翻訳記事:勝つ為に戦う(11)

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兵は詭道なり

 兵は詭道なり。能なるもこれに不能を示し、用なるもこれに不用を示し、近くともこれに遠きを示し、遠くともこれに近きを示し、利にしてこれを誘い、乱にしてこれを取り、実にしてこれに備え、強にしてこれを避け、怒にしてこれを撓し、卑にしてこれを驕らせ、佚にしてこれを労し、親にしてこれを離す。その無備を攻め、その不意に出ず。

ー孫子兵法

試合の内外における行動は対戦相手に情報を与える。相手にどんな情報を与えているか認識せよ。そしてできる限り偽情報で置き換えよ。ポーカーなど秘密情報のあるゲームでブラフを見破るには、ゲーム外におけるプレイヤーの癖や反応が手がかりになる。ゲームが始まっていない内から、勝つ気があるかどうかボディランゲージで伝わってしまう。自信が無いのを見透かされれば激しい攻撃を受け、防戦一方にならざるを得なくなる。

ポーカーでは自分の反応を隠す為に色々な手段を講ずる。いわゆるポーカープレイヤーのイメージというのは、ストイックで無表情な男であろう。そしていかなる感情も表に出さない。しかしほとんどの人間にとってそれは難しすぎる。以前ポーカーのプロがシャツを鼻まで引っ張り上げ、眉から上は帽子で隠し、目にはサングラスという出で立ちでプレイしているのを見た事がある。なるほど表情が見えなければ読む事もできないだろう! そしてもう一方にはお祭り騒ぎタイプがいる。もし常に活発で興奮していれば、読むべき兆候が多過ぎて肝心の情報はノイズに紛れてしまうだろう。

これらは主にゲームの最中に使う技法だが、始まる前にも使える手はある。試合前に他のプレイヤーを脅したり、危ない奴の振りをしたり、他のプレイヤーが口を滑らせて自分のプレイスタイルをばらしてしまう様に仕向けたり。と言っても私自身はそういう事をあまりしない。正直ないい奴でいる事と比べてどちらが利益が大きいだろうか。それにゲーム中にも相手を欺くのに十分な時間はある。しかしもし「儲ける為に戦う」のであればこれらは有効な手段であろう。

秘密情報があって顔を合わせてプレイするゲームの場合、「試合の外」で計略を用いる機会は沢山ある。カードゲーム”M:tG”から、試合の内と外に跨がる計略を2つ挙げよう。(1)対抗呪文ブラフ (2)一見無謀なフルアタック である。

 

対抗呪文ブラフ

「対抗呪文」は”M:tG”に登場する重要な呪文である。相手がカードを出したら、その効果を発揮する前にほぼ確実に打ち消す事ができる。ただしこれは1回きりの使い捨てだ。対抗呪文を使ったら、もう1回使う為にはもう1枚引いて来なくてはいけない。そしてデッキには同じカードを4枚までしか入れられない(似た様な効果のカードは他にもあるが)。

もし手札に対抗呪文が1枚も無かったら、大量に持っている様に見せかけなくてはならない。そして大量に持っていたら持っていない様に見せかける。対戦相手はこちらが対抗呪文を持っているかどうか知る事ができない(手札は秘密情報だ)。そしてこちらは試合の内外に跨がる計略で相手の考えを操作できる。相手がカードを出そうとしたら、手札から(存在しない)対抗呪文を出そうかどうか熟考している演技をしよう。そして最終的に出さない事に決めたという振りをしよう。もちろん、対抗呪文を出す為の資源(マナ)はちゃんと残しておかなくてはならない。土地は公開情報であり相手にも見えている。いわゆる「タップされていない島2枚」を残しておくという手である。対抗呪文を使うには島2枚が必要だからだ。

ゲームの範囲において、例えば使える筈のマナを使わずに残しておき、手札に(本当は存在しない)対抗呪文がある様に見せかける事ができる。ゲームの範囲外においては、例えば卓上の島カードを弄り回してそれに注意を引きつける事ができる。明らかに手札にそれがある様に見せかける事もできるし、あるいはもっと悪質に、それを気にしない振りをする事で罠を仕掛けている様に見せかける事もできる。口三味線を弾いてもよい。読みが外れたら恥をかくぞと口先のジャブを浴びせる。その気になれば非常に長い間、対抗呪文を持っている(あるいは持っていない)という演技を続けられる。また対抗呪文を持っているかと聞かれたら、他のプレイヤーを惑わすチャンスである。これこそ試合の重要な側面だ。

これら全ての策略が相手を難しい状況に追い込む。もしブラフだと思ったら、最も有効なカードを機会があり次第使えばよい。対抗呪文があると思ったら、弱い方から順に使うだろう。まず弱いカードを打ち消させて、対抗手段が無くなった所で強いカードを通す。読みを誤れば、最強のカードを失う(対抗呪文が無いと思ったのに実際にはあった)か、慎重なプレイに徹した結果勝ちのチャンスを逃し、本当に対抗呪文を引いて来る時間を与えてしまうかである。

 

一見無謀なフルアタック

“M:tG”において、「フルアタック(Alpha Strike)」とは全てのクリーチャーで攻撃を仕掛ける事である。これをやると、次のターンで相手の攻撃をブロックするクリーチャーがいなくなる。通常フルアタックを仕掛けるのは、それで与えられる合計ダメージで即座にゲームに勝てる場合である。勝ってしまえばもう次のターンは存在しなくなる。

双方とも大量のクリーチャーを並べているが、相手の方が多いと想像してみよう。相手がフルアタックを仕掛けて来たらその一部はブロックできるが、残りが貫通してそのダメージで負けてしまう。やばい!

そこでこのターン、こちらから先にフルアタックを仕掛ける。相手はそれを自身のクリーチャーでブロックするかどうか決められる。相手がそれをブロックしなかったとしても、与える合計ダメージは勝利に届かない。しかもその場合、次のターンで相手の攻撃をブロックするクリーチャーがいなくなる(攻撃した次のターンはブロックできない)。こうなると何もしなかった場合より更に敗色が濃厚になる。

もう1つの可能性は、相手がこちらのクリーチャーをいくつかブロックするというものだ。そうした場合クリーチャー同士の戦闘が始まる。これにより相手はクリーチャーを失い、次のターンでフルアタックを仕掛けても勝利に届かなくなる。相手がこちらを選んでくれれば好都合であるが、相手も状況は同じ様に把握している。よほどバカでない限りブロックはしてくれまい。

いや果たしてそうか? 仮に一見無謀なフルアタックを仕掛けたとしよう。相手はブロックする筈が無い。不利な状況を更に悪くするだけだ。この行動はどう見ても悪手、試合に負ける手だ……袂に武器を隠し持っていない限りは。よって自明の理として、相手はこちらに何らかの秘密武器があると読んで来る。これは秘密情報を含むゲームであり、こちらの手札は相手に見えないのだ。

どんな秘密武器があるだろうか? 色々あるが、最も素直な手はクリーチャーの与えるダメージを増やす手段を使いフルアタックで倒し切るというものだ。という事は対戦相手はその手で来ると読んでいる。むざむざと手をこまねいてやられる訳には行かない。ではどうすればよいか? クリーチャーでこちらのクリーチャーをブロックする。その結果クリーチャーをいくつか失い、次のターンでフルアタックによる勝利ができなくなるが、少なくとも見え見えのトリックに引っかかって負ける事は防げる。この悪手は相手に「何か裏がある」と思わせる信号なのだ。

陽平を占領した孔明は、仲達が攻め寄せて来ると計略を用いた。旗を震わせ、太鼓の音を止め、城門を開け放ち、少数の兵が城内を掃き清めていた。こうした予想外の手段は功を奏した。仲達は伏兵がいるのではないかと疑い、そのまま兵を引き上げて撤退してしまった。

—孫子兵法、ライオネル・ジャイルズによる編集後記

即ちこれはブラフであり、本当は隠し武器など無いのだ。これはゲームの範囲内において裏があると思わせる策略であり、ゲームの範囲外においては秘密のカードを使うのをどんなに楽しみにしているかという演技ができる。実際に行ったのは相手に攻撃をブロックさせてクリーチャーを失わせるという策略だ。本当なら相手は勝っていたはずなのだが、今やこちらは時間を稼ぎ逆転の機会をうかがっている。

 

居場所を隠す

今自分がどこにいるか、どこに行こうとしているか、相手に知らせてはいけない。それを知らなければ相手は容易に攻撃を仕掛けられず、どこから攻撃が来るかも予測できない。

“StarCraft”や”Warcraft”などのRTSは「戦場の霧」という概念があり、近くに行かなければ相手のユニットがどこにいるか分からない様になっている。もし資源を採掘する為に新しい基地を作るつもりなら、絶対にそれを相手に悟らせてはいけない。その基地に関する全てを秘密にし、いつどこに作るか、そもそも作るかどうか自体を全く知らせない様にせよ。場合によっては偽の基地を建設して注意を引きつけ、本当の基地を隠してしまうという手もある。相手が気付く様な場所に偽の基地を作り始め、それを阻止したと思わせておくのだ。その間に本当の基地の防備を整え、相手に時間を無駄にさせ、しかも情報も得られる。囮への攻撃によって、こちらは相手のユニットの位置や構成が分かる。向こうはこちらの事情が分からない。とはいえ偽の基地をまるごと作ってしまうというのはいささか極端なケースだ。もっとよくあるのは、偽の一撃離脱攻撃を繰り返して敵の注意を本陣に引きつけておくという作戦である。

対戦格闘などの完全情報ゲームにおいても、自分の位置や行こうとする場所を隠す事はできる。この種のゲームには大抵「良い間合い」というものがある。これは自分の技は上手く機能するが相手の技はあまり有効でなくなる間合いである。例えばスト2でリュウがケンと戦う場合、相手の大足がギリギリ届かない間合いが有利である。その位置でガードせずに立っていれば(しゃがむと当たり判定が大きくなる)、ケンが大足を繰り出しても空振りする。そうするとリュウは簡単に大足で差し返せるし、投げる事もできる。またこの間合いではリュウはケンの飛び道具を見てからガードでき、飛び込みに対しても昇龍拳で迎撃できる。つまりケンの一般的な攻撃は、大部分がこの間合いでは死ぬわけである。無論、どんな間合いがちょうど良いかは対戦の組み合わせによって変わって来る。

上級者はこの間合いの機微をよく知っており、自分に都合の良い間合いを取ろうと激しく争う。弱いプレイヤーも「頑張って」戦ってはいるだろうが、どの間合いで戦うべきかを知らないため、相手の上級者は簡単に良い間合いに行けてしまう。そして有利な位置から試合を支配するのである。

往々にして、上級者はこの良い間合いの存在そのものを隠す。隙のない技を次々と繰り出し、良い間合いの前後をうろうろしながら入念なダンスを踊る。そうして自分が持っている優位を隠してしまうのである。不思議な事に、弱い相手がそれに攻撃を仕掛けると、するりと間を外して差し返して来る。これに苛立つと更に大きなミスをしでかした挙げ句、完全に叩きのめされてしまったりする。これはもう吹き替え映画を読唇術で理解しようとするのと一緒で、偽の動きに惑わされて本当のところは何も分からないのである。

更に上級者は「恐怖のオーラ」の助けもある。もし入念なダンスにおいて激しさと意図を見せつける事ができれば、相手はそれが何かの作戦だと思いこむ。しかしこれは往々にして目くらましである。相手が餌に釣られて罠に陥るのを待つ、時間稼ぎに過ぎないのだ。

 

弱点を隠す

こちらが脆弱な時と堅牢な時とを悟らせなければ有利になる。格闘ゲームにおいて「鳥かご」などの罠はこの好例である。罠にはほぼ全て弱点がある。それを隠すのが要諦だ。

罠とは相手を動けなくする一連の動きである。例えば飛び道具を次々に浴びせ、相手が飛び越えたら対空技で迎撃する。あるいは連続して技を浴びせ、その後すぐに近づいてまた連続攻撃を繰り返す。(相手に攻撃を当てたりガードさせると間合いが離れるので、連続で繰り出すには前進が必要になる)

「ストリートファイター」では罠は見た目ほど安定していない。攻め手が3回、2回、あるいは1回ですら隙間無く繰り返すのは難しい。しかし優れた罠使いは相手を騙すのが上手い。隙間は確かに存在するのだが、存在しない様に見せかける。そして一見隙間の様に見えるのは往々にして囮なのだ。

基本的にどのバージョンでも同じだが、ここでは「ストII’ターボ」におけるリュウの鳥かごを例に挙げよう。相手を転ばせて「画面端」に追いつめたら、相手はもうそれ以上後ろに下がれない。このゲームは2Dなので、波動拳が来たら飛び越える以外に躱す方法は無い。ここで鍵になるのが、遅い波動拳を出した直後に速い波動拳を出すという事だ。相手が遅い波動拳をガードしたら、波動拳の隙間を縫ってジャンプしようとするとほぼ必ず速い波動拳に当たる。この「罠」はわずか2つの技でできているわけだ! 罠としては大したものではないが、目くらましによって30発以上続ける事もできる!

まず、リュウは遅い波動拳を転倒した相手に「重ねる」。つまり相手が起き上がった瞬間に波動拳がそこにある様にして、相手がガードせざるを得なくする。タイミングが良ければ、波動拳の先端でなく後端部分が相手に重なる。この場合、リュウは既に波動拳の戻りモーションを終えて次を撃てる様になっている。仕組み自体はここでは重要ではない。とにかく「重ね」の遅い波動拳、遅い波動拳、そして速い波動拳という3連続の罠という事で理解して欲しい。相手はその隙間を縫って飛び込むのがかなり難しいのだ。

相手を画面端で転ばせたとしよう。この3連発が終わる前に相手が飛ぼうとすると、波動拳に当たってまた最初からやり直しになる。仕方無いので向こうは3発目(速い波動拳)が終わるまで待つ。この時点で隙間ができ、相手は飛ぶ事ができる。もちろんこれはリュウ側も承知で、ゆえに4発目の波動拳は撃たないのである。代わりに飛んだ相手を昇龍拳で落とし、画面端に追い込む。これでまた最初に戻る。相手は怯え出す。この罠は決して抜けられない様に見える。リュウ側はそういう幻想を作り出し、それを利用しているわけである。

今度はリュウは「重ね」の遅い波動拳、遅い波動拳(これは本物の罠である)、そしてもう1発遅い波動拳を撃つ事ができる。これは本物の罠ではない。この3発目の波動拳は飛び越える事ができる。しかし相手は警戒してそれをしない。リュウ側はその後に速い波動拳を撃って本物の罠にする事もできるし、あるいは遅い波動拳を3発浴びせてから速い波動拳で締めるという事もできる。速い波動拳が来ればその後飛び込めるというのは誰もが知っている。だがリュウ側もそれは先刻承知で……ビシッ!……また遅い波動拳で振り出しに戻る。今のは躊躇しない方が良かったのだ…。リュウ側は「恐怖のオーラ」を使って本当は罠ではない技(遅い波動拳の連発)を通し、しかもこっそりと最初に戻っている(速い波動拳の後の遅い波動拳)。リュウ側の激しく断固とした攻めにより、本当は幻想でしかない物が本物の罠に見えてしまうのだ。罠がどこで始まってどこで終わるのかを隠す入念なダンスである。

隙間は罠の鍵となる側面である。ここを上手く誤摩化す事で、受け手はどれが本物の隙間でどれが囮か分からなくなる。時には本当の隙間の後にただ待ち、相手が飛び込んで来るのを待ち構える事もできる。相手は嵐をくぐり抜けたと思い、初のチャンスに攻撃を仕掛ける。ところがそれは見え見えで、上級者なら当然読み切っているわけだ。

私は以前、相手の罠に対して「賢明な」リバーサルを仕掛けたが、毎回毎回読まれて迎撃されてしまった事がある。やっとの事で気付いたのだが、これは追っ手から逃れようとして大きな椅子の後ろに隠れているのと変わらない。そこは確かに良い隠れ場所かも知れないが、部屋にはその椅子以外何も無いのだ! 他の選択肢が無ければ結局見え見えの手になってしまうのである。

故に善く敵を動かす者は、これに形すれば敵必ずこれに従い、これに予うれば敵必ずこれを取る。これを以てそれを動かし、卒を以てこれを待つ。

—孫子兵法

格闘ゲームの上級者は自分の有利(良い間合い)と不利(罠の隙間)を隠し、同時にダンスによって相手を惑乱し、躊躇させ、深読みさせるのである。

原文:http://www.sirlin.net/ptw

ストリートファイター英和辞典

「ストリートファイター」シリーズにおける用語の和英対訳表。思いつくままランダムに配置。

 

格闘ゲーム Fighting game
弱パンチ Jab
中パンチ Strong
強パンチ Fierce
弱キック Short
中キック Forward
強キック Roundhouse
Close
Far
Crouch
垂直J Jump up
斜めJ Jump toward
足払い Sweep
波動拳 Fireball
昇龍拳 Dragon Punch
竜巻旋風脚 Hurricane Kick
真空波動拳 Super Fireball
滅・波動拳 Ultra Fireball
必殺技 Special Move
スーパーコンボ Super
ウルトラコンボ Ultra
スーパーコンボゲージ Super Meter
オリジナルコンボ Custom Combo
中段 Overhead
目押しコンボ Frame link combo
猶予0フレ 1-Frame link
サマーソルトキック Flash Kick
ガード Block
投げ Throw
無敵 Invulnerable
やられ判定あり Vulnerable
投げ無敵 Unthrowable
飛び道具 Projectile
飛び道具無敵 Invulnerable to projectiles
バルログ Vega (Claw)
バイソン Balrog (Boxer)
ベガ Bison (Dictator)
豪鬼 Akuma
斬空波動拳 Air Fireball
灼熱波動拳 Red Fireball
瞬獄殺 Raging Demon
当たり判定 Hitbox
スクリューパイルドライバー Spinning piledriver
セービングアタック Focus attack
波動コマンド QCF (Quarter Circle Forward)
竜巻コマンド QCB (Quarter Circle Back)
詰んでる組み合わせ Bad matchup
ピヨる Dizzy
上位キャラ Top-tier character
判定(の強さ) Priority
スーパーストリートファイターII X Super Street Fighter II Turbo
ストリートファイターZERO Street Fighter Alpha
転倒 Knock down
空中コンボ Juggle
入力誤差が許される Lenient
(隙を晒した相手への)反撃 Punish
めくり Cross-up
セビキャン FADC (Focus Attack Dash Cancel)
空振り Wiff
ガード時反確 Unsafe on block
択一 Mix-up
相打ち Trade
対空 Anti-air
移動投げ Kara throw

翻訳記事:勝つ為に戦う(10)

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孫子の兵法

ここまで実際のプレイの仕方については何ら説明して来なかった。ゲームに挑む際の心構えに話は終始し、どんな戦術や戦略を勝負の際に用いるかは述べなかった。この問題に関して、私は独自の見解を持った権威ある存在とは言い難い。多くの高名な著者達が既に語り尽くしてしまったからだ。そしてその中で最も上手く語ったのは孫子であろう。

2500年前の中国で、孫子は「兵法」という短い教科書を書いた。それからの2500年間、無数の著者が戦争という主題に挑み、無数の戦争が行われたが、孫子の兵法は今なお驚くほど適切である。毛沢東語録に書かれた戦略・戦術方針は孫子の兵法を一語一語辿っているかの如くである。ナポレオンの征服戦争における秘密の武器は孫子の兵法だったとも言われている。そして何と、David Sirlinによる競技ゲーム読本「勝つ為に戦う」も孫子の兵法をだいぶ下敷きにしているそうだ。

以下の数章は孫子の兵法を私なりに訳して言い換えたものだ。兵法には13の章があったがこちらは7章仕立てである。小さな問題は統合し、いくつかの問題は省き、独自の章を2つ加えた。孫子の兵法を今日の競技ゲームにいかに適用すべきか、実例を挙げながらその可能性を探っている。間諜の活用などかなり自由に解釈した部分もあるが、総体としては極めて直接的に当てはめている。

例えば孫子の書いた勝利の五原則を挙げてみよう:

  • 戦うべき時と戦わざるべき時を知る者は勝つ。
  • 優勢と劣勢それぞれの兵の運用を知る者は勝つ。
  • 上と下で意志が統一されている者は勝つ。
  • 自らは備え、備えざる敵を待つ者は勝つ。
  • 優れた能力を持ち、君主に干渉されない者は勝つ。

これを今日の競技ゲームに当てはめるとどうなるか? まず「戦うべき時と戦わざるべき時を知る者は勝つ」である。試合には一時的に不利になる瞬間がある。そうなったら状況が変わるまで時間を稼がなくてはならない。格闘ゲーム”Capcom vs. SNK 2″では「パワーゲージ」というものを貯蓄しておいて使う事ができる。使うとゲージが無くなるまでの間かなり有利に戦いを進められる。相手はゲージが無くなるまでできるだけ逃げ回るべきである。またRTSの”Warcraft”や”StarCraft”では、対戦相手が地形や戦力の集中や時間帯によって一時的に有利になる事がしばしばある。これに戦いを挑んではならない。時間を稼ぐ事でもっと望ましい場所に移ったり、戦力を集めたり、時間帯をずらしたりできるとすれば。待っていれば不利な状況が消え去るという場合、戦わずに逃げるべきである。

次に「優勢と劣勢それぞれの兵の運用を知る者は勝つ」である。勝っている時と負けている時では用いる戦術も変わって来る。旗色が非常に悪い場合、逆転の為にはハイリスク・ハイリターンの賭けに打って出なくてはならない事が多い。チェスで駒の数に差が付いてしまったら、駒を交換しながら相手をじわじわ追いつめている暇は無い。差が大きければ大きいほど、敵のキングを直接討つ必要性は増す。逆に格闘ゲームで大きく勝っている場合、安全策に徹して相手に逆転の機会を与えぬ様にすべきである。相手の体力が残り僅かになったら、素早く出せる弱パンチも、強力だが遅くて隙の大きい攻撃も、両方とも同じ様に致命傷になる。「ほぼ勝っている」という有利な状況になったらリスクの少ない技だけを出すというのは全く理にかなっている。

「上と下で意志が統一されている者は勝つ」孫子が言っているのは将軍の意志が士官や兵卒に正しく伝達され実行されるべきだという事である。実行がまずくては戦略は無駄になる。試合において精神と肉体は「統一されて」いなくてはならない。頭でこの動きが良いと決めたら、肉体はその操作ができるだけの敏捷性と正確さが無くてはならない。”Warcraft”でユニットを細かく動かすのも、テニスで技量冴え渡るバックハンドを決めるのも、”Quake”でロケットランチャーを命中させるのも、「ストリートファイター」で難しいコンボを決めるのも、みなその動きを正確に実行できなくてはならない。

そして「自らは備え、備えざる敵を待つ者は勝つ」である。これは五原則の1つ目とも密接に関わって来る。試合の中でどちらが有利かという流れは変化する。自らは敗北の危険を冒さず、相手の致命的なミスを、あるいは自分に流れが来るのを待ってから攻撃に移る者は賢明である。

例えばFPSの”Counter-Strike”では、「テロリスト」チームのプレイヤーは爆弾を仕掛けなくてはならない。仕掛けられる場所はマップ上に2ヶ所ある。「カウンターテロリスト」チームはそれを阻止せねばならない。カウンターテロリスト側は遮蔽物を利用したり、狙撃手を配置して防御態勢を取る事ができる。守りが鉄壁になったらもはやマップ上を走り回って敵を捜す必要は無い。テロリスト側が制限時間内に爆弾を設置しなければカウンターテロリスト側の勝ちである。この有利な状況では、カウンターテロリスト側はじっと待ってテロリスト側が攻撃して来るのを待てばよい。テロリスト側はどうにかしてこの状況をひっくり返そうとする。基本的な手は2つあり、1つは防御態勢が無い方の設置場所に向かうという方法である。カウンターテロリスト側はそちらに援軍を送らねばならなくなる。もう1つは手榴弾(炸裂弾、閃光弾、煙幕弾など)を使って一時的に敵陣を混乱させるという方法である。

またチェスからも例を引こう:

驚いた事に、カパブランカは自分からは動こうとせず待ちに徹していた。そして結局、相手が悪手を指して2つ目のポーンを失いそのまま決着した。「なぜ駒の優位を活かして攻めなかったのですか?」勇気を振り絞って聞いてみた。彼は鷹揚に笑いながら言った。「待つ方が得だったのさ」

—ミハイル・ボトヴィニク、第6代チェス世界チャンピオン

そして最後、最も面白い指摘である。「優れた能力を持ち、君主に干渉されない者は勝つ」孫子は市民の倫理と軍隊の倫理の違いについて言っている。人情と正義は国家の美徳なれど、軍隊の美徳にあらず。軍隊は日和見で融通無碍でなくてはならない。国家は日常の為の原則と前例を作らねばならない。戦争は切迫した非日常である。戦いに勝とうとすれば、利のある手段は何であれ即座に実行せねばならない。

これこそ「勝つ為に戦う」の論点である。君主に邪魔をさせてはいけない。勝ちたいなら、尊敬されようと思って戦ってはいけない。後でその戦術を解説しようと思ってはいけない。「せこい」という誹りを避けてはいけない。対戦相手と友達になろうと思って戦ってはいけない。友達を作るのは市民の倫理であり、それに戻るのは試合が終わってからだ。試合の最中は相手の嫌がる事をせよ。苛立たせよ。怒らせよ。全ての動きを返り討ちにせよ。相手の不意を突いて奇襲せよ。相手を叩き潰せ。勝ちたいなら、片手を後ろに回して戦ってはいけない。試合の外からの圧力に屈するな。試合の最中は軍隊の倫理だけが存在する。勝ちたいなら、勝つ為に戦え。

原文:http://www.sirlin.net/ptw

3/10 ゲームマーケット2013大阪 出展情報

3/10(日)、ボードゲーム即売会「ゲームマーケット2013大阪」にスパ帝国が参戦! 最新作「メックアリーナ2013」も含め7作品を頒布するぞ! たこ焼き食った手で僕と握手!

  • 名称:ゲームマーケット2013大阪
  • 開催日:2013年3月10日(日)
  • 会場:大阪マーチャンダイズ・マート(OMMビル)2階 B・Cホール
  • 入場料:1000円[税込](カタログ付き)
  • ブース番号201「スパ帝国」

 

頒布予定物:

  • 月刊スパ帝国3月号「メックアリーナ2013」(¥950)
  • 月刊スパ帝国2月号「Powers」(¥950)
  • 月刊スパ帝国1月号「へびすごろく」(¥950)
  • 月刊スパ帝国12月号「九年戦争」(¥950)
  • 月刊スパ帝国11月号「クライシスエリア」(¥950)
  • 「ロンバルディアの王冠」(¥1,500)
  • 「トスカーナの戦い」(¥1,500)
  • モフはがき5枚組(¥500)
  • モフステッカー(¥100)

 

更にゲームマーケット専用ポスターもブースに貼っておく予定だ! こいつを目印に来てくれよ!

翻訳記事:勝つ為に戦う(9)

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スポーツマンシップ

勝つ為に戦うと聞くと、 スポーツマンシップを顧みないという意味に取る人がいる。全く反対だ。一流のプレイヤー達は素晴らしいスポーツマンである。スポーツマンシップの条件の1つは負けても喚かない事だ。「勝つ為に戦う」では敗北を学びと成長の機会として捉えている。顔を真っ赤にして対戦相手に文句を付けたり、「実力の無い雑魚に負けた」と陰で呟いていてはそれは達成できない。

良いスポーツマンになるという事は、上品に勝ち、試合のエチケットを守るという事だ。試合の前には一礼や握手をしたり、「よろしく」と言ったり、とにかく相応しい振る舞いをする。勝って満足しても、礼儀と節度を守る。そうすると他の人々にも良い影響を与える。審判も人間だ。態度の悪いプレイヤーには細かい違反を指摘したくなる。他のプレイヤー、練習相手、チームの仲間、秘密情報の持ち主などもスポーツマンには良くしてくれるだろうが、錯乱者や馬鹿にはそうではなかろう。

ある者は言う。なぜ対戦相手に向かって「人種差別主義者」などの罵倒をぶつけてはいけないのか? 対戦相手の靴に唾を吐いたり、胸をどついたり、脅迫してはいけないのか? 結局のところ目的は、あらゆる合法的な手段を駆使して勝つ事だろう? そう言ったじゃないか? まず指摘しておきたいのだが、それらの手段は大会においてしばしば禁止されている。次に、それらは先に述べた友好の原則に反している。第三に、そもそもそれに戦略的なメリットは無い。私は馬鹿でございますと喧伝している様なものだし、悪い雰囲気が付いて回るに相違ない。

とは言え、実力者の中にもそういう汚い手を使うプレイヤーが少しはいる。大会の規則に違反しない範囲で他のプレイヤーを物理的に脅したり、罵倒や威嚇を浴びせたりする余地は存在する。事前にネット上でゴミの様な話を書き散らすのもおおむね合法だ。彼らはいじめっ子になるのが得意なのかも知れない。中にはそういう手が有効な相手もいるだろう。しかし総体としてその代償は余りに大き過ぎ、勝つ為の戦略としては支持しかねる。

対戦相手を怒らせたいなら、ほとんどの場合ゲーム内にその手段がある。相手を苛立たせたり挑発する様なプレイスタイルは色々ある。相手が防御一辺倒に構えて攻撃を待っていたら、こちらも防御に徹する。相手は計算が狂う。あるいは明らかに無意味な技を繰り出して余裕を見せつけ、相手を「挑発」する事もできる。これらはゲーム内でやる限り、全て善良かつ公正である。これはスポーツマンとしてどうこうという次元には関わって来ない。戦争に卑怯も何も無い。

対戦相手を脅したいならそうすれば良い。しかしもっと礼儀正しく、スポーツマンシップに則ってその目的を達する事もできる。最上の手段は大会で優勝する事だ。次の試合で当たる相手は震え出す。試合前にちらっと見やり、「お手柔らかに」と言ってやれば、相手は圧倒されて羽根の様に吹き飛ばされるだろう。試合を完全に支配しているプレイヤーは「恐怖のオーラ」をまとう。青白いオタクが対戦相手を恐怖させるという事態が起きる。彼は”PhantDan09″、あるいは他の名前でもいいが、有名な大会の優勝者だったのだ! 恐怖のオーラがあれば、本来はとても通用しないトリックが通し放題になる。何をやっても相手は裏を疑ってしまうからだ。恐怖のオーラの主が隙を晒している様に見えたら、もしかしたらそう見せかけているだけかも知れない。ちょっと様子を見よう……と思っている間に負ける。優れた戦いと勝利を通じてひとたび恐怖のオーラを身につけたら、大して効果のない口先の脅しを笑い飛ばせる様になる。

原文:http://www.sirlin.net/ptw

#28 アイスクリームタレット

1人用カードパズルゲーム。上から降って来るアイスクリームを並べて消す。山札が一巡する度にカードが増えて難しくなる。上まで埋まったら負け。

 

内容物

  • 1〜9のアイスクリームカード各4枚
  • クラッシュアイスカード4枚

 

始め方

  • 1〜6アイスクリームカード各4枚、合計24枚をよく切って山を積む。
  • 卓の上を片付け、横3枚×縦5枚のカードを並べられる場所を作る。

 

場の構造

カードを並べる事ができるのは3×5の空間。一番上まで積み上がると負け。

 

遊び方

  • 山からアイスクリームカードを1枚めくり、場の好きな列に置く。
  • アイスは「上から落ちて」来る。その列にアイスが無ければ一番下の段に、既にアイスがあればその上の段に置く。
  • 縦・横・斜めに同じ数字が3つ並ぶとそれらは消え、捨て札置き場に移動する。
    • 捨て札はいつでも参照できる。
  • 3つ以上の続き数字でも消える。例えば1・2・3など。
    • 端の数字同士は繋がらない。
    • 並び順は何でも良い。1・3・2と並んでいても消える。
    • 4つ以上の続き数字が並ぶと、それら全てが消える。例えば1・2・4が重なっている上に3を置くと4枚とも消える。
  • 複数のライン(例えば縦と横など)を同時に揃えた場合、それら全てが同時に消える。
  • クラッシュアイスは普通には消えず、縦・横・斜めに隣接するアイスが消えると巻き添えで消える。
  • 消えるとその上にあったアイスは下に落ちる。
  • 落ちた結果並びができればそれも消える。
  • アイスが5段目まで積み重なるとゲームオーバー。ただし置いた瞬間に消えればセーフ。

 

山が切れたら

  • 捨て札を集め、新たなカードを加えて切り、山を積み直して続行。
  • 2巡目:7のカード4枚を加える
  • 3巡目:クラッシュアイスカード4枚を加える
  • 4巡目:8のカード4枚を加える
  • 5巡目:9のカード4枚を加える

 

勝利条件

5巡目の山が切れた時、場にクラッシュアイスが無ければその時点で勝ち! クラッシュアイスが残っていれば、捨て札からクラッシュアイスを全て取り除いて山を積み直し、場のクラッシュアイスが全て無くなるまで続行。

 

スコアアタック

通常ルールを制覇したらスコアアタックに挑戦だ! 変更点は以下の通り。

  • 最終巡が終わってもクリアにならず、同じカード構成のまま山を積み直してゲームオーバーになるまで続行。終了時の得点を競う。
  • 最初からクラッシュアイス4枚が山に入っている。
  • 3巡目で8のカードを追加。
  • 9のカードは使わない。
  • 場からカードを一掃すると+1点(全消し)。
  • 4枚続きを作ると+1点。
  • 5枚続きを作ると+2点。
  • 2ライン同時消しで+2点。
  • 3ライン同時消しで+4点。
  • 連鎖消しで1回につき+2点

 

翻訳記事:勝つ為に戦う(8)

これは翻訳記事です

 

チートについて

勝つ為ならこうした手段も使うべきかとしばしば問われる:

「StarCraftでマップハックツールを使うのは? パケットインターセプターは? マクロで呪文を速く唱えるのは? あるいは単に対戦相手の向こうずねを蹴っ飛ばすのは?」

「勝つ為に戦う」の偉大な点の1つは、それが計測可能な自己研鑽の道である事だ。勝つ為に戦う道のりにおいて、我々は冷たく厳しい勝敗という道案内を得る。私は勝利も敗北も、正式な大会という文脈で捉えた場合のみ意味があると考えている。対戦相手の向こうずねを蹴り飛ばすのはゲームの範疇を超えているし、まともな大会なら決して許されない。

同様に、違法なダウンロードサイトから手に入れたサードパーティハックツールは決してまともな大会で合法化されない。これらは技術的には勝利の助けになるだろうが、私が述べている継続的な自己研鑽の道からは外れる。これらは大会のルールに反している。勝つ為には大会で合法なあらゆる手段を用いるべし。もしどこかの、参加者全員にマップハックツールの使用を認める様なおかしな大会に出るというならそうするがよい。しかしそれは通常ならざる別バージョンのゲームを遊んでいるという事だ。余計なルールを加えないのは皆で同じゲームを遊ぶためである。理性あるプレイヤーなら、いかなるゲームであれ「ゲーム外からのチート無し」を標準ルールの一部と見なすであろう。

原文:http://www.sirlin.net/ptw

翻訳記事:勝つ為に戦う(7)

これは翻訳記事です

 

何を禁止すべきか?

これは少々ややこしい問題だ。前の節ほど明瞭ではない。この世の全てを禁止せねば気が済まないプレイヤーが世の中には大勢いる。雑魚は自分を負かす戦術やテクニックは全て「せこい」と断じ、従って禁止すべきだと考える。実際のところ、本当に禁止すべきものは非常に少ないのだ。

大会で何が禁止されるべきかという本題に入る前に、まずゲームの流通形態に関して述べておきたい。これによって禁止すべき物も変わって来る。1つ目の形態は、ゲームがリリースされたらそれきりという物だ。プレイヤーは今あるゲームで遊ぶしかない。もう1つは後からパッチが1つか2つ出て、深刻なバグやバランス上の問題を修正してくれる物だ。この2つはどちらも今あるゲームで遊ぶしかないという点で、本質的に同じカテゴリに入る。そして私が若い頃にはこのカテゴリしか無かった。

オンラインゲームは新たな形態をもたらした。Blizzard(“StarCraft”、”Warcraft 3″、”Diablo”、”World of Warcraft”の開発元)は”battle.net”という無料のオンライン対戦サービスを自社ゲームに提供している。全ての対戦ゲームはこのサービスを通すので、Blizzardはゲームがどの様に遊ばれているかに関して膨大なデータを収集できる。ゲーム時間はどれくらいで、どの戦術が上手く行き、どのマップが遊ばれているか、などなど。この会社はゲームをリリースした後も数年間に渡ってパッチでバランスを調整し続ける。

いわゆるMMO、”EverQuest”や”World of Warcraft”などはゼロサムな競技ゲームではないが、こちらも定期的にパッチが当てられている。プレイヤーは毎月料金を支払っており、言わばゲームを改善する為の巨大なチームを財政的に支えているわけだ。

リリース後にパッチで根本的な改善を続けるという考え方自体は良い面がたくさんある。しかし同時に、バグがあったりバランスの調整できていないゲームをリリースして後から直せばよいという風潮も生んだ。この種のゲームのプレイヤーと、「変化しない」ゲームのプレイヤーとでは、ゲームの改善や禁止事項の導入に関しての態度が異なる。我々の様なゲーマーにとって、禁止事項の導入は緊急避難的な非常措置だ。オンラインゲーマーにとっては、ゲームバランスの変更は日常茶飯事である。バグの修正も同様だ。

この「定期的にパッチが出る」方式はプレイヤーの側に怠慢をもたらしてもいる。今あるルールで最大限に頑張ったとしてもあまり報われない。その戦術で勝ったとしてもどうせパッチで修正される。ゲームに足跡を残す事はできるとしても、勝ち続ける事はできないのだ。MMOでは更に悪く、アカウントを永久に削除されてしまう可能性がある。ルールの範囲内で開発者の意図せざるプレイをしたというだけの理由でだ。

 

禁止事項の規準

禁止事項は施行可能・定義可能・合理的でなくてはならない。

 

施行可能

そもそも検出が難しい戦術もある。検出が難しいものに対して罰を課す事はできない。例えば格闘ゲームにおいて、本来無敵でない技を無敵にする裏技があったとする。しかしそれが使われたかどうか、毎回検出するのはほぼ不可能だ。あるいはRTSで、ユニットのHPを少しだけ増やす裏技があったとする。しかし実際のゲームでそれが使われても検出はやはり不可能だ。もし大会に禁止事項を加えたいなら、それは容易に検出可能であるか、あるいはそもそも起きない様にしておかなくてはならない。

また格闘ゲームにおいて、本来そうでない技がガード不可能になってしまったとする。ただし1/60秒以内のタイミングで繰り出した場合だけだ。果たしてそのプレイヤーは「裏技」のタイミングで技を出したのか? あるいはその1/60秒後に出したのか? もしかしたら単なる幸運で裏技のタイミングになってしまったのかも知れない。これに罰を課せるだろうか? こんな規則を実施できるか想像してみよう:「原則として技Xは使ってよいが、1/60秒間だけXを使ってはいけないタイミングが存在する」

 

定義可能

禁止事項は「完全に定義可能」でなくてはならない。仮に格闘ゲームで、ある5つの技を繰り返し繰り返し使うのが最上の戦術だったとしよう。そしてその行動が「タブー」になり、プレイヤーが禁止を望んだとしよう。この場合、何を禁止すれば良いのかという明確な定義が無い。そのパターンを3回繰り返すのは可能か? 2回なら? 1回だけなら? 5つの技のうち最初の4つだけを繰り返したら? それは合法か? こうなるとゲームは誰が「タブー戦術」にギリギリまで近づけるかという競争になってしまう。そして恣意的な禁止の文言に抵触したらアウトだ。

あるいはまたFPSにおいて、「キャンプ」行為(同じ場所にずっと留まる)を禁止するという考え方がある。これに関してプレイヤー間の友好的な合意は必ずしも必要ではない。これは一応施行可能である。サーバー側でプレイヤーの位置を監視し、規則を破った者に罰を課せばよい。問題は「キャンプ」をどう定義するかである。仮に同じゾーンに3分以上留まる事がキャンプと見なされ、キャンプが実際に最上の戦術だったとしたら、今度は同じゾーンに2分59秒留まるのが最上の戦術になってしまう。これはもう滑りやすい坂と同じで、禁止されるキャンプ行為に非常に近いキャンプ的戦術が常に横行する。

完全に定義可能な要素の例もある。カードゲームのM:tGにおいて、あるカードが強力過ぎると分かったらそれが禁止される事がある。「このカードは使ってはいけない」というのは完全に定義可能である。誰かがそれを「ほどほどに使う」という心配は無い。格闘ゲームでは同じ動きを「ほどほどに繰り返す」事が可能だった。あるいはFPSで2分59秒だけ「ほどほどにキャンプする」事もできた。カードは分離可能な要素であって禁止は実行可能である。

 

合理的

ここに問題の全てがある。何かを禁止するのが合理的でなければ、そもそも施行可能性や定義可能性を考える必要自体が無い。競技ゲームにおける教訓とは、禁止を合理化できる理由はほとんど無いという事だ。

あるバグがプレイヤーに小さな有利を与えてしまったとしても、禁止の理由にはならない。実際これはよくある事だ。ほとんどのプレイヤーはバグを利用している事自体に気付かない。単にそれを「裏技」と考えている。ゲームに重大な影響を与えるバグでさえ必ずしも禁止すべきとは限らない。それによってゲーム性が変わるだろうが、ゲームというのは自己修復の性質があり、ほとんどの手段には対抗手段(しばしば他のバグ技)があるものだ。

“Street Fighter Alpha 2″(北米版ストZERO2)には立っている(しゃがんでいない)相手に対してだけ大ダメージを与えるオリジナルコンボがあった。開発者はそれを見てからしゃがみガードできると意図していたに違いないのだが、実は上手くやると相手はそれをガードできない。これはゲーム性に大きな影響をもたらした。立っているだけで危険なのだ。しかし、この技が普及した後でもなおゲームは素晴らしかった。一見すると、立ち上がって攻撃に行くのは危険過ぎる様に見える。しかし綿密な研究の結果、攻め手は相手のオリジナルコンボにそれを破る技を差し込める事が分かった。要するに、バグがあってもゲームは成立した。この画期的な戦術は発明者の名を取って”Valle CC”と呼ばれた。Alex Valleについては後に述べる。

他の例として、「スーパーパズルファイターIIX」を挙げる。これは落ちものパズルである。自分の領域に様々な色のブロックが降って来るので、同じ色を3つ並べて消し、相手の領域を埋める。相手の領域が一杯になれば勝ちだ。

パズルファイターにもゲーム性の変わるバグがあった。レインボージェムを使うと自分の側にあるブロック1色を全て消せる(並んでいなくても)。そしてブロックを相手の側に送り込める。本来、これは普通にブロックを並べて消した場合より相手に送るブロックがずっと少ない筈だった。つまりブロックを処理できる代わりに相手への攻撃は減るというトレードオフだった。ところがここにバグがあり、裏技で普通に消した場合より多くのブロックを相手に送り込めてしまった。レインボージェムは「その場凌ぎ」でなく、ゲームを終わらせる大岩と化してしまったのだ。相手がこの裏技を使った場合、同じ技を使わずに勝つのはほぼ不可能である。

しかし裏技を知っているプレイヤー同士で戦うと、ゲームは相変わらず面白い。自分のレインボージェム技で相手の技を打ち消せるからだ。各プレイヤーは落ちて来るブロック25個ごとにレインボージェムを手に入れるので、双方ともだいたい同じタイミングでそれを手にすると予測できる。あるいは相手のレインボージェム技に合わせて大量のブロックを普通に消す事もできる。こうすると相手の攻撃をいくらか相殺し、残りが降って来るので自分の領域がかなり埋まる。そしてパズルファイターの場合、自分の側に沢山ブロックがあればそれだけ相手に撃ち込む弾丸が増えるのだ。狡猾なプレイヤーは相手にレインボージェムを撃たせ、蓄えた弾丸で逆転勝利を狙う。結局の所、バグはゲームを変えたが壊しはしなかった。明らかにこれは禁止する必要が無い。

バグや戦術がゲームを壊しているかどうか、どうやったら分かるだろうか? 簡単な方法は、それがゲームを壊していないという前提でひたすら遊んでみる事だ。99%の場合において、その戦術が優れていればいるほど、対抗戦術やより優れた戦術が見つかるものだ。熟慮を経ない禁止は雑魚のする事である。雑魚はValle CCやレインボージェム技に対抗する術を探さない。また禁止事項を入れると、本来そのままで成立していたゲームに人工的なルールを加える事になってしまう。更に1つ何かを禁止すると、次から次へと雪崩の様に禁止事項が持ち上がる。もしゲームを壊す様な戦術を見つけたら、それで大会に出て勝つ事をお勧めする。結果、ゲームがその戦術だけに収斂してしまう様なら禁止を検討すべきである。実際にそうやって勝ち、その戦術がゲームを壊していると証明できた例を私は知らない。

ゲーム開発者に一言。リリース後にバグを修正できるならすべきである。しかし、プレイヤーは「不公平な」戦術を使う感覚を楽しんでいる。それだけで大会に勝ててしまうほど強くなければ、「不公平な」だからと言ってそれを取り上げるのは間違いかも知れない。

 

即座に禁止すべき不具合

繰り返しテストせずとも即座に禁止すべき事項もある。例えばゲームをクラッシュさせたり、対戦相手の画面を真っ白にしたり、キャラクターやユニットや資源が消えたりする様な不具合である。ゲームを続行不能にする、あるいはゲームが成立しなくなる大きな不具合は禁止に値する。また全てのプレイヤーに使えない不具合も同様だ。2人プレイ用ゲームにはしばしば、2P側でしか使えないバグ技が存在する。この種の戦術は禁止すべきである。たとえそれほど強力でなかったとしても、全てのプレイヤーがアクセスできないというだけで十分な理由になる。

 

「強過ぎる!」

非常に極端で珍しいケースとして、「強過ぎる」要素が禁止される事もある。プレイヤーからの禁止要望はこれが一番多く、そしてその殆どが馬鹿馬鹿しい。ある戦術が「強過ぎる」から禁止するというのは全く理にかなっていない。それはゲームを「2番目に強い」戦術へと収斂させるだけだ。それでゲームが良くなるとは限らず、往々にしてむしろ悪くなる。

「強過ぎる」要素を禁止すべきは、それがあまりに甚だしく、ゲームから他の戦術を全て追放してしまう様な場合である。非常に珍しいケースだが、「最も強い」に留まらず「他の全てより10倍強い」要素を排除するとゲームが改善される事もある。これは非常に珍しいという事を強調しておきたい。大抵の場合は、禁止を求めるプレイヤーがそれ以外の戦術をちゃんと理解していないだけである。本当に強過ぎるならそれを使って大会を連覇すべきだ。ごく稀に本当にそれが正しく、1つの要素(バグにせよ仕様にせよ)に収斂してしまうほどゲームが浅いという事もある。その場合、最善の対処はそのゲームを放棄して他のゲームを遊ぶ事だ。世の中には良いゲームが沢山ある。

極端に稀なケースとして、強過ぎるという主張が正しく、かつゲーム自体は救うに値し、かつその超強力な戦術を除けばゲームが10倍も良くなる場合もある。その時初めて禁止は考慮に値する。その場合でさえ、研究が進み、上級者と大会運営にその戦術が禁止されるべきだという理解が広まる時間は必要だ。公式の禁止の前に「暗黙の禁止」が導入される事もある。以下に例を挙げよう。

 

「X」の2例

(訳注:この本は2006年に書かれている)

「スーパーストリートファイターIIX」、あるいは「X」は格闘ゲームにおける禁止事項の良い例だ。本書執筆現在、このアーケードゲームは稼働開始から10年経ってもまだ大会が開かれている。実際、東京だけで週に1〜2回の大会が開かれているのだ。このゲームは非常に成熟している。そしてバランスに関する10年間のデータがある。

ストリートファイターにはしばしば特定のコマンドを入力すると使える「隠しキャラ」が存在する。強いキャラの時もあれば弱い時もある。時には隠しキャラがゲームで一番強いという事もあり、初代「マーヴル VS. カプコン」がそうだった。凄い。そういうゲームなのだ。それに慣れよう。ところが「X」は隠しキャラを導入した最初のストリートファイターシリーズであった。そしてそのキャラは恐ろしく強い「豪鬼」だった。ほとんどのキャラクターは豪鬼に勝てなかった。「勝つのが難しい」のではない。絶対に、絶対に、絶対に勝てないのだ。豪鬼は「壊れて」いた。このゲームは斬空波動拳をきちんと扱える様にできてはいない。豪鬼はただの最強ではなく、他のキャラクターより少なくとも10倍は強かった。これは非常事態だ。アメリカの上級プレイヤーは即座にこれに気付き、このままでは全ての大会が豪鬼同キャラ対戦のみになると予期した。かくして豪鬼はほぼ異論無く禁止キャラとなった。私はこれは正しい決断だったと思う。

ところが日本では、豪鬼が大会で公式に禁止される事は無かった! こちらでは「暗黙の禁止」が導入された。つまり豪鬼は強過ぎてゲームを壊すのでので使ってはいけないという暗黙の了解である。プレイヤー達は非公式にそう合意した。中には大会で豪鬼を使う者もごく少数ながらいたが、上級プレイヤーの中にはいなかった。それをやるのは下手なプレイヤーだけで、神キャラクターを使って負けるのである。これは屈辱だ。そして観ている者は満足だ。これはアメリカにおける「公式の禁止」とは違う、興味深いやり方だ。

ここまでは良い。しかし日本ではもう1人のキャラクターについて「暗黙の禁止」が導入されかかっている。私はこの例を境界線として提示する。「強過ぎる」から禁止するという事に関して、これはちょうど合理と非合理の境界線上にある。これより弱いものは禁止に値しない。それゆえ、この例は何がゲームにおいて許されるかという指標になる。

問題のキャラクターは「Sサガット」である。Sサガットも豪鬼と同様の隠しキャラ(あまり隠れていないが)である。Sサガットは豪鬼とは違い、斬空波動拳の様な壊れた技は持っていない。Sサガットはしばしばゲームにおける最強のキャラとされる(豪鬼はもちろん除く)。だがトッププレイヤーの間でもその点については議論がある。恐らくどんな上級者もSサガットを上位3キャラ以内に位置づけるだろうが、それが最強だという広範な合意は無い。では何故、それを禁止しようなどと思うのか? 対策を知らない雑魚の集団が反射的に禁止を叫んでいるのだろうか。

そうではない。日本のトッププレイヤーの間には、Sサガットを使わないという暗黙の了解がある様だ。何故なら、Sサガットがいない方がゲームの多様性が大きく広がるからだ。Sサガットは基準によっては2番目に強いキャラクターに過ぎないが、全キャラクターの半数を簡単に封殺できてしまう。それらのキャラクターはSサガットと戦うのが精一杯で、勝つのは殆ど無理だ。同格の上位キャラクターならばSサガットと戦ってもきちんと試合が成立する。そしてほぼ全てのキャラクターは、Sサガット以外の上位キャラクターに対して勝利の目があるのだ。つまりSサガットを大会で使用可能にすると、春麗やケンなど多くのキャラクターが事実上使用不可能になってしまう。

ゲームの黎明期にこうした禁止を申し立てたとしても、それは正当化できないだろう。大会によって更にテストするのが妥当だ。しかしこのゲームは10年もテストした。大会がSサガット同キャラ対戦だけで埋め尽くされてはいない。しかしSサガットを倒せないキャラクターは明らかになり、それらはアメリカでは滅多に使われなくなった。一方日本では使われており研究が進んでいる。日本ではSサガットが暗黙裏に禁止されているからだ。これによる多様性の増加はSサガットの欠落を補って余りある様に見える。禁止は妥当だろうか? 正直な所、完全にそうだとは確信できない。しかし合理的判断の範疇には収まっていると思う。判断の基盤となるデータが10年分もあるのだから。

原文:http://www.sirlin.net/ptw

翻訳記事:勝つ為に戦う(6)

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勝つ為にどこまでやるべきか?

他のソフトウェアと同様、ビデオゲームにもバグがある。非電源ゲームでさえ、デザイナーの予期しない相互作用が見つかる事もある。もし上級者が勝つ為にあらゆる事をするとしたら、こうした不具合も利用するだろうか? 答えはイエスだ。プレイヤーはデザイナーの意図を酌んだりしない。どの技が「フェア」でどの技がそうでないか、どの技が仕様でどの技が不具合かなど一切気にしない。気にするだけ無駄だ。プレイヤーが気にするのは、どの技が勝利に繋がりどの技がそうでないかだけである。

不可解な事に、世の中にはプレイヤーがデザイナーの意図を神聖視してくれると思っている様なゲームもある。そして実装上のルールとは別に、意図された通りのプレイをしてくれると期待している。これは根本的に間違った考え方だ。そしてそういう間違いをしているMMOは非常に多い。”World of Warcraft”を例に挙げよう。プレイヤーは街中で屋根に上がる事ができる。またプレイヤーは街中で他のプレイヤーと戦う事ができる。しかし屋根の上にいる時に他のプレイヤーと戦ってはいけないのである。やろうとすると警告を受ける。実はこれは2005年11月3日21:44(PST)までは合法であり、その後違法と見なされる様になったのだ。またプレイヤーは同じモンスターを毎日毎日倒し続ける「ファーミング」でゲーム内通貨を稼ぐ事ができるが、「やりすぎ」てはいけない。一線を越えるとファーマーと見なされアカウント削除の目に遭う。更にモンスターの視線を遮るとなかなか追って来れなくなり、その隙に仲間に倒してもらう事ができる。これは上手なプレイか、それともアカウント停止案件か? アカウント停止案件である。モンスターに追われた時、湖に飛び込んで向こうが諦めるまでやり過ごす事ができる。これは上手なプレイか、それともアカウント停止案件か? こちらは上手なプレイである。こうした恣意的なルールの網は「雑魚」の作るお手製ルールと大して変わらない。

私はこの点に関して注意を喚起しておきたい。良い競技ゲームはこの様な物であってはいけない。合理的ゲームはルールをきちんと組み込み、違法な行動はそもそもできない様にしておくべきである。合理的なゲームであっても、大会ではしばしば特別ルールが用いられるが、その場合でもルールは可能な限り短く明瞭なリストにまとめる。世の中には「楽しみ」のためだけのゲームもある。そういうゲームは「勝つ」事が許されなかったり、まともな大会を開く事が不可能である。ゲームとしては楽しいだろうが、この本で扱う範囲からは外れる。

それではプレイヤーは勝つ為にどこまでやるべきか? プレイヤーは、大会において合法な行動全てを駆使して勝利の可能性を最大にすべきである。どの行動が大会で禁止されるべきかという問題はまた後の節で論じる。ここでは次の様に結論しておく:大会でやって良い事はゲームの内である。以上。誰かがバグを利用すると、他のプレイヤーが「チート」だとか「卑怯」だと文句を付けるが、これは本人は全く悪くない。彼は使える手段全てを駆使して勝利を目指しているのであり、パンチを引っ込める義務は無い。苦言は大会の運営(あるいはプレイヤーコミュニティ)に対して向けるべきである。問題は大会でその行動が許されるかどうかだ。ここを間違えているプレイヤーは非常に多い。

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メックアリーナ2013 追加・変更点

月刊スパ帝国3月号の付録「メックアリーナ2013」一体何が新しくなったのか? 2012年8月号の「メックアリーナ」から何が変わったのか? 以下にまとめてみよう。

 

用語・インターフェースを改善

「ストライク」「アウト」は「装甲」「HP」に改称。全ての数値が「多いほど良い」物になりスコアカードが見やすくなった。またカードのレイアウトを整理し、質問が多かった部分に関して文言を改めている。ルール説明書も図解が増え、インストラクションが容易になった。

 

ルールを整理・調整

前作で処理のややこしかったルールを整理。武器の連続使用制限はスタンした場合でも「同じ武器を続けて使えない」に統一した。「転倒」のルールは廃止し、似た挙動の一般的な武器に置き換え。更にステールメイト防止のため、装甲を削り切られると1ターン動けなくなるルールを追加。まれに装甲が極端に低下する状況も起きるため、新たな戦術の可能性が開けた。

 

新機体を4つ追加

今までに無いメカニクスの機体を4つ追加。特定の順番で武器を使う事で性能が強化されるコンボシステムを取り入れた「レオ」と「ネルヴァ」、使った武器が発熱し「冷却」を必要とする「コカリアス」、自爆の危険を伴う極大威力の武器を装備した「ウラヌス」である。全て無用な複雑さは避けつつ、シーズン2に相応しいテクニカルな機体となっている。使い手の技量が更に試されるぞ!

 

既存機体を調整

既存の機体のうち、ルール上の挙動が複雑だった物を再調整。「イェーガー・スナイパー」はスナイパーガンの選択的挙動を廃止。「ヴォルガ」は気力上限の例外処理を廃止すると共に、戦闘力の低下を埋め合わせるため必殺技を更に強化! 「オスカー」は「転倒」と連続行動を大幅に整理し、コンセプトはそのままに、より洗練されたスピードファイターとして生まれ変わった。全てハンドリングの煩雑さを取り除きつつ、戦略性はより増している。なおイェーガー系の派生機3体はイェーガーとの大きな違いが無いため欠番となった。

 

イラストを新たに描き下ろし

そして(ほぼ)全機体、前作と同じイラストレーターによりフルカラーで新たに描き起こされた! 再び魂を吹き込まれた闘うマシンが戦場を駆ける! 唸れ巨砲! 震えよ大地!

全てが新しい「メックアリーナ2013」は月刊スパ帝国3月号に附属!

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