する外縁部分に分かれている。外部から衝撃を加えると保持しきれなくなった分のマナが漏れ出すので素早く回収する。
16:かまいたち
同じ目のダイスを2個置く。目の数だけダメージを与える。
広い場所で周囲に人や物がない事を確認してから使いましょう。
17:野性の咆哮
ダイスを1個置く。自分のHPを2減らす。その後3ダメージを与える。
人間が他の野生動物と区別されるのは自身の体を傷つけるほどの力を出せない事によってである。
18:霊感
ダイスを1個置く。マナ全回復。その後ダイスの目の数だけマナ消費。
アイディアを得た時に頭上に閃く電球をマナとして活用する呪文。逆はできない。
19:嵐
ダイスを3個置く。5マナ消費。8ダメージを与える。直ちに手番を終える。
発動の前に樹木などに術者自身の体を固定する必要があり、結合が緩いと着地のできない飛翔呪文と化す。
20:吸血
同じ目のダイスを2個置く。3ダメージを与える。HP2回復。
血液と母乳の成分が重複する事から吸血はカニバリズム禁忌に抵触しないと論じた随筆は当代における修辞学の到達点である。
21:血の生贄
ダイスを1個置く。最大HP2減少。その後ダイスの目の数だけHP回復。
元々は体力を前借りして12時間後に利子と共に返す呪文だったが、日付変更線を利用して踏み倒す手法が広まったため先払いに約款が変更された。
22:献身
ダイスを1個置く。目の数だけ自分のHPを減らす。マナ全回復。
もしあなたの右の手が罪を犯させるなら、それを切って捨てなさい。五体の一部を失っても、全身が地獄に落ち込まない方が、あなたにとって益である。- マタイによる福音書 5:30
23:煉獄火
ダイスを2個置く。うち1個の目の数だけ自分のHPを減らし、その後もう1個の目だけダメージを与える。直ちにターン終了。
*説明書の記載ミスで直ちにターン終了が漏れている。
人を呪わば穴二つ。ただし受ける傷の深さに差があれば攻撃手段に転用が可能である。
24:暗殺剣
ダイスを1個置く。7マナ消費。目の数だけダメージを与える。
陽炎の様にゆらめく殺気が対象の精神を蝕み、次の一太刀を避ける事ができないと思い込ませる。
25:三連射
この呪文は3種類のモードを持つ。手番ごとにどれか1種類のモードだけを発動できる。
- ダイスを1個置く。1ダメージを与える。
- ダイスを2個置く。3ダメージを与える。
- ダイスを3個置く。5ダメージを与える。
魔弾を確実に命中させる種々な手段が研究された結果、採用されたのは「たくさん撃つ」であった。
26:魂の刈り取り
ダイスを2個置く。2ダメージを与える。ダイス目の合計だけマナ回復。
霊魂を少しずつ刈り取って別人の物を流し込み、最終的にすっかり置き換えても全くパーソナリティに変化は無い。
27:鮮血の迸り
ダイスを1個置く。最大HP4減少。その後HP全回復。
生物の体は傷を受けると緊急事態と判断して心拍を高めるが、これは同時に出血も増やしてしまう。
28:憤怒
この呪文は2種類のモードを持つ。手番ごとにどれか1種類のモードだけを発動できる。
- ダイスを1個置く。1ダメージを与える。
- 自分の残りHPより大きい数のダイスを1個置く。4ダメージを与える。
人間には高度の共感能力があり他者の痛みを知覚できる。このメカニクスを逆用して苦痛を流し込む呪文。
29:末日
ダイスを4個置く。自分のHPを好きなだけ減らす。その後相手に同じだけダメージを与える。
世界の終りを告げる角笛を魔術的に鳴らして同じ空間にある全てのものを虚無へと引きずり込み、術者自身が消え去る寸前に止める自爆技。
30:炎竜剣
ダイスを3個置く。8マナ消費。ダイスのうち1個の目+4のダメージを与える。
高熱の刃によって非常に治りにくい傷を付ける。人道に反する武器として教会資格の停止要件になるか否かが目下議論されている。
31:快癒
ダイスを2個置く。目の合計だけマナ消費。HP全回復。最大マナ2減少。
術者本人が持つ十全な肉体のイメージに向けて再構成する。あなたが想像する全ての応用手段が既に試された。
32:覚醒
ダイスを1個置く。目の数だけ最大マナ減少*。HP2回復。マナ全回復。
*最大マナが残りマナを下回った場合、残りマナがその値まで減少する。
目の前が明るくなって疲労と倦怠が立ち所に消え去り集中力が高まる便利な呪文。
33:蘇生
ダイスを1個置く。好きなだけマナを消費し、同じ数だけHPを回復する。最大マナ1減少。
意外なことに、媒介として使うのでなくマナそのものを体力に変換しているのはこの呪文だけである。
1人用ストーリー
頭のおかしい公爵がお城の地下で秘密の拷問を繰り返していたら世界を切り裂く悲鳴によって魔法使いの住む土地と繋がってしまいました。異界を探検して呪文書を持ち帰りましょう!
2人用ストーリー
仲間とともに首尾よく呪文書を持ち帰りましたが、戦利品の分配に関して意見の不一致が起こりました。ここは文明人らしく魔術的「論争」で決着をつけましょう!
ストーリー(ボツ版)
ネルデスカの公爵様は美しい街と立派な城をお治めになり、その地下には輪をかけて立派な牢獄(ダンジョン)と秘密の拷問部屋をお持ちでした。公爵様はここで囚人を責め苛むのが大変にお気に入りで、お城の地下からは夜ごと微かな悲鳴が轟いて参ります。ある日、魔法使い(マゴス)の嫌疑で捕らえた男に焼きごてを当てますと、血も凍るような、この世の終わりの如き悲鳴を上げました。それに続いて地鳴りがして床石が割れ、水が噴き出して地階が水浸しになり、見たこともない巨大な人食い魚や瘴気を帯びた小鬼が現れて参りました。こうした訳でお城の地下は魔法使いの住む異界の土地と繋がってしまったのでございます。
公爵様は何より体面を重んじられる立派な方でしたから、穴を塞ぐ為に勇士を募られました。地下深くの異界に分け入り、世界の亀裂を元通りにする方法を探し出すこと。そしてあわよくば魔法使いの秘術を地上に持ち帰ること。これが命知らずどもに課せられた使命でございます。
未知への冒険に旅立つ準備はよろしいですかな?